「小説版読了後、娘の押し(推しではない)でアニメ版鑑賞。」秒速5センチメートル(2007) Mr.C.B.2さんの映画レビュー(感想・評価)
小説版読了後、娘の押し(推しではない)でアニメ版鑑賞。
用事があって吉祥寺へ娘と出かけた。久しぶりに吉祥寺で一緒にラーメン屋に入った。以前は武蔵野市に住んでいたので、20年以上前は良く一緒に行っていた店だ。
最近観た映画の話をして「秒速5センチメートル」の実写版を観た、レビューを書く前に新海誠の小説版を読んでいる、と言ったら(娘が好きな米津玄師より山崎まさよしの歌が良いと言ったからか)「アマゾンで見られるから、山崎まさよしの歌が良いならアニメ版を観た方が良い。歌まんまだから絶対に観た方が良い、絶対に観ろ〜!」と言われた。
へぇ、そんなにアニメ版「秒速5センチメートル」が好きだったんだ。娘の熱意はラーメンよりも熱かった。
10月21日(火)
新海誠の小説版を読了後、アニメ版を観た。
確かに主人公たちの絵は粗いが、風景の描写は秀逸だ。夕景、夜景、桜の風景、雪の風景の見事さに比べて波の表現がイマイチなのが御愛嬌か。
第一話 桜花抄
小学4年から中学1年までの貴樹と明里の話。貴樹は明里から桜の落ちるスピードは秒速5センチメートルだと教わる。中学1年の3月に雪の駅で別れる。
第二話 コスモナウト
中2の時に東京から種子島へ転校した高校生貴樹と花苗の話。花苗がいくら貴樹の事を思っても、貴樹は優しくはしてくれるが、貴樹の目は花苗を見ていない事に気づいてしまう。
第三話 秒速5センチメートル
現代(2007年)。社会人になった貴樹は働いているが、心は満たされていない。
貴樹は付き合っていた彼女とも別れ、会社も辞めてしまう。
結婚が近い明里は実家で中1の別れの時に貴樹に渡せなかった手紙を見つける。
山崎まさよしの「ONE MORE TIME, ONE MORE CHANCE 」に乗せて、貴樹と明里と花苗の姿が描かれる。
貴樹と明里のホームでの別れ。
貴樹と花苗の高校生活。
花苗との種子島空港の別れ。
婚約者と明里の姿。
貴樹と交際していた理沙の姿。
すれ違う二人の姿?
いつでも捜しているよ どっかに君の姿を
こんなとこにいるはずもないのに
いつでも捜しているよ どっかに君の破片を
こんなとこにあるはずもないのに
新しい朝 これからの僕
言えなかった「好き」という言葉も
いつでも捜してしまう どっかに君の笑顔を
こんなとこにいるはずもないのに
命が繰り返すならば 何度も君の元へ
欲しいものなどもう何もない 君の他に大切なものなど
山崎まさよしの歌は昔から好きな曲だが、本作では本当に沁みる。それは新海誠の美しい画と貴樹の気持ちを代弁しているかのような歌詞がラストで見事にマッチしているからに他ならない。
貴樹は、小田急線の踏切で明里とすれ違う。
上りと下りの2本の電車が通過して行く。遮断機が上がると彼女の姿はない。貴樹は踵を返して歩き出すのである。
実写版を観て、小説版を読み、アニメ版を観て、奥山由之✕松村北斗✕新海誠のスペシャル・トーク・セッションも1時間観た。
あと鈴木史子のTHE NOVELを読んだら実写版のレビューを書く事にしよう。
≫風景の見事さに比べて波の表現がイマイチなのが御愛嬌か。
最近はかなり技術が上がってますが、絵での水の表現は元々難しいですからね。
ちなみに、機会があれば漫画版も激しくおススメです。
テイストは違えど軸はブレてないし、水野さんとのやり取りや花苗のアフターストーリーも見られます。
(小説版未読なので、それ準拠かもしれませんが…個人的には実写版より好みの補完)