キツツキと雨のレビュー・感想・評価
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爆笑とかはないけれど、細やかな笑いが所々にちりばめてある。少しずつ...
爆笑とかはないけれど、細やかな笑いが所々にちりばめてある。少しずつ監督が成長する姿や、人のなんだかんだ真面目さ誠実さ優しさを感じる映画。
コトバを尽くさないこと。
本当に大事なことを相手に伝えたい時、言葉を使えば使うほどなぜか自分の思いとは遠く離れてしまうことがある。この作品はあくまで言葉に頼らない。普通はそぎ落としていいか迷うような一見大事に見える筋肉をそぎ落としまくって映画を作っているイメージの沖田監督だからこそできる心に沁みるいい作品だった。
毛布包まれたような、寒々しい部屋で温かいココアを飲んだように、じんわり癒された。
何をやってもうまくいかなかったり、些細なことの積み重ねで「自信」はあっという間になくなるけれど、諦めないで動けば周りも変わるんだな。うまくいかないのは周りのせいだけじゃない。全ては自分次第なのだと。
言葉で言わない頑張れを、作品全体から贈られたようで、素直に「自分も頑張ってみよう」と思える作品だった。
キャストも凄く良かったし、小栗旬が今までみた中で1番良かった気がする。エンディングの星野源は秀逸だった。この作品にまさにぴったりの一曲。
しかし、人生に置いて食事するというのはなんて大事なことなんだろう。その人がどんな状況にあったとしても、たとえコンビニ弁当だろうと豪華な食事だろうと家族と食べようと1人で食べるごはんだとしても、いつなんどきも食事をするというのはその登場人物の人生を語る名シーンだなと思う。
ほんのり癒された
最初は小栗旬が演じた新人監督の気の弱さ、優柔不断さがどうにもありえなさ過ぎていまいち物語に入り込めなかったのですが、役所広司が演じた木こりの岸と少しづつ心通わせるに連れて、いつの間にか物語に引き込まれてしまいました。
泣ける様な感動とかではなかったですが、ほのぼのとした心地良さがたまらなくツボな作品でした。
まあしかしこの映画は、何と言っても役所広司の存在感によるところが大きい映画でしたね。
息子とも上手く向き合えない物凄く不器用人間な岸が、何となく映画撮影に借り出され(古舘寛治が絶妙!)、いつの間にかのめりこんで行く様子が本当に可笑しくて、見ていて癒されました。
ゾンビメイクした役所広司の可愛らしさは特筆物でしたね。
息子との関係とは裏腹に、息子と同い年ぐらいの新人監督とは妙に気が合い心通わせていく様子も、ほのぼのとしていてとても良かった、見せ方が本当に上手かったです!
2人の関係が、後に親子の関係や映画撮影に多大に影響していくよう持って行く構成は、素晴らしいの一言。
ただ、やはりいくらなんでもあそこまで酷い映画監督はありえないような(苦笑)
まあだからこそ、作品内で製作されたゾンビ映画がクソつまらなさそうなのも、納得は納得なんですが。
でも、この交流で人間的に成長した幸一監督がその後に作り出す作品は、是非見てみたい!
結局これは沖田修一監督自身の物語でもあるのかな?
だとしたら、素晴らしい監督さんに成長して何よりです。
樵のおじさんが若者よりも生き生きとしている
総合60点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
映画作りにはまって樵の仕事そっちのけではまっていく初老の男と共に、映画製作がどんどん良くなっていく。三回忌のこととかところどころに前振りがあって、それを後でここぞとばかり回収していくところが滑稽で心憎い。だけど物語そのものは起伏に乏しく地味でそれほど引きつけられない。
役所広司がいかにも最初から俳優然としていて樵には見えないが、現場を支えて動き回り一人存在感があった。反面、気の弱い監督は頼りなくて常に受身でつまらないやつ。
うーん
いわゆる積極性のない若監督(小栗旬)が、地元の優しいおじさん(役所広司)の力を借りて成長していくお話。
映画が好きな自分としては、まず"積極性のない若監督"というキャラクターが不可解すぎて一歩後ずさり。
なんとか役所広司さんのシュールな笑いのおかげで最後まで見れたけど、、いまいち伝えたかったことがわかんない。
高良健吾くん、出演シーンこそ少なかったけど相変わらず目力が凄かった。
「悼む人」 是非観てみたいです。
雨のち晴れ
武骨な木こりと気弱な新人映画監督が出会って、ちょっと何かが変わる。
沖田修一監督が贈る人間讃歌。
冒頭の役所広司の「はい? はい?」から笑える。
ゲラゲラではなく、クスクスと。
このシーンだけで、本作の雰囲気と、沖田監督の一貫して変わらぬスタイルが分かる。
都会人の図々しさ。
田舎人の人の良さ。
手助けしたら、あれやこれやと映画の撮影の手伝いをさせられるハメに。
当然嫌々面白くないのだけど、自分がちょこっと映ってるラッシュを見たら、何だかまんざらでもない。
それから自分から進んで撮影を手伝ったり。下らない内容の脚本に感動したり。
ここでいいのは、木こり・岸の立ち位置。
気弱な新人監督に変わって裏監督に…じゃなく、あくまで裏方に徹する。
岸の存在で、ピリピリしていた撮影現場及びクルーたちに活気が出てくる。
岸の応援で、村人たちもエキストラのお手伝い。
最も変化が表れたのは、新人監督・田辺。
監督なのにお荷物状態。
自分の意見も言えない。
何言ってるか分からないくらいボソボソ喋り。
周囲に流され、てんやわんや。
情けない験担ぎ。
所が所が、
痔持ちのベテラン俳優に撮り直しを要求する。
声も次第に大きくなっていく。
自分の意見や判断を持つようになる。
親子ほど離れた二人の父子のような交流。
岸自身にも、ぎこちなかった息子との関係に変化が訪れる。
大きな変化じゃなく、少しずつ、それでいて確かな変化。
こういう作風、ホント好きだなぁ。
さすが絶妙な名演の役所広司。
従来とは違うイメージで好演の小栗旬。
個性的なその他キャストも適材適所。
オリジナル脚本なのもポイント高い。
雨が降った後は必ず晴れる。
どんな大降りでも、一瞬晴れる時が来る。
温かな人と人の出会い。交流。
笑えて、心温まって、心地良い余韻が残る。
見て幸せな映画。
歳の差ある男同士の交流
小栗旬演じる若く自信がない映画監督が山奥での撮影に現地の人々の助けを得て成長する過程を描いた作品。初めの小栗が軽トラ助手席で口あけてぼけっとしてる顔が、最後には目つきも生き生きとしていて、人ってモチベーションでこんなに変わるんだな、そして変えてあげられるのもやっぱ人なんだな、って思った。お風呂場での一度目出会ったときと二度目出会った時の小栗の行動の差や、木の椅子に名前彫ってあるところ撫でてふっと嬉しそうな仕草する場面や、所々に日本映画の良さ感じた。
日本の映画
日本の映画ってかんじ、
同じ作品を海外のキャスト、風景でやってもこんな風な味は出ないと思う!
