「ワイルド7というよりコンセプト7ですなぁ」ワイルド7 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
ワイルド7というよりコンセプト7ですなぁ
銀行強盗、細菌テロ集団、挙げ句の果てには、警察情報部のトップにまで、容赦なくマシンガンとミサイルの雨嵐をぶち込む賑やかな銃撃戦、
一癖強い個性的なメンバーとの連携プレー、
そして、同志の女ヒットマンにフカキョンを抜擢(テレビドラマ版では志穂美悦子)
etc.etc.原作以上にマンガティストを貫いた世界観は評価したいが…
う〜〜む、ド派手な割に如何せんおとなしい映画ですなぁ。
前回、偉大なるトム・クルーズ先輩が縦横無尽に暴れまわった『M・I・4』を堪能したばかりやったから、ハリウッド映画並みに見応えを期待するのは酷やなと踏まえたうえでも、全体的に盛り上がりに欠けている。
PVや劇場予告を観たら、それで充分という平坦な展開は、私みたいな呑んだくれオッサンでも、邦画アクションの限界点を悟ってしまった。
特に警察VSワイルドセブンってぇ誰が見ても勝ち目ゼロの四面楚歌状態での最終決戦がいともアッサリ解決しちまったから、呆れて酔いが醒める始末である。
その前の細菌兵器やフカキョンetc.のエピソードが前振りすらも果たしておらず、薬莢の如く使い捨てられちゃ〜、火力もアッサリやわなぁ…。
第一、存在自体、公に晒してはいけないハズやのに、平気で駅ビルでドンパチ銃撃戦やらかしとるし。
隠す気サラサラないやん。
サイドカーにミサイルランチャー積んでる時点で明らかに怪しいやろ。
そういうツッコミ要素満載なのも全部含めてマンガ的な映画とも云える。
シリーズ化の予感がプンプン匂うサゲやったけど、私ゃあもう札止めかな。
次回の大戦相手が北の新将軍さま一行ならば、噺は別やけどね。
っと、ムチャなマッチメイクをほざいたところで最後に短歌を一首
『決着を 毒に償ふ ドブさらひ ねずみ花火は 闇にこそ咲く』
by全竜