秒速5センチメートル(2007)のレビュー・感想・評価
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決してハッピーエンドではないでも、
タイトルにも書きました
決してハッピーエンドではないと思います。
でもバッドエンドともとれない
それは1話と3話に登場している桜が
そう伝えてきている気がします。
少年時代の恋をずるずる引きずって
成長した主人公のたかきは
何かにしがみついてなんとか生きていて
でもなんとなく付き合ってる人に
心が1センチくらいしか近づかなかったと言われ
昔の事に縛られていた事を思いだし
職を辞めます。
季節も変わり桜が秒速5センチメートルで
落ちる頃踏切であかりに似た容姿の人とすれ違い
渡りきった時に振り返る。
すると電車が横切り
確認できず横切った後にはもう姿はない
その時のたかきの表情は何故か笑っています。
きっとすべてをここで悟ったんだなって
自分のしている事は無駄なんだって
何してもあの時のあかりと会うことは出来ないんだって。
でもこれって逆に吹っ切れたっていういい意味だと思うんです。
桜には決してネガティブな思考は出てこないし
その時のこの笑みは決してバッドなものじゃない
そう捉えることが出来ました!
僕にも初恋というか夢中になったし
いまでも憧れてる人はいます
引きずってもいました
後悔は沢山残ってます
あの時こうしていればなんて。
でもふとしたきっかけで前に進むことが出来たし
新しい人達とも出会えた。
きっとたかきもこの物語のあと
ちゃんとした道を進むことが出来たような気がします。
2回目を観てここまでやっと見る事が出来ました。
感動できるかは視聴者の経験に委ねられる
短編3話からなる本作は端的に初恋の切なさを描いた物語としては最高。
しかし短いゆえに人物の描写としては弱く、主人公にも感情移入しにくい。
この感情移入できるかのポイントは視聴者の経験が大きく左右する。
最終的な結末がハッピーとは言いがたいのでむしろ感情移入しすぎると凄まじい憂鬱感をしばらく引きずることになると思われる。
遠距離恋愛経験者で、かつ成就することなく終わった経験のある人などは視聴注意であると警告しておく。
人物描写の弱点を補うのはリアルな背景描写だろう。
主人公に感情移入しないまでも、リアリティのある世界観が作品への没入度を高めてくれる。
個人的には馴染みのある駅や路線名などがそのまま出てきたことにより、すんなりとのめり込むことができたように思う。
クライマックスは山崎まさよしの名曲に頼りきった盛り上げ方であり、演出力には疑問が残る。
新海監督作品はこれから順番に観ていくつもりなのでここからどう変わっていくのかを楽しもうと思う。
懐かしいな、と思える風景
リアルな背景に、アニメ映画ではなく
人間が演じているドラマを見ている気分に。
でも、もしこの映画を人が演じていたらみなかったと思う
背景がリアルな反面、キャラクターがやけにアニメチックではじめは違和感を感じた
あそこまで写実的な背景をかけるんだったら人間ももっと手抜きしないでかけるはずだけど、
それをしないのはわざと?
第一章の主人公の語りがすごく鼻につきました…なんでだろう
調べてみたら新海監督は村上春樹もお好きらしく、
私は村上春樹の小説の主人公も、だから一体なんなんだって思ってしまうことが多いので、
この秒速の主人公にもそれと同じ感情を持ってしまったのかもしれません
いつまでも感傷的に昔の女性を引きづる描写に共感できなかったのは、語りが難しくて長かったからでしょうか
「幾ばくと」とか「横たわる」とかいう表現がきいててだめだった
もし、この映画のジャンルが「恋愛もの」だとしたら、まったく理解できないけど
主人公の成長や、思い出をテーマにしているものだったら、まだ理解できる…
室生犀星のふるさとのうたを思い出しました
桜の季節や雪の風景、電車の中からの景色など
見ている誰もがなんか懐かしいな、と思える風景をドンピシャで描けるのはすごい
一章は風景がすごくきれいなのに、三章はそこまで綺麗じゃないのも印象的
子供時代の思い出って美化されるし、過去の思い出はきれいっていうのを映像で表現できるのはおもしろい
小説版の秒速5センチメートルでの主人公の恋愛遍歴とかを調べたら調べるほど素直に感動できなくなっていくので、
映画ではじまり映画で終わったほうがこの作品は楽しめると思いました
新海監督の作品、ほしのこえや星を追うこどもとか、意外といろいろ見ていたことに気付いたけど、
どの映画もぼんやりとしたなんともいえない余韻が残る、不思議な作品です
40点
映画評価:40点
全部で3章構成となる作品で、それぞれの章で主人公の年齢の変化と成長が見られる
せっかくなので各章ごとに感想を書きたいと思います。
【桜花抄】:75点
中学生の淡い想いが伝わる。
新宿、武蔵浦和、大宮、久喜、そして佐野
どれもが私が依然住んでいた近隣で馴染みがあり、そういった所からも感慨深い
