「主役は子供たち」黄色い星の子供たち マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
主役は子供たち
後に「ヴェル・ディヴ事件」と呼ばれることになる忌まわしい事件だが、元ジャーナリストというローズ・ボッシュ監督が丁寧に描いている。
ジャン・レノとメラニー・ロランの二枚看板で公開されたが、この二人が登場するのは結構時間がたってからだ。
この映画の真の主人公は邦題からも分かるように、11歳のジョーを中心にした子供たちだ。カメラが子供たちの目線で捉えたカットが多く、女性監督らしい優しさと温かみで子供たちを包んでいる。
また監督は、この作品を通して、奇跡を呼び起こすのは行動なのだと訴えている。
中心となるヴァイスマン一家は、ジョーはもちろん、両親や姉妹の配役がよく、徐々に家族が引き離されていく遣る方無い痛みが伝わってくる。
ジョーの友だち、シモンの幼い弟・ノノが可愛らしい。双子のWキャストらしいが、このガラス細工のように壊れてしまいそうなノノが、看護師のアネットを慕う様は、いずれ訪れる別れの予感から、一層、悲しみを誘う。
ラストのノノには、誰もが思いがけない涙を流すことだろう。
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