劇場公開日 2011年10月1日

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「話がどっちつかずでSFにもスリラーにもなれず」リミットレス マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0話がどっちつかずでSFにもスリラーにもなれず

2011年10月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

興奮

人間の脳を100%活性化させたらどうなるか? 話の軸となるのはサイエンス・フィクションだ。
その頭脳に「ウォール街」に出てくるような大物投資家(ロバート・デ・ニーロ)が目をつけたのはいいとしよう。ところが、この二人のあいだに火花が散るような丁々発止のツバぜり合いはない。
エディはクスリのことを隠すことに精一杯、投資家はエディの企業分析に頼りっぱなしという構図で、やったらやられるという直接的な利害関係が存在しないからだ。

問題のクスリの出所についても語られず、どこで誰が何の目的でクスリを開発したのか? また、クスリの存在を隠蔽しなければならない真の理由とは? といったミステリーの要素も放棄してしまった。

超人的な能力で目立つ存在になった主人公エディの敵といったら、なめし皮のコートの男と金貸し屋ぐらいで、これではスケールが小さい。その辺のB級アクションでも、もっと手強いのを敵に据えるだろう。
この時点で、この作品を、特殊薬をテーマにしたSFアクションから、町のチンピラ相手のいざこざを描いたに過ぎない小品にしてしまった。

たしかに、常人では考えられない頭脳で主人公が先の手を打つというのは分かるが、やはりラストは都合がよすぎる。
SFらしい捻りの効いたラストを期待したが、そもそもSFになりきっていないのだから仕方あるまい。
SFにもハッピーエンドはある。だがその場合でも、そこに至るプロセスに見る者をあっと驚かせる機転がある。そこのところの描写が弱い。

ブラッドリー・クーパーがヤクやって・・・何やってたんだか分からないけれど、終わってみたら万事よしでは「ハングオーバー!」と変わらない。

マスター@だんだん