テルマエ・ロマエのレビュー・感想・評価
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(笑)
ただただ単純に楽しめた。
奇抜なストーリーがまず面白い。
古代ローマ人が現代日本の風呂にタイムスリップする…なんて話、よく思い付いたもんだ。
漫画・アニメならまだしも、これを実写でやろうなんて、その心意気も面白い。
原作漫画は未読だけど、すんなりこの奇想天外な話に入って行けた。
コメディだけど、しっかりと仕事の誇りや責任感も描いて抜かりナシ。
だけど何と言っても見所は、阿部寛!
そのリアクションの一つ一つがもう笑える。
本家現地人と混じっても違和感ナシ。
まさに阿部寛の為のハマり役。
日本に阿部寛という役者がいて良かったとつくづく思った。
ローマ人なのに日本語喋ってる等、指摘するのはナンセンス。
ハリウッド映画だって、「グラディエーター」で英語喋ってるし、「SAYURI」でも英語を喋ってる。
これはコメディなんだから!
気軽に楽しんで見て、帰りにひとっ風呂入ろうではないか!
本編は予告を超えたか…
予告に出てくる、平たい顔族のじいちゃんたち。それが本編でもいかんなく熱演していることに期待したが、案外サラッと登場しただけ、の感。
原作にはない上戸彩演じる役柄は、映画化にはまあ必要なポジションだろう。
お笑いタイムスリップものとしては、十分笑えて合格ではあるが、イマイチものたりないのはなぜだろうか。
古代ローマ人が現代日本に現れる、というせっかくのネタがはじけていないのだ。
原作漫画を読み、フジテレビの深夜アニメを見たりして、お笑いのネタ部分に関しては新味がなかったから、予告で感じたおもしろさ以上のものが本編にはなかったのだろうか。
ただ、原作を知らず、いきなりこの映画を見たのだとしたら、かなりおもしろくハマる作品かもしれない。
どうせなら、女湯もバンバン登場させて、R18くらいに裸を見せれば刺激的な作品にもなったろうになあ。
阿部ちゃんもせっかくの肉体が宝の持ち腐れって感じ。もっとエロく撮ってほしかったね。
そのあたり、テレビ屋さんが撮った映画だから、腰が引けてる感があったよ。
彫りの深い俳優と顔の平たい伝統顔の俳優を並べたキャストの勝利!
『のだめ』と同じ監督が作った作品のため、随所に『のだめ』のような観客をくすぐるような可笑しいシーンたっぷりで笑えました。エンタテインメントに徹した楽しい作品です。
それにしても本作のキモは、奇想天外な原作のストーリーにどうやってリアルティを付けたかということでしょう。何と言っても古代ローマ人が現代の日本へワープして、風呂場間の建築アイディアを得ていく物語。これを邦画でやろうとしたわけです。邦画レベルで古代ローマを適当なスタジオセットでごまかしても出演者が日本人役者では興ざめです。
ところが、この難題を巧みなキャスティングで見事にクリアしていました。何と言ってもルシウス役に抜擢した阿部寛が1000人もの現地ローマ人エキストラに囲まれても全く違和感なく溶け込んでいるということです。
元々日本人離れした彫りの深い風貌に加えて、本作に出演するために体を鍛えたそうなんです。加えてローマ人役に起用された他の日本人俳優も市村正親をはじめ彫りの深い俳優ばかり揃えて、邦画ながらも古代ローマが舞台という矛盾を緩和することに成功したりでした。加えて現代日本へワープしたルシウスが遭遇する“平たい顔族”には、笹野高史を初めとする、よくぞここまでというくらい伝統的な平べったい顔つきの日本人俳優を並べました。このメリハリのあるキャストが功を奏して、奇想天外なストーリーでも違和感なく受け入れることができたのです。
また、イタリア・チネチッタ撮影所を起用し、ヨーロッパ最大の大規模なセットで映画『アリストテレス』並みに古代ローマを再現していたことも大きいと思います。
現代日本の伝統的銭湯や湯治場と古代ローマがリンクする奇想天外なストーリーを正攻法で突破した本作は、大ヒット間違いなしの話題作となることでしょう。
古代ローマの浴場設計技師ルシウスが、職を失ってしまったのは、当時のテルマエが本来の風呂を楽しむよりも、社交場と化して賭博から格闘技まで何でもありという風俗と成りはてていたことに意義を異議を唱えたからでした。
落ち込むルシウスがテルマエで入浴していると、突然湯船に渦巻きが怒り、ルシウスは渦に巻き込まれて、現代日本にワープしてしまいます。このワープのシーン、途中の間が空いてしまう時間の穴埋め用に、何故だかオペラ歌手が登場し、アリアを熱唱するのがお決まりになっていました。のだめで言えば“変態の森”のようなワンシーンです。オペラ歌手のシーンは、ワープ場面ごとに変わっていくところも可笑しかったです。