日本の田舎村よ暖かい人たちの雰囲気
これらを存分にいかせていたと思う。
最初、無駄に母が死んじゃってるよとか、息子との喧嘩シーンとか、よくある感じでわざとやってるよとか思ったけど、後半につなげてました。
不器用
なんともスローペースな映画だろう。しかし、中身はなかなかのもの。息子と同じくらいの歳の子を歯がゆく思い、そしてそこから自分の子供の思いを気づく。なんかわかるような気がする。親子は不器用な関係である。。。
キツツキと雨
おもしろかった。淡々としてて、特にこれといってドラマが起こるわけじゃないんですが、なんだか、目が離せないんです。役所様を始め、嶋田久作さんなど、もう、セリフがいらない役者さんで脇が固められていて、面白いです。
ぜひ、おやすみの日に、美味しいお菓子と美味しい珈琲でゆっくり恋人と見てみて下さい
大好きな映画です。
残念ながら、田舎なので劇場で上映されなくて、DVDを心待ちにして、やっと観ることが出来ました。
何度も何度も繰り返し観ています。
みるたびに、じわじわと、よさがましてきて、またすぐ見たくなります。
こんな映画をつくってくださった、関係者の方々に感謝します。
不思議な組み合わせ
日本のほのぼのとした映画が好きな人ならこの作品も面白いと感じるはずです。
終始、役所広司と小栗旬の二人が織り成す不思議な掛け合いに笑ってしまいます。
ただ私的に後半の監督になるまでの過程があまり描かれてないのかなと感じました。
それでも、二人のちょっとずれたやりとりは面白いです。
コミカルだけどリアル
「南極料理人」の沖田修一監督作品。この映画好きだったんだよなぁ~。
んで本作、どことなく雰囲気を継承してるのがまず嬉しい。
田舎の山奥でゾンビ映画を撮影する展開。その過程で、現地の木こり(役所広司)がなぜかどんどん撮影に関わってくるさまが面白い。
蹴っ飛ばされるADとか、適当に扱われるエキストラとか、撮影の裏側がコミカルに表現されてるのもリアル。撮影に関わったことがある人なら、きっとうなずく部分が多いはず。
大爆笑を狙った映画ではないけど、終始どこか吹き出してしまうような楽しさがある、気分が良くなる作品。
他人の心にドカドカ入ってく田舎の人/ドカドカ入ってく都会の人・・
なるほど!
邦画の邦画たる作品*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
しゃべくり007で、泰造さんがオススメしてた。
前から気にはなってましたが、良いキッカケに!とレンタル( ̄^ ̄)ゞ
途中の・・
都会の方の図々しさ/田舎の人の無頓着さ・・
・・最初どうしようか?と思ったけど、頑張って見て良かった(つД`)ノ
臼田あさ美ワロタw
☆評価は・・
DVD100円基準で(*^^)v
DVD買う度 ◎◎
モ1回見たい度 ◆◆◆◆
おすすめ度 *****
デートで見る度 ◇◇◇◇◇
観た後の行きたいお店】
田舎の食事処?
観た後の飲みたいお酒】
焼酎は二階堂か?いいちこで願います(^人^)
観た後の食べたい一品】
パックの海苔(´・Д・)」
こだわればキリ無し、妥協してもキリ無し( ^ω^ )♪
南極料理人もまぁまぁ嫌いぢゃない!・・てか好き(^。^)
弱い人やコミュ難が出て来る映画かな?と一瞬思ったけど・・
そんなんは好きでは無いが、やっぱ頑張って見て良かった♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪
役所さんサイコ〜☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
(*笑いの大学思い出した!!!)
