劇場公開日 2011年12月21日

「紅いマズルフラッシュは嫌いです」ワイルド7 おがさん.さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0紅いマズルフラッシュは嫌いです

2013年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

原作がコミックや小説だと、ファンの脳内補正が効いてしまって、原作とかけ離れていて全然面白くないとなりがち。
原作を忠実に再現するのは不可能だし、興行として成り立たせるためには一定の妥協は必要だとは思うが、それを差っ引いても、いろいろと残念な出来。

キャストは申し分ない、個性的な俳優さんがたくさん出ているが、まずその良さを生かしきれていない。
いくらアクション映画とは言え、キャラクター描写は主要キャラ位はしっかり描いてくれないと。序盤に文字でさらっと説明されるだけで、ワイルド7のメンバーはどういう犯罪を過去に起こしたか程度しかわからない。
アクションも安っぽい。そんな重箱の隅をつつくようなと言われそうだが、銃の打ち方一つとっても様になってない。銃を打つシーンが多い映画にもかかわらず、銃の構え方も嘘っぽいし登場する銃が実銃の音とは異なる、日本映画だから仕方ないのかもしれないが、マズルフラッシュが赤い。
きっと少ない予算でエンターテイメント性を高めるためにと十分に練ったシナリオなんだろうとは思うが、詰め込み過ぎて、一つ一つのシーンにかけられる時間と予算の足りなさのせいで、全てが薄っぺらい。
ハリウッドから量産型の低予算アクション映画がたくさん流入してくるせいで、観客もそれなりに目や耳が肥えている、しかし日本映画製作陣は小手先の映画を生み出し小銭を稼ぐ、その良い例がこの映画。
音楽も、ワイルド7とは全く合わない曲調、耳から入る曲は映像を盛り上げることはほとんどない。
スローの使い方も下手で、どうも二流の監督はスローを多用したがるらしい
、そこはスローで描かなくても良いだろと思うシーンもスローで表現してしまう。
そういった細かな不満が積み重なった結果がコレ、どこか一つでもシッカリと描かれていれば、もう少し観れた映画だったのだろうけど結果的には、高級食材と使った割には味全体がボヤけてしまっているデパ地下の弁当のような出来。
ただただ残念。

おがさん.