おかえり、はやぶさのレビュー・感想・評価
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同じハヤブサ話でも、これは違う意味で良い映画!
世界で初めて私達の住む地球から3億キロも離れた小惑星「イトカワ」の微粒子を採取して帰還を果たした、無人惑星探査機ハヤブサ君のこの快挙を素晴らしい人類の財産として受け入れない人は決していないと思う。
その時の、素晴らしいハヤブサ君の誕生と奇跡の旅の話を映画化しない手はない!このハヤブサ君の出来事ほど、実際のリアル・エンターテーメントと呼ぶにふさわしい事も他に類を見ないのだ。
人は太古の昔から、事有るごとに、天を仰ぎ見て、ちっぽけな自分の存在を痛感しつつも、明日の希望を、その天を仰ぎ見る事で、生きる力を得て来たのだ。
だから、人はきっと本能的に宇宙の力に敬意と自己の存在の起源を感じ取っているに違いない。そして人類と言う知性を持ち合わせている動物はとても好奇心が強く、夢を抱き、欲深い生き物でも有るようだ。
幼少の頃、誰もが感動し、見上げた経験を持つ夜空の天体への尽きる事なき、好奇心とロマンがやがては、人を宇宙開発へと向かわせる人々を生んで行く。
これも宇宙に住んでいる、生物としての人間の当然の成り行きの一部だろう。帰省本能もある人間が、その最大の起源である宇宙に対して興味を示さない訳がないのだ。
今回も、同じハヤブサ君の快挙を我が国の邦画界ならでは、代表映画各社がそれぞれに、勝算を賭けて?否称賛をかけて3回も同じ企画の映画化をすると言うのも、かなり珍しい出来事かもしれない。
少しずつ公開日をずらして順次、打ち上げ花火の様に公開しているがこう言う場合は、公開の順番の早いもの勝ちになるのかな?結局は同じ出来事を描いているのだから、そこに描かれる登場人物のエピソードや、ハヤブサ君自身のエピソードは変わる事は無いのだから、映画としては、同じテーマでもどう言う切り口でストーリー展開を進めてゆくのかで、作品の出来栄えと言うか、面白味やクオリティー価値が決定してゆくのだと思う。
今回の松竹映画の本作は、3Dが売りでしたが、3Dチケットを購入していたのだが、私の観に行った映画館では、普通2D上映だった。「三丁目の夕日64」の3D撮影のお粗末な詰まらない使い方で3Dに拘る必要性を感じない私は、そのままこの作品普通に2Dで観たが、充分に楽しめる作品だった。昔から人情喜劇や、家族ものを描く松竹作品ならではの、同じハヤブサ君の帰還劇でも、「そう来たか!」やっぱりねと、思わずニヤリと笑みがこぼれた。
堤幸彦監督作品では、西田敏行と竹内結子がオーソドックスな作りで話を展開していたけれども、やはり日本の技術力と日本人が持っている勤勉さによる、日々コツコツと積み上げて技術向上へと努力を惜しまず、努力する姿を描いた所に感動があった様に思う。
本木克英監督は、ハヤブサ開発スタッフの努力の陰での家族の絆や、心の葛藤に焦点を当てた、藤原竜也と三浦友和の見事な親子劇にした事で、この映画の価値を高めたと思う。
しかし、日本政府はこい言う開発に対してもケチだね!血税の無駄と言う前に、もっと政治家の予算の無駄を省いて欲しいものだ!
順当な三作目。
試写会にて。
これが最後のはやぶさ作品、三作目^^;
この競作の意味は何だったのか聞かれても分からないが、
通して観てみると、この順番で良かったんだなぁ~と思う。
何というか、私のような宇宙オンチが初めて観るとして、
とにかく全体を分かり易く示したのが一作目(竹内版)なので
それを踏まえて二作目(渡辺版)を観れば人間ドラマに驚嘆でき、
はやぶさの辿った経路やエンジニアの苦悩(のぞみを含めて)
が描かれた本作(藤原版)を観て、あぁそうだよね…で〆られる。
べつにどれをどういう順番で観ようとかまわないのだが^^;
今思うと、この公開順が順当だったなぁと思えるのである。
しかしこの3D…う~ん私的には何かイマイチだった。
はやぶさ本体の映像は確かに綺麗だったけど、思ったほど
本体に迫らないというか、もっと掘り下げてどうなっているのか
説明してくれる作品なのかと思っていた(まぁ素人に言ってもね)
三作目ともなるとイオンエンジンがどうなって、それをどう繋いで
帰還したのかは何となく分かっているので、何かもっと専門的な
見地からモノを言ってくれるドキュメンタリー的な描き方かと^^;
(だから素人にそれを言っても…それは分かるんですけどもね)
ファミリームービーに理工学を持ち出しすぎると確かに難解だ。
したがって子供主体だったり、家族主体だったりと、普通に
ドラマちっくな仕上がりを見せているのだが、それが成功した
とも言い難いワリと安直な仕上がりなのである。子供向けかなぁ。
ただ、今回は主人公の父親が、先に打ち上げられ失敗に終わった
火星探査機「のぞみ」のプロジェクトリーダーだった、という話が
盛り込まれて、それにかなり時間を割いているので興味深い。
前二作品の時にも書いた「宇宙バカ」が今回は悲しい結果を見せる。
その開発・研究に何年、何十年と携わってきて、やっと発動させた
プロジェクトを、断腸の思いで諦めなければならないという苦悩。
そんなのどの世界にもあることだよ~と言われればそれまでだが、
(そしてその間にも多くの国家予算が使われるんだよというご意見)
でもね、でも本当に我が子のように扱ってきた(息子の台詞が痛い)
大切な探査機だったんだもん…この先生にとっては、苦しいですよ。
私とて大好きなモノ(映画ですね)を諦めることだけは(比べるかオイ)
やはりツライ…。とはいえ血税ですからね。自腹とは違いすぎるか^^;
まぁでも、その息子が偉業を目の当たりにし、父親への敬意を示す
ラストは素晴らしかったですね。いつの世も(これからもずっと)
父親は一家の要でいなきゃ~いけません!つまりイオンエンジンね。
開発・研究者たちの壮大なプロジェクト。
いったんはもうダメだ、諦めるしかないのか、といいつつも諦めず、
必ず成し遂げてやるんだ!という熱意はやはり捨てちゃいけないもの。
資金面の力は大きいけれど(汗)劇中でいい台詞を言ってましたね。
「日本は予算が少ないから、限りない知恵と能力を結集して作っている」
小さくて軽くて高性能。
その技術を守り続けるためにも、要となった中小機械事業にもっと
人材育成・技術指導の機会を設けてあげて欲しいと思うのだけれど…。
(学生や助手の応援も描かれてましたね。多くの力が加わった成果。)
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