リミットレスのレビュー・感想・評価
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ブラッドリー・クーパー渾身の一本
真の賢者が金儲けに走るだろうか?
答えは否だろう。
お金は、手段に過ぎない。
まるで、そのことが分かっているかのように、薬の副作用に苦しみ、あがき、それを克服しようとする。自らの身をもって。
そんな主人公をクールに、そして時に熱く演じてみせたブラッドリー・クーパー。
もしかして、この作品が彼のキャリアの最高到達点ではないだろうか。そんなふうにも思える。サスペンスフルで、アイロニカルで、スタイリッシュなムービー。
ま、その後の彼のキャリアも確実にステップを上がり続けているのであるけど。「すごく映画らしい映画」としては、この作品が一番ではないかと思う。
なにしろ、彼の変身ぶりがすごい。
売れない作家、が秘薬を手に入れて傑作をモノにし、効率の悪さに辟易として天才投資コンサルタントに転身、謎の組織に追われる身となり、やがては上院議員に駆け上がってゆく。
それを一本の映画で無理なくつなげてしまうのだから、実はかなりの演技力を発揮したのだろう。それを感じさせないくらいに、自然で、実在してもおかしくないと思わせる不思議な説得力を与える稀有な俳優。
ブラッドリー・クーパー
ただのアライグマじゃない。とにかくいい役者だ。
使っていなかった脳のシナプスが急速に・・・思い出すのは『東大一直線』の続編である『東大快進撃』だ!(笑)
NZT18という市場には出回ってない薬剤。まずは一日で小説を書き上げ編集長にすぐに受け入れられる。しかし、次の日には元通りの頭になってしまう。そこでヴァーノンを訪ねてみると、彼が殺された後だった・・・違法ドラッグと同じで結局は副作用も激しい薬剤だったから、欲しい人間はいっぱいいる。なんとかヴァーノン宅から残りの薬を探しだし、彼は手始めに金儲けを始める。やはりアメリカらしく投資だ。その他にも、今まで見た映画『燃えよドラゴン』やTVなどで格闘本能まで目覚めてしまう(笑)
多国籍企業のCEOカール・ヴァン・ルーン(デ・ニーロ)と知り合い、大合併話を勧めたりもするが、最初に金を借りたヤクザっぽい男が一錠奪ったことから話がややこしくなる。
面白かったが、最終的には成功し、上院議員にまで上り詰め、そのまま成功してしまったってオチがつまらない・・・
enhancer
脳を100%活動させるが副作用も強い新薬を手に入れ、人生が変わっていく人々の中で、主人公は禁断症状を克服しながら出世階段を登りつめていくお話。
投資家は頭が良いのか、頭が良いから投資をするのか…。真に頭がキレるなら、世俗的、物質的な願望から解放される気もします。欲望がリミットレスでした。
常時最大限の能力を発揮する必要はなく、1日1/4錠飲むとか、粉砕して少しずつ飲めばいいのに、覚醒してもそこに気づかない点はどうかと思いました。代謝は関係なく静注もOKだと、ロシア人は経験的に早速気付いたようですが。血液を飲むシーンは…感染症が(((;゚Д゚))))うぇっ。
ダメんずに引っかかる女性が、立場的に逆になる超絶デキる男にも惹かれるのか、その辺も不思議でした。
もし、この薬が現実にあったらと思うと恐ろしいな
元々、頭がよかったから主人公に薬が効いたんよな。ブルースリーを真似してケンカしたのはすごかった。彼女も二回も振っといてより戻すとはな。薬を服用していい方に転ぶかもしれんけど、リスクがつきまとうのはみえみえなんよな。人間は脳の20%しか使ってないって本当なんかな。彼女に二回振られる所から、物語がどんどん進んでいった気がする。
作っている連中は「NZT48」って呼んでる
映画「リミットレス」(ニール・バーガー監督)から。
原題の「limitless」、直訳すると
「果てしない」「無限の」「無制限の」。
ある薬を飲むと、脳に限界がなくなり、脳が万能となる。
その時、どう動くかが試されることになる。
ほとんどの人間は、欲望が限界に向かって走り始めるようだ。
さて、今回の気になる一言は、その薬の名称であるが、
「何という薬か?」の問いに、
「作っている連中は『NZT48』って呼んでる」と答えるシーン。
「NZT」でもおかしくないのに、なぜか「48」が付いている。
日本では「AKB48」というように「48」が流行だが、
偶然だろうか、物語とは関係ないところで、引っ掛かった。
もちろん私のことだから「NZT」が、何という言葉の略なのか、
