「センチメンタル」秒速5センチメートル(2007) yoshiべぇさんの映画レビュー(感想・評価)
センチメンタル
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「なんで両想いの二人の手紙のやり取りがなくなってしまったのか。」と疑問で一杯になった作品だったが、好きだから連絡を取り合って結ばれるという現実的な関係性よりも、儚くて繊細な眩い揺らぎが宝なんだろう。
暖かくて明るいあかりちゃんの家に泊まればいいのにと思ってしまったが、雪の中、寒くて暗い二人だけの小屋が尊いという感じなんだろうか。
貴樹は遠くの何かを見ていると花苗ちゃんが言っていたが、それはあかりちゃんさえも通り越しているように思える。そして、貴樹自身も遠くを見てはいるがはっきりと何かを見ている訳ではない。そんなやさしく掴みどころがない貴樹に魅かれてしまったように思えた。
ラストは貴樹が踏切であかりちゃんとすれ違い切なくなったが、実は一番周りを振り回して自由に生きていたと思う。人それぞれの青春のほろ苦さに共鳴する作品なのかな。私は雪で電車が遅れ、期待が絶望に変わっていく想定外の状況に胸が痛くなった。
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