「永野作品がスクリーンで見られることに素直に喜ぶ」花の詩女 ゴティックメード αさんの映画レビュー(感想・評価)
永野作品がスクリーンで見られることに素直に喜ぶ
監督であり作者の永野護が原画やレイアウト等を手がけ、スタッフも少人数なので、永野護の絵がそのままアニメになった、そのまま動いているようなクオリティ。「FSS」読者としては、まずそこは感心してしまうポイントでした。
とはいえ、風になびく髪とか、細かいところにこだわっているなというのはわかるんですが、全体的にやや動きが少なく、カメラワークも少々平板な印象。
そういう意味でも「きっと永野護が漫画でかけば、こういうコマ割りになるんだろうなあ…」という絵もうかんできそうでした。昨今のアニメーションや映画の表現技術からすると、どこか物足りなくもあります。丁寧ですけどね…。
もっとカット割りとか、漫画的ではない、映画ならではの見せ方があるのではないか…とは思いました。奥行き感(3Dという意味ではなく)があまり感じられないというか。まあ、舞台のほとんどが広々とした草原で、そういう風景が多いからというのもあるでしょうけれど(予算的、人員的な問題もあってでしょうが)。
それだけに、都市風景とか描いてみたらどうなったのかなあ…とか、もっと見てみたかったという思いはあります。「FSS」の劇場版アニメも短かったし、永野作品をコミックのクオリティそのままにアニメ化って、相当難しいんだろうなというのを改めて実感しました。
とはいえ、今回の「ゴティックメード」…あまり事前に情報を入れずにみにいったのですが、やっぱり「FSS」とのつながりがあるような描写もあり、そこはやっぱり興奮ですね。
最初のほうのベリンのセリフから、「FSS」より未来の話なのかな…?って思ったんですが、エンディングでファティマ(エスト?)も出てくるし、トリハロンがフィルモア1世になってるし。途中に熾烈の人形<バング>らしきものも出てるし。
ファンとしては、やっぱりブルーレイ出たら買っちゃいますね(笑
製作発表から早6年くらい? ようやく完成し、スクリーンで見られたことは素直にうれしいです。おそらく永野作品をスクリーンで見ることは、今後もうないかもしれないしな…(あったとしたら、また「FSS」が何年中断するのか・笑)
映像ソフトは今後一切出ることは無いですよ。
ドリパスの再上映で7回ほど観てますが、みる度に新たな発見が得られる作品ですね。
ツヴァンツヒの最後のキャスト画面、あの騎士服は…チノジュウジカ?
連載再開の時の衝撃は忘れられません(笑)