それさえも気にかかる。(笑)
この作品「限界知らずの能力をもった男の物語」であるが、
逆に「能力をコントロールできなければ、死ぬだけだ」の台詞が
浮かび上がってきた。
ラストシーン、見事に能力をコントロールした主人公が、
かっこよかったなぁ。(飲み続けているなんて・・)
権力にひた走るドラッグレースの末路
人間の脳味噌なんざぁ20%も使えば良い方で、全ての容量を全稼動させれば、人間なんてどんな難問も解決出来ると、在りし日のエドガー・ケーシーは答えたそうな。
主人公は薬の力を借りて物書きに専念すれば善いのに、欲求は止まず、金融界に殴り込み、革命児の名を欲しいままと成る。
正にアメリカンドリーム。
しかし、良薬口に苦し成らぬ、劇薬頭に苦し。
当然、副作用に蝕まれ、苦しみもがく羽目となる。
専らバッド・トリップがメインでひたすらネガティブ。
大昔、目薬を挿したオッサンが透視能力を授かる『X線の眼を持つ男』ってぇハリウッド映画(と云えど製作はロジャー・コーマン)があったが、それの頭痛薬版。
要するに、薬の効能に踊らされ、溺れちまうヨタ噺である。
主人公はめでたく出世したものの、案の定、薬の力がバレ、ウォール街の頭領デ・ニーロやヤクザに嵌められ、シッペ返しを喰らう。
後悔し、アシを洗おうと決意するが、シラフやと禁断症状で脱け殻と化してしまうため、結局、クスリを煽り、復讐に繰り出す。
そこまでして、権力の山によじ登り、居座る悪あがきの醜さを目の当たりにすると、カダフィはコレに似たクスリのファンだったに違いない。
だとすると、主人公のサゲはブッシュをダブらす。
いや、オバマだろうか。
話のスジは好きやけど、個人的には、もっとデ・ニーロ親分に引っ掻き回して欲しかった。
先生の了見を量る上で、せっかく書き上げた小説にも触れるべきだったと思う。
物語でのキリのないシッペ返しの応酬は痛々しく、“クスリは身を滅ぼす”事の意味を実感した。
こうして、マーシーや清水健太郎は人生オシマイになってもうたんかなぁ…
最後に短歌を一首
『どん底に 盛られし回路 突き抜けて 夢見て一服(毒) 止まれない橋』
by全竜
裏読みしたくなる。
予告はおそらく観てなかったと思う、タイトルからえ~っと…と
思い出し、全米第一位になった作品だったっけと記憶を辿り。。
ホラやっぱり私の脳なんて20%しか使われてなかったわ^^;と、
今作を観れば納得のいく(いや、そういう映画じゃないんだけど)
ドラッグで人間の脳を100%活性化させたらどうなるか!?の物語。
いわゆる麻薬中毒みたいなもので、やめるとすぐにおかしくなる。
こんな薬を世の成功者たちが皆服用していたら…?なんていう、
冗談にも笑えない一コマなど、随所に教訓めいた演出が光る。
売れない小説家エディはある日、元妻の弟から開発中の新薬と
いう怪しげな薬を受け取る。普段は20%しか使われてない脳を
100%活性化させるというその薬、半信半疑で服用したエディに
次々と信じられない奇跡が起こり始める…やがて世間の注目を
集め成功者として名を馳せた彼に、大物投資家から投資話が
持ちかけられるが、あと一歩!の所で次々と副作用が起こり始め…
とにかく面白い。
原作を知っているならいざ知らず(全米ベストセラーになったそうで)
何にも知らずに今作を観た身としては、奇想天外さに驚かされる。
いや、薬を飲んでスーパーマンに変身したぞ!?なんていう物語は
過去にもあるのだが、その脳内活性化に合わせて繰り広げられる
華麗な変貌劇をこれだけ急転させて死にそうなところまで追い詰め、
腕力でのしあげてしまったこの強引さ^^;話の展開が右往左往して
読めない所がこっちの神経を麻痺させ、中毒患者のように最後まで
引き込まれる。あ、これが狙いか!?制作側の。。
B・クーパー、僕ならこんな役も出来ちゃうんだよ♪的な余裕の笑顔で
汚い貧乏作家からスタイリッシュな資産家まで楽しそうに演じている。
大御所デ・ニーロと肩を並べてもまったく引けをとらない堂々ぶりで、
ラストの…シーンでは彼をタジタジにさせる。彼もショウビズ界では
彗星の如く現れて、あっという間に人気者になったクチですよねぇ~。
ま、まさか^^;なんて観た後の疑いまで計算づくで作られたとしたら?
何ともリミットレスな作品だと、またまた感嘆してしまうところですが。。
(でも彼女には一途だったわね~なんか意外だけど^^;よく走りました♪)
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