父の初七日のレビュー・感想・評価
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台湾のお葬式
台北で働く阿梅は、父の訃報を知らされ、田舎へ帰郷する。病院で兄と共に父の遺体と対面する阿梅。そこからジェットコースターのような非日常が始まる。 道士でもある叔父の指示のもと、伝統的な道教の儀礼と風習に則り催される葬式は哀しみに暮れることを許してくれない。死亡時刻や納棺の日取りも古式に従い決められ、食事時だろうが歯を磨いていようが、「泣け」と言われたら棺の前で泣かなくてはならない。マーチングバンドまで動員されて、さながらお祭りのよう。あえて解釈するならば、身近な人の死の直後という急性期を、しきたりでがんじがらめにすることで、哀しみをやり過ごすということはあるのかも知れない。そして、その効果が薄れたとき、阿梅は空港で父を思い出し1時間半も泣き続けるのだ。 この映画、主役の兄妹がとてもいい。親を亡くし、途方に暮れる間もなく伝統宗教と田舎の風習に翻弄される2人を等身大で演じている。 印象的なのは、大学合格を祝う父とのバイクのシーン。父を後ろに乗せてバイクを運転するシーンは、一転して父の遺影を後ろに背負いバイクを運転するシーンとなる。ジャッキー映画のひょうきん役等で知られるタイ・バオが父親役を好演している。 葬式の映画?と敬遠しないでもらいたい。ユーモアあり涙あり、そしてまたユーモアありの良作。
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