「ミステリー乙」ドラゴン・タトゥーの女 しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
ミステリー乙
主人公二人は、依頼とは関係なく、勝手に事件にめぐりあい、勝手に命を狙われる。
犯人?はご丁寧に殺したネコは玄関にわざわざ置いてたり、わざわざ調査をするな、といわんばかりにミカエルを猟銃で脅す。
そして犯人(というか、間接的に犯人みたいなもの)がミカエルに言う言葉が今回の映画のキー。
「人はなぜ本能に逆らう。危険と思っていても、寄ってしまう。相手に不快な思いをさせたくないからだ。」
変態のことばなので、若干気分が悪いが、まずいと思っていても、嫌われたくないからつい直感に逆らい行動することはままある。
それはダメだと変態に教えられる。
はっはっは。ミステリー全否定だな、おい。さすがである。
リスベットについて
思いっきり80年代パンクなオリジナル・リスベットよりも本作のゴスロリヤンデレなリスベットのほうが好きという人も多かろう。
オレもそうだよ。
トレント・レズナー
好きだったアーティストが映画音楽をするととんでもないことなることが多かったが、思いっきり予想外で素晴らしい。
余談だが、「ロサンゼルス」(ブロンソン主演)のジミー・ペイジの音楽も結構イケる。(映画が思いっきりウツになるから注意)
デヴィッド・フィンチャー
オリジナルを見た人は分かるけど、今回フィンチャーはオリジナルのコピペをかなり行っている。正直オリジナルを見てフィンチャーぽい部分のかなりの割合がオリジナルとかぶっていたことに若干リメイクの法則を本作にも感じたというのが、オリジナルを見た後の率直な感想で、本編見た直後よりも評価はだだ下がりではある。
しかしそれでも、ミステリーをブン投げたこのスピード感はフィンチャーの映画だ。それはそれで全然OKだ。
ただし、フィンチャーの映画では、暴力とセックスの世界はちょっと食傷気味ではある。そんなのに頼る監督ではもう無かろう。
ほか
余計なお世話だが、続編では、リスベットはどうもジョン・ランボーみたいになるのでは、というよく分からない悪寒がするので勘弁。
(オリジナルのリスベットも近からず遠からずだったしね)