「”あるある”がちりばめられたリアルなお話」秒速5センチメートル(2007) スタコラフスキーさんの映画レビュー(感想・評価)
”あるある”がちりばめられたリアルなお話
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とにかく背景がリアルで、それぞれのエピソードがあり得る展開で現実の話として受け止められます
希望があると思い高揚、そしてしぼむ
決めればいいだけなのは分かっていても、それほど強くなく決められない。そして落ち込む
そちらこちらに“あるある”がちりばめられていて、当時の自分を思い起こさせられて切なくなる
特に第二話の貴樹はまさに自分で、見ているのがつらかった(メールはなかったけど)
物語自体は台詞そのものよりも登場人物が心情を語るという形で進み、その表現が文学的、哲学的
カット割りも、より遠回しな形で感情表現がされていて観客の想像を膨らませる演出は良いですね
私は恋愛ものではあまり感動出来ないのですが、これはかなりはまりました。
ただ、一歩引いてみると。。
恋愛経験の少ない若い世代(20代くらい)には響く人は少ないかも。
そして“あるある”が全然当てはまらない人が見たらどうなんだろう?
13歳でキスしただけの初恋の人を大人になるまで思い続けられるだろうか?。
かなりレアケースでしょう。それを描きたいのだったらもう少し特徴的なエピソードが欲しかったかな
かつて好きだった異性のことを心の中で美化して持ち続けているというのは誰しも経験のある(50歳過ぎてもありますw)ことなので、その表現ということならこれもあり
ただ、感情の起伏がずっと海の底を漂っているようで、一般受けは厳しいか
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