ほのぼのできる年の離れた男同士の物語
日本はこういうほのぼの日本人の心に訴えかける映画がすばらしい
現代の若者を役所広司の息子と小栗旬などが風刺し、父親の世代の困惑、苛立ち、世代を通じ分かり合えるものとそうでないもの、笑いを散りばめうまく表現されている。仕事、人との交流を通じて一人の大人の男になっていく成長ドラマがすばらしい 子や若者を育てるのは、父であり、それに代わる大人が叱咤激励して伝えて、目覚めさせることが大事なのだとそう映りました 人と人とのつながりが薄れている現代社会にもっと浸透して欲しい作品 演技力のある俳優さんばかりですごく内容が心にしみました
見ていて引き込まれる
すごく良かったです。見て良かったなぁって心から思える作品でした。これは本当に見ないとわからないですね。冒頭からどんどん引き込まれていきました。日本映画の良さが出ている気がします。ぜひとも見てほしい
優しい気持ちになれる
冒頭から引き込まれました。脚本も良いのでしょうけれど、人間描写が丁寧で眼差しの優しい印象を受けました。こういう穏やかな良作が当たらないと日本映画界が心配になります。…男にとって父親的な存在は必要なんでしょうね。★4.0 http://coco.to/4034
映画の魔力
助監督と木こりの出会い。かみ合わない会話。ハイ?・・・ハイ?・・・ハイ?・・・の間合いの良さ。道案内から始まり、ゾンビ役までやることになる木こり。いつしか映画の撮影にのめりこみスタッフになってしまう。本業の木こりは仮病で休業。エキストラを斡旋、交通整理まで。竹やり隊のおねえさん方を大勢集めたおかげで撮影が盛り上がる。ゾンビも増えた。弱っちい監督もだんだん大きな声がでる。人間自信がつくと声も大きくなる。でも、ヒノキの監督イスは物理的にも重すぎる。
役所さんのコミカルさと小栗さんのナイーブさが上手く混じり合う。
何があるというわけではないけれど、こころが暖まる映画。
映画全編ののんびりとした雰囲気は、ロングでのショットや、長廻しが多いせいもあるのだろうけれど、これがまず自分にあう。
一番好きな場面は冒頭、役所さんが扮する樵、克彦が山中で木を伐採し枝打ちをする、そしてタイトルが出てくるまで、この主人公のひととなりの全てを語っている。このセンスが映画に対して感情移入しやすくしている。
また、映画の撮影を題材に劇中劇に仕立てた映画って、トリュフォーの「アメリカの夜」の他、それこそたくさんあるけれど、どれもほのぼのとした気分にさせてくれる。どんな小さい役であっても映画に対する想いが感じられる。例えば、撮影隊のベテランチーフ助監督(古舘寛治)が、プレッシャーに耐えかねて撮影現場を逃げ出そうとする新人監督幸一(小栗旬)に「誰もがなぁ、監督になれるってもんじゃねぇーんだぞ!」と言いながら蹴飛ばそうとする場面、これは映画好きならだれでもグッとくる台詞、場面だと思う。
そういったことも含めて、この「キツツキと雨」は、老境に至り一人で生きていこうとする無骨な初老の男と、集団をまとめざるをえない不器用、優柔不断な若者が、映画という魔法で気持ちが変わっていく様子をユーモアたっぷりに描いていく。
妻に先立たれ、一人息子は自分から離れていく、仕事中の事故で肺が潰れ身体の不安もある60歳の克彦。
村である日であった若者幸一(小栗旬さん、これは克彦の息子と同じ名前だ)は、彼から見れば相当だらしがない。出て行ったという息子とダブらせながら、話をきいてやると、その彼は村で「ゾンビ映画」を撮っているという。
あることがきっかけで克彦は、そのゾンビ映画の手伝いをするようになる。最初はただ面白いだけのものが、撮影隊の人々と交わるうちに、本業の樵よりも、そして自分の生活よりも、映画作りに熱中してしまう。
役所さんのコミカルさ、小栗さんのナイーブさが、全体の雰囲気を壊すことなく、物語の流れの中に自然と溶け込んでいるのが、とてもいい。
映画という、集団であるものを創り出す喜びを、齢60にして知った克彦が、その気持を新人監督幸一に想いを語る温泉場の場面、逆に幸一が、自分のハッキリしない性格のために撮影隊をまとめられず、そのせいか映画に対する複雑な想いを克彦に語る食堂での場面、特に後者で、甘いものを禁じられていた克彦が、蜜をタップリかけたあんみつを頬張り、それを幸一に食わせる場面は、二人のお互いの気持が氷解する様子を、ベテラン、若手俳優のアドリブをもって十分に味わうことが出来る。
そういえば、前回観た役所さんの「聯合艦隊司令長官山本五十六」でも、将棋の場面がわりあい印象的だったけれど、この映画でもキーポイントになっていたな。
あと「マイバックページ」(2011)にも出ていた、古舘寛治さんも出演、GJ。
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