劇場公開日 2011年8月27日

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「うす暗い侘しい風景と不安げな音楽が醸し出す極上のサスペンス!」ゴーストライター 瑞さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5うす暗い侘しい風景と不安げな音楽が醸し出す極上のサスペンス!

2011年9月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

ゴーストライターになんてなるもんじゃないな。今回のように自伝の場合は、被伝者にすごく心酔しているとか、村上春樹の「1Q84」の天吾みたいにその作品にほれ込んでリライトするなら、まだ話はわかるけどね。名無しのゴーストライター扮するユアンの役は、政治に興味があるわけでもないし、元首相を尊敬しているわけでもない。途中でおいしいこともあったけど、最初からケチのつき通しじゃないか。なぜ、前任者は不審な死を遂げたのか、知りたい気持ちはわかるけど、真実に近づいちゃいけないこともあるんだよ。本だったら、ページをめくる手が止まらないような、次にどう展開するのか興味がわいて、一瞬たりとも目が離せないような映画だった。ミステリーの映画化だと、見え見えの伏線でばればれの作品か、強引な展開で結末を持ってくる作品も多い中、この作品は静かにけれども着実に真相に迫っていき、見応えがあった。終わり方もスマートで、さすがポランスキーと思わせた。

瑞