桜が咲く事のできる刹那、まさに一瞬の両想いが咲いていました。
それを見たとき涙が出ました、自分の中にもまだピュアな気持ちがあったと再認識できた素晴らしい物語でした。
【コスモナウト】:45点
主人公は高校生になっている。ただこの物語の主役は主人公を好きになった女の子だ
彼女の葛藤と、ひたむきな想いに青春を感じる
【秒速5センチメートル】:20点
もう主人公は社会人になっている。
昔の想いに引きずられウダウダと生きている
これには賛否両論あるだろうが、私は否定派だ。なぜなら最初の物語で二人の未来に期待を持ってしまったから
桜の花びらが落ちる様に一瞬の選択の躊躇で決まってしまう未来を描いているのだろう、それの方がリアルで儚いのだろう、だけど私の心はこの結末に納得してくれませんでした。
【Gyaoで鑑賞】
切ない系だが、男が情けない
初恋の切なさを表現した作品。
単刀直入言うと、初恋に未練を感じ続けていた男が、最終的には理想と現実の端境にいっぱいいっぱいになり、一念発起して退職、最後はニートになってしまう話。
男の女々しさが特に際立ったように感じる。
ただし最後の山崎まさよしは最高でした。
内容自体はなんかモヤモヤする感じ。
せつない想いがいっぱい
決してハッピーエンドではないが、何故かしっくりきてしまう映画です。 全編通じてせつない。せつないけれどもどこか懐かしさもあり共感してしまう。
特に第一話は苦しいほどせつない。 主人公が彼女に会いに行くまで遠い道のり。 とにかく遠く幼い主人公を孤独に不安にし追い詰める。観ていてとてもつらい。それはどこかで自分が体験した思い出とも重なる。同じシチュエーションではないにしろ誰でも同じ境遇になったことはきっとあるはず。自分もそう。だからこそこの主人公の孤独さ、不安さ、辛さが身に染みて分かる。痛いくらいの想いが自分の中で駆け巡る。
そして彼女と会えたときは心から喜べる。だけれでも待っていた彼女も寒い中、ひらすら待っていたことに心が痛む。 彼女も同じように辛かった。それもまた自分の実体験と重なりせつなく辛い。
第三話で現実的なラストを迎える。せつないけれどもそれが現実。だからこそ共感できしっくりきてしまう。そこにまた主題歌の選択がにくい。映画の世界観をマッチしすぎ。
全編通じてノスタルジーを感じると同時に、痛くせつない強い感情がわき上がる。 安っぽいハッピーエンド映画の商業的なストーリー展開よりも、ぐっと映画の世界に入り込むことができ圧倒的に満足のいく映画に仕上げっている。
個人的に自分の体験談とはまりすぎていたため、共感でき良い点数ではあるが、一般的には淡々としたストーリー展開と映像美を楽しめる映画なのでは。
切ないです (涙)
連作3本立てで描く、切ない恋の物語。
情景描写がとにかく綺麗。
日本の、普段の生活が垣間見えます。
その描き方がとにかくいい。
桜が散るスピード、と
いうのがまた切ないですなあ〜。
まるで、日本の小説を読んでいるような感覚がする作品でした☆
切ない、切なすぎる!
誰もが感じたことのあるような喪失、そしてその後に前を向く話。
踏切のシーン、最後に主人公が前を向いたから、それまでの悲しみが昇華された気がした。
大切な相手との心の距離、それを繊細に感じて切なくなる感情が、美しく表現されていた。
思い通りにはいかないことも、だからこそ味がある人生。いやあ、よかったね!
泣ける
泣ける。その一言に尽きる。
これは完全にネタバレだが、最後(見ているとなんとなく予想はつくが、僅かな希望を胸に見続けていると)電車が過ぎ去った後、女の子がいないのは誰もが泣けるだろう。山崎まさよしの曲もそれを助長する。
ただ二人だけの恋愛物語ではなく、その周り(何と言ったらいいのだろう)の恋愛も絡んできて、またそれがどれも切ない
よくみたら思ったより結構深い内容だった。
二年前に見たときは、村上春樹かぶれのナルシスさんが過去の女を回想するオ○ニー映画、でも表現がうまいからそれなりに観れる作品、という印象が最初でした。で、今回仕事場で日本のアニメについての考察という内容の授業に呼ばれて、外国人の学生に対して一日講師をしたときにこの映画について語ってくれと頼まれました。で、あらためてみると、すごくよくできた映画だというのがよくわかります。
大体3点くらい興味深い点があるんですが、まず一つ目は、この作品は望郷や追憶といった古来から日本の芸術の中で繰り返し使われていたテーマを、しっかりとアニメで表現しているところです。なぜ主人公が明里を探して新たな関係を築こうとしないのか、外国人には理解しがたいんですが、実は主人公は彼女と過ごしたその瞬間、体験、感情を愛でているわけなんですね。だから現実に成長した彼女を探すことには興味がない。「ふるさとは遠きにありておもうもの」なんてありますが、日本人は過去の記憶を過去の記憶のまま愛するんですよね。「ただおもってないで、さっさとふるさとに帰れよ」じゃなくて、子供のころに生きた、自分だけのふるさとをおもうこと、それぞれの幸せだったり苦しかったりした過去をありのままに愛して受け入れるというスタンス、それは突き詰めれば、現在を受け入れる姿勢に至るわけです。これは物語のテーマとも合致します。
