劇場公開日 2012年8月10日

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「重量級アクションSF! 鬼嫁はリコール(解職)効きません」トータル・リコール 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5重量級アクションSF! 鬼嫁はリコール(解職)効きません

2012年9月2日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

オリジナルの『トータルリコール』はテレビで2、3回は観た事がある筈なんだけど、
覚えてるのは目ん玉飛び出すシュワちゃんと、3つの手が必要になりそうなお姉さんと、2週間よオバサンくらい(笑)。
バーホーヴェン監督の映画ってエグみが強過ぎて、僕はちょっとニガテ。

そんなオリジナルに思い入れの薄い僕の場合、
本作はカラッと楽しめるSFアクション映画で安心しました。

監督レン・ワイズマンの代表作はやっぱり『アンダーワールド』だろうけど、僕の中では『ダイハード4.0』の人。
全シリーズ中で間違いなく最悪の脚本だった『4.0』だが(←オイッ)、
それでも2000年代で最高のアクション映画のひとつだと僕は思っている。

キャラは魅力的だし、何よりアクションにガツンと肉の重みがあった。
アクション映画って重量感や痛みが伝わらないと迫力や緊張感を感じないよね。
CGをバリバリ駆使しながら、あれだけの“重み”を感じさせた演出力は凄いと思う訳です。

で、今回もそう。
浮遊する車でのカーチェイスも、ガコンガコンと動くエレベータ内での格闘も、
これまでの監督作以上にCGを使いまくってるのに、かなりの迫力を感じさせる点は見事。
役者がナマミでアクションを頑張ってる成果も大きいんだろう。
序盤の貧民街でのチェイスなんて特にスゴイ!
さすがコリン・ファレル!と言いたい所だが、一番活躍してるのは
ワイズマンとの夫婦生活が心配になるほどの鬼嫁っぷりを見せるケイト・ベッキンセール奥様。
吸血鬼の次が鬼嫁って……いや、何でもないです(爆)。

だがド迫力のアクションに対して、後半、気持ちがもうひとつ乗り切らないのは何故。
アクションが多過ぎたか、主人公のエモーションがイマイチ不足してたか、
シチュエーションを変える以外のアクションのバリエーションが欲しかったかな。
ん? ここだけで何回“ション”って言ってる?

あとは、貧困層の人々がそこまで貧困に見えなかったせいか、
(むしろ『ブレラン』チックなこっちの方がステキやわあ)
富裕層の住む世界と貧困層の住む世界が“ザ・フォール”で隔てられてるように思えなかった。
なので、富裕層の侵略とか、レジスタンスの存在とかが、そこまで危機感を煽るものに思えなかったかも。

けど、観て損ナシ!です。
DVDで観るには勿体無い、大スケールの世界観! ド迫力アクション!
劇場で是非。

<2012/8/19鑑賞>

浮遊きびなご