さて、ルシウスは現代日本と古代ローマを往復し、巧みに日本の伝統的な風呂文化を取り入れていきます。何気なく使っている風呂とアイテムの一つ一つに大げさに驚くルシウスの感動ぶりが笑いを誘われててしまいます。なかでもウォシュレットを初体験するルシウスの驚愕ぶりは絶品。こんなところでしっかりメーカーとタイアップしているなんて、何とちゃっかりした企画なんだろうと思いました。
このウォシュレットもなんと皇帝ハドリアヌス帝の風呂設計に見事に再現されていました。ルシウスの評判を聞きつけたハドリアヌス帝が自分のこころを安らぐために作らせた洞窟風呂は、沢山のロウソクの灯火が小地蔵も入浴したいなと思うくらいロマンチックな空間でした。
突っ込みどころしては、なんでヒロインの山越真実のいるところばかりルシウスがワープするのか説明はありません。それは原作からのお約束なんでしょう。そればかりか実家の湯治場の常連まで強引にワープさせてしまいます。
それと中盤までは日本人俳優もラテン語の台詞を語っていたのに、途中で真実がラテン語を覚えた段階で、強引にバイリンガルでオール日本語の台詞にしてしまったのです。これものだめ流ですね。
さて遠征先でのテルマエの建設成功がケイオニウスの野望をくじき、その後のローマの歴史すら変えてしまうという大きな話に繋がっていく本作。イタリア人と結婚しイタリアに住んだことがある原作者のローマ愛を感じました。夫がローマ皇帝の名前を全員言えるほどの古代ローマおたくだけに、よく古代ローマの歴史を調べていると思います。
笑いだけでなく、真実が現代に連れ戻されていく過程の中で、ルシウスが語った再会への言葉“全てはローマに繋がっている”という台詞はなかなかロマンチックでグッときました。
役者的には、阿部寛だけでなく、市村正親が凄い!彼が出演しているとまるでシェイクスピアの舞台という舞台劇を見ているようで画面が引き締まります。日本人が古代ローマ人を演じていることに違和感がなくなってしまうのですね。
またヒロイン役の上戸綾は、吉高由里子のお株を奪うコミカルだけどかわいいキャラのヒロインに成りきっています。古代ローマに日本人のまま飛び込んでいったヒロインを演じるのは、結構難しい役どころではなかったかと思います。なかにかうまく演じていたと思います。
さて、ミクシイの日帰り温泉関東コミュの管理人としての見どころは、ロケ地の温泉の魅力ですね。真実の実家の湯治場は主に、那須温泉の北温泉。プールのような広い露天風呂の開放感が本作でもたっぷり描かれていました。内風呂や岩風呂露天のしなびた風情も格別です。北温泉にはまだ行ったことがないので、ぜひ立ち寄ってみたくなりました。
また滝の見える露天風呂は伊豆・河津の旅館 大滝温泉「天城荘」のもの。境内に露天風呂が点在するのでタオル一枚で移動するのはちょっと気恥ずかしいのですが、大滝を眺めながらの開放感はこの温泉の醍醐味です。それぞれ日帰りで入浴できます。
珍スペクタクルお風呂列伝w
累計500万部の人気マンガのまさかの実写化。
お風呂愛は日本人だけであらず、古代ローマに通ずる
ということで、素晴らしきお風呂文化の映画の誕生ですw
古代ローマ、“テルマエ”と呼ばれる浴場設計技師
ルシウス(阿部寛)が現代の日本へタイムスリップして
異文化と進んだお風呂技術に衝撃を受け、
ローマに戻ってそのアイデアで作った浴場で話題を呼ぶお話。
果ては国の危機や歴史にも影響を及ぼす展開にw
無駄に豪華なイタリア、チネチッタのオープンセットは
過去にフェリーニの作品や「ベン・ハー」等、本格的。
大スペクタクルな予感で始まる贅沢なオープニングから
一転、平たい顔の民族(日本人)ののほほんシーンへの
ギャップと異文化の衝撃に目を白黒させるトコが笑い所。
監督さんは「のだめカンタービレ」シリーズの武内秀樹氏。
のだめでの培われた経験と緩急のセンスが安定してて
優美なクラシック感と庶民的なチープな笑い満載♪
ローマ人扮する阿部ちゃんは、今作ほぼ半裸であり
いかんなく面白可笑しい肉体美を披露しておりますw
真面目な顔で驚がくするコメディセンスは安心感あるしね。
その他、濃い顔という理由で選ばれたキャスティングは
ローマの風景にもすっかり溶け込んでて皆さんハマり役w
平たい顔族の美少女代表(上戸彩)ちゃんの役は
映画オリジナルのようで、お風呂文化と歴史をつなぐ
物語としてうまくまとめる存在になってて
原作にはなく映画ならではのお楽しみかと。
ワールドプレミア上映でも日本のお風呂ってなんか良さそう
とイタリア人観客にもほっこり伝わったようで何よりw
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