二つ目は背景描写のリアリティーと人物のアニメ的表現のギャップです。監督本人も言っていますが、これは鑑賞者がより自然に映画の中に入っていけるための仕掛けの一つです。人間、背景は比較的客観に認知しても、己の姿、人と姿はたいてい主観を交えてみるものです。鑑賞者がそれぞれの個人の類似した記憶をたどりながら、登場人物に成り代わり、映画を鑑賞の対照ではなく、映画を「体験」する、という試みがなされています。
三つ目はエンディングテーマに出てくるタイトルです。通常、映画の始まりに出てくるタイトルが最後に出てくるのは、単に芸術的でなんだかかっこいいから、というわけではありません。これは主人公が過去の回想を終え、人生に区切りをつけて、あらたに歩き始まる、ということが表現されていると思います。つまり映画そのものは秒速5センチメートルという物語の前章で、実は映画が終わったところから本当の物語が始まるわけです。それは甘く苦い美しい回想ではなく、面倒くさいこともかっこ悪いことも含めた主人公の現実の人生です。興味深いのが、鑑賞者が登場人物に成り代わり「体験」したあとには、この物語の始まりは登場人物たちの始まりでありながら、鑑賞者自身の現実の人生にまで還元されることです。すなわち鑑賞者それぞれが登場人物たちに自分を重ね、それぞれの過去を回想し、映画の最後には現実の人生を物語に生きることを示唆するわけです。
うまく言葉で表現できていないかもですが、そういった意味でコンセプト自体が非常に新鮮で日本的、しかもちゃんと作品の印象とちゃんとつじつまが合っている、という点で、作品としてのクオリティはコンセプト、アニメとしての表現ともども、非常に高いと思います。
ちょっと演出的にはコテコテすぎてちょっと鼻につくところもありますが、これもコンセプト上必要な要素と考えれば、この作品は世界に自信を持ってお届けできると思います。
心の動きを詩的に描いた
総合:85点
ストーリー: 65
キャスト: 80
演出: 90
ビジュアル: 95
音楽: 85
 世間を揺るがす大きな事件などなくても映画は成立する。花びらが落ちる速度の話をするだけでも、それが特別な時期に特別な相手とならば本人にとっては充分な大事件だ。そんな特別な相手との心の触れ合いと揺らめきが、時には人生に大きな影響を与えることがある。
 特に最初の話「桜花抄」は極めて素晴らしかった。まだ何の力もない幼い二人の、精一杯の純粋な想いが伝わってきた。満開の桜の花びらが落ちる様子を見て、その速さを話し合う。そんなちょっとしたことの奥のほうにもそれが心に通じるものがあれば、それが実はとてつもなく大切なんだということを理解させる演出が、美しい絵と共に見事に描かれている。
 それは想いの丈を詰めた心を書き込んだ一遍の詩を、純粋な気持ちで見た風景の絵に貼り合わせたかのようである。そんな思いを手紙に託して読みあげるあかりのちょっと幼い感じの喋りかたがせつなくて可愛らしい。
 その離れ離れになった二人がまた会うことになったちょっとした旅の顛末が期待と焦燥を駆り立ててくれた。電車が遅れるだけ、たったこれだけの話をこの演出によってどうしようもなく不安を広げてくれた。
 だがその後の二人がどうなったのかがわからない。第二編「コスモナウト」になると、二人にはまるで接触がなくなるのだ。まだ高校生の二人にとっては、種子島と栃木は絶望的なほどにあまりに遠い距離。別々の生活が二人に別々の人生を歩ませるのは仕方がないとしても、何故そうなったのかを少しくらいは見せてくれないと、その後の話に繋がっていかない。少なくとも東京に住む大学生になれば栃木なんて日帰りだって出来るし、十分に解決できる距離でしょう。
 気になったので後で原作の小説を読んでもそのあたりは書かれていませんでした。まるでSF映画のような風景を背景にした遠い孤独な思いを描いた第二編はそれはそれでいい話であったのだが、最初の話との関連という意味で物語には不満が残りました。それが第三編になるとさらに話がぼやけてしまった。
 それでも絵の美しさと心理描写の巧さ、特に最初の話を高く評価して高得点です。山崎正義をはじめとする音楽も、町や自然の音を効果音にする演出も上手。特に第一遍だけでもこの映画は十分すぎるほどに見る価値がありました。新海誠という新鋭の偉大な才能に巡り合うことが出来て良かった。
若い頃の忘れられない恋
あるある、若い頃の忘れられない恋愛って・・・
この主人公も相当引きずっていますね、観ていてこっちも辛いです。
映像が綺麗です。鹿児島の空とか海、宇宙みたいな夜の空とか。
何度も観たくなる映画ではないですね、結構面白かったけど。
全73件中、61~73件目を表示

 
  







