「過去のシリーズを観た人も納得の新作」猿の惑星:創世記(ジェネシス) だいすけさんの映画レビュー(感想・評価)
過去のシリーズを観た人も納得の新作
大企業であるジェネシス社でアルツハイマー病の新薬を開発している主人公ウィル。
ひょんなことから新薬の投与実験中に死んだ雌のチンパンジーから生まれた子猿を
シーザーと名付けて育てることになります。
シーザーは新薬の効果で驚異的な知能を持ち、手話で人間と会話が出来るほどでした。
8年後、ある事件がきっかけでシーザーはウィルと引き離され、
動物保護施設に入れられてしまいます。
1969年に公開された「猿の惑星」の前章として制作された作品です。
(実際には、直接的な続編ではなくて【新シリーズ】として作られたそうですが)
一頭の高い知能を持った猿が、高い知能故に自分の存在に疑問を持ち、
酷い仕打ちを受けることで人間への信頼を失い、
猿たちのリーダーとして成長するまでが描かれます。
まず、驚くのが精巧に作られた猿たちのCGです。
特に、シーザーに関しては、細かい表情まで綿密に作られていて、
ちゃんと表情でその時々の感情を表現できています。
主人公ウィルとの別れの場面なんかは、本当に素晴らしかったです。
そして、過去の「猿の惑星」シリーズへのオマージュや繋がりを感じるシーンが
各所に散りばめられています。
例えば、火星有人探査のニュースが流れるシーンとか。
(この宇宙飛行士が、将来、「猿の惑星」に不時着する?)
仲間になる猿の名前が「コーネリアス」だったり、
そもそも、主人公に育てられる猿の名前が「シーザー」だし。
(同じ名前の猿が過去のシリーズに登場しています。)
それと、圧倒的の個体数に差がある猿が、どうして人間を支配するまでになるのか?
という疑問に対しても、明確な解答が作品中で出されています。
これには「なるほど、そういうことか。」と感心させられました。
猿には免疫があって、人間には免疫がない、感染力の高いウイルスとは、
うまいこと考えたもんです。(ご都合主義っぽい感じもしますけどね(苦笑))
シーザーの苦悩とリーダーとしての決意がちゃんと描かれていて、
なかなか骨太なSF作品になっていると思います。
面白かったです。