少女戦争のレビュー・感想・評価
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拍手、喝采!!
「ひぐらしの泣く頃に」を手掛けた及川中監督が、映画、TV等で活躍の幅を広げる若手女優、石橋杏奈を主演に迎えて描く、アクション作品。
作品の予備知識を仕入れず、何も言わないで本作を観賞していただきたい。その先には、もう拍手喝采を浴びせる以外に何も出来なくなること請け合いである。
恐らく地方都市の女子高で、鬱々とした毎日を過ごす女子高生、リオカ。彼女は、しばらく学校に来ていない友人のミキを探し出すため、裏サイト「ハッピー7」に侵入する。そこでは、同様に潜り込んだ女子高生達が、激しい殺し合いを繰り広げていた・・・。
何の説明もなく、どこぞの適当な方言でしゃべりだす可憐な女子高生達。殺し合いのゲームを生き抜く中で、生への激しい渇望を見出していく青春物語・・・になるはずが、アクションとは名ばかりの残念な格闘を、ぶーんぶーんカメラを揺らして追いかける。
「ああ、そこで刺してみて・・・なんか刺さってないけど、フィルム勿体無いからOKです。いいねえ、うん」そんな能天気な会話が聞こえてきそうな、壮絶な殺戮の世界。余りに悲壮感漂う制作人のケチケチ根性、商売魂に、映画作りの原点を見る・・もう、拍手喝采!!
場数をそれなりに積み重ね、しっかり演技をつければいっぱしの芝居が出来るはずの石橋をただ雨に濡らして、見事なプロポーションを見せ付けることばかりに執着。
かと思えば、取って付けた様な泣ける境遇をこすり付けて物語をこじつける。何やらエッチなトマト丸齧りに、とにかく貴重なフィルムをここぞとばかりに浪費する。いらんだろう、いや、誰かにとってはそれがメインなのか。その場の勢いとウケ狙いだけで都内の密林格安ロケを乗り切る作り手の力技、勇気、スケベ根性・・これぞ映画人の鑑だ。もう、拍手喝采!!
生への渇望というよりも、性への渇望ばかりが目につく究極の変態、ではなく意欲的作品として歴史に残るであろう本作。ちょっと手を加えれば、観られる作品にはなったはずなのだが・・何はともあれ、中途半端を見事に具現化した傑作。最後までテレビを叩き壊すことなく観てあげられた自分に、拍手喝采!!万歳!!
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