「メディアが無責任に担ぐ裸の王様の描き方・創り方」イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
メディアが無責任に担ぐ裸の王様の描き方・創り方
ハッキリ云って不愉快極まりない代物だ。
何だこりゃ。
個性的デザイナー達がとっかえひっかえ登場してくるが、所詮、落書きは落書きである。
街を汚すだけじゃねぇか。
こんなものゴミだよ、ゴミ。
どこが芸術なのか理解に苦しむ。
特に、ディズニーランドでアルカイダの捕虜のオブジェを飾る暴挙に至っては、迷惑どころか、犯罪以外の何物でもない。
アートは非常識だからこそアートなんだっていうが、常識をわきまえて行うから成立するんだよ馬鹿野郎。
一生ムショ入ってやがれ!とすら思った。
8割、いや9割方0点以下の出来映え。
しかし、サゲ付近で状況は一変する。
取材を続けてきた素人カメラマンのティエリー・グエッタがアーティストに目覚めるのだ。
ココからようやく面白くなる。
一日中カメラを回すのが生き甲斐という林家ぺーみたいなオッサンが、膨大なフィルムを切り貼り整理して映画をこしらえるのだが、コレが酷い出来。
やかましいだけ。
顔と声を隠したバンクシーですら、感想コメントを求められ、顔が強張っていたのがわかる。
んで、よしゃあイイのに、今度は絵描きになりやがった。
本業の古着屋畳んで、デッカい展示場押さえて、華々しく展覧会開くんだが、コレがまた輪を掛けて才能が皆無。
アンディ・ウォーホールのパクリでオリジナリティなんざぁ一欠片も無い。
交流してきたアーティスト達の協力でようやく完成する始末。
だが、世間とはわからぬモノで作品が絶賛され、一躍トップアーティストの仲間入りを果たしてしまう。
それでまたまた、よしゃあイイのに、
「自分の才能のおかげだ」って、
本人勘違いしてその気になっている。
メディアは中身なぞお構い無し。
本質なんてどうでも良い。
無責任に御輿を担ぐ。
裸の王様が如何にして出来上がっていくが手に取れてわかり、感慨深かった。
自惚れた人間の醜さたるや…
天狗になったらロクなこたぁない。
人間は身の程ってぇモノを常に考えるべきだと、この映画を観て教訓となる。
素人は素人として気楽に趣味としてやっていくに限るね。
っと実感したところで短歌を一首
『街を貼る 壁は額縁 宵鼠 芸術(アート)と言い張る 自慰の上塗り』
by全竜