「スパニッシュ作品は外れなし?」ロスト・アイズ Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
スパニッシュ作品は外れなし?
聞き慣れないスペイン語もこういうホラー作品のおかげで何かと触れる機会も多くなって来たが、スペインのホラー作品に今のところ外れが無いように思える。日本の配給会社の努力の結晶なのかも知れないが、だとしたら称賛に値する。
本作はサイコスリラーに当てはまるジャンルだが、ベレン・ルエダ含め演者の年齢層も高いため、上質な仕立ての作品に思える。次第に明かされていく謎や次々と発生する怪事件など、お決まりながら観るものを刺激する展開が待っている。
盲目を扱ったホラー作品と言えば「ドント・ブリーズ」だが、あちらよりも本作の次第に視力が落ちてくる表現というのがなかなか秀逸である。主人公が全盲になるに連れ、夫や警部など、既に会っている(顔を知っている)人間以外は顔を一切映さない演出も中々不気味で良い。これで全員怪しくも思え、観客にさらなる混乱を与えると同時に、「相手を見て判断出来ない」という主人公のハンデを具体的に描いており、感情がリンクする様に構成されている。
R-15+指定の理由だが、単純にスプラッタ表現が当てはまるだろう。回数は少ないものの、80年代に活躍した殺人鬼も納得するくらいの惨殺シーンが描かれている。そのシーンから一気に不穏な空気感が恐怖に切り替わり、一番最初のその大きなインパクトの役割を果たしている。これぞまさにサスペンスホラーというジャンルの作品では無いだろうか。オススメの一作である。
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