キツツキと雨のレビュー・感想・評価
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●男たちの悲喜こもごも。
何もない農村で映画撮影が始まる。静かな村が少しずつザワつく。
職人気質の克彦。自信のない若手映画監督、幸一。ふたりの歯車がすこしずつ合わさっていく。克彦の息子はじめ、脇役もみないい味出してる。
「南極料理人」もそうだったけど、この監督は男たちの悲喜こもごもを描くのがうまい。静かにストーリーが進みつつ、クスッときたり、ジワっときたり。頑固な克彦が息子に気を使ったり。弱気な幸一が大俳優とやりあったり。そうした心の変化をうまく捉えている。いい映画だ。
楽しき日本のゾンビ村
予想より遥かに面白かった。
ゾンビメイクをした村人たち、それだけでもなんだかわくわく。
村に活気が出てくる様子は、とても楽しい。
役所広司演じる岸。
最初は寡黙で無愛想な頑固親父かと思ったが、温泉でゾンビの動きを復習する姿などなどお茶目さが所々で顔を出す。
伊武雅刀も良い味を出していたし、小栗旬とのやり取りも好き。
いつの間にか村全体で盛り上がり、撮影にだんだんと熱が入っていくあの感じ、すごく良い。
真剣に映画を撮るスイッチがONになってからの、生き生きした皆の顔や動き、最高だった。
沖田監督ははずさない!
きっちりおもしろいもの作るよね
エンディングの星野源の歌で完成したよねーーこみ上げた(笑)
なぜかゾンビ映画撮ってるんだけど
これが案外シナリオは面白いんだね
映画制作現場の話しなので
この春映画学科の大学に入った娘を想って観ましたーーーBSで(^^;)
爆笑とかはないけれど、細やかな笑いが所々にちりばめてある。少しずつ...
爆笑とかはないけれど、細やかな笑いが所々にちりばめてある。少しずつ監督が成長する姿や、人のなんだかんだ真面目さ誠実さ優しさを感じる映画。
おじさんがかわいい
この映画の見所はやはり役所広司演じる克彦の可愛さにありますね。
ご飯を美味しそうに食べるところか、ちょっとした暇潰しに砂をつくじるところとか、自分がチョイ役で出た映画のワンシーンをみてワクワクしているところとか、細かい仕草がいちいち可愛いです。そこはさすがあの南極料理人を撮った沖田修一監督のセンスというところでしょうか。
音楽も木琴などの楽器を用いたものが多く、タイトルどおり映画全体が木に囲まれているような良い雰囲気の作品になっています。ついサントラまで買ってしまいました。
話もほっこりのんびりじんわりあたたかい展開で優しい気持ちになりました。
これも誰かに勧めたい作品のひとつです。
コトバを尽くさないこと。
本当に大事なことを相手に伝えたい時、言葉を使えば使うほどなぜか自分の思いとは遠く離れてしまうことがある。この作品はあくまで言葉に頼らない。普通はそぎ落としていいか迷うような一見大事に見える筋肉をそぎ落としまくって映画を作っているイメージの沖田監督だからこそできる心に沁みるいい作品だった。
毛布包まれたような、寒々しい部屋で温かいココアを飲んだように、じんわり癒された。
何をやってもうまくいかなかったり、些細なことの積み重ねで「自信」はあっという間になくなるけれど、諦めないで動けば周りも変わるんだな。うまくいかないのは周りのせいだけじゃない。全ては自分次第なのだと。
言葉で言わない頑張れを、作品全体から贈られたようで、素直に「自分も頑張ってみよう」と思える作品だった。
キャストも凄く良かったし、小栗旬が今までみた中で1番良かった気がする。エンディングの星野源は秀逸だった。この作品にまさにぴったりの一曲。
しかし、人生に置いて食事するというのはなんて大事なことなんだろう。その人がどんな状況にあったとしても、たとえコンビニ弁当だろうと豪華な食事だろうと家族と食べようと1人で食べるごはんだとしても、いつなんどきも食事をするというのはその登場人物の人生を語る名シーンだなと思う。
ほんのり癒された
最初は小栗旬が演じた新人監督の気の弱さ、優柔不断さがどうにもありえなさ過ぎていまいち物語に入り込めなかったのですが、役所広司が演じた木こりの岸と少しづつ心通わせるに連れて、いつの間にか物語に引き込まれてしまいました。
泣ける様な感動とかではなかったですが、ほのぼのとした心地良さがたまらなくツボな作品でした。
まあしかしこの映画は、何と言っても役所広司の存在感によるところが大きい映画でしたね。
息子とも上手く向き合えない物凄く不器用人間な岸が、何となく映画撮影に借り出され(古舘寛治が絶妙!)、いつの間にかのめりこんで行く様子が本当に可笑しくて、見ていて癒されました。
ゾンビメイクした役所広司の可愛らしさは特筆物でしたね。
息子との関係とは裏腹に、息子と同い年ぐらいの新人監督とは妙に気が合い心通わせていく様子も、ほのぼのとしていてとても良かった、見せ方が本当に上手かったです!
2人の関係が、後に親子の関係や映画撮影に多大に影響していくよう持って行く構成は、素晴らしいの一言。
ただ、やはりいくらなんでもあそこまで酷い映画監督はありえないような(苦笑)
まあだからこそ、作品内で製作されたゾンビ映画がクソつまらなさそうなのも、納得は納得なんですが。
でも、この交流で人間的に成長した幸一監督がその後に作り出す作品は、是非見てみたい!
結局これは沖田修一監督自身の物語でもあるのかな?
だとしたら、素晴らしい監督さんに成長して何よりです。
のんびりと
全体を通して、のんびりとした感じがでていて良かったと思う。
とくに役所広司がいい味だしていた。
しかしなぜあんなに気弱な若者が監督になったのだろう。最初の方でそれが成長していくんだろうな、と思ったら案の定だった。
タイトルの「雨」はわかるが、「キツツキ」は何を意味しているのだろう。木を伐採をする人のことかな?
樵のおじさんが若者よりも生き生きとしている
総合60点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
映画作りにはまって樵の仕事そっちのけではまっていく初老の男と共に、映画製作がどんどん良くなっていく。三回忌のこととかところどころに前振りがあって、それを後でここぞとばかり回収していくところが滑稽で心憎い。だけど物語そのものは起伏に乏しく地味でそれほど引きつけられない。
役所広司がいかにも最初から俳優然としていて樵には見えないが、現場を支えて動き回り一人存在感があった。反面、気の弱い監督は頼りなくて常に受身でつまらないやつ。
うーん
いわゆる積極性のない若監督(小栗旬)が、地元の優しいおじさん(役所広司)の力を借りて成長していくお話。
映画が好きな自分としては、まず"積極性のない若監督"というキャラクターが不可解すぎて一歩後ずさり。
なんとか役所広司さんのシュールな笑いのおかげで最後まで見れたけど、、いまいち伝えたかったことがわかんない。
高良健吾くん、出演シーンこそ少なかったけど相変わらず目力が凄かった。
「悼む人」 是非観てみたいです。
雨のち晴れ
武骨な木こりと気弱な新人映画監督が出会って、ちょっと何かが変わる。
沖田修一監督が贈る人間讃歌。
冒頭の役所広司の「はい? はい?」から笑える。
ゲラゲラではなく、クスクスと。
このシーンだけで、本作の雰囲気と、沖田監督の一貫して変わらぬスタイルが分かる。
都会人の図々しさ。
田舎人の人の良さ。
手助けしたら、あれやこれやと映画の撮影の手伝いをさせられるハメに。
当然嫌々面白くないのだけど、自分がちょこっと映ってるラッシュを見たら、何だかまんざらでもない。
それから自分から進んで撮影を手伝ったり。下らない内容の脚本に感動したり。
ここでいいのは、木こり・岸の立ち位置。
気弱な新人監督に変わって裏監督に…じゃなく、あくまで裏方に徹する。
岸の存在で、ピリピリしていた撮影現場及びクルーたちに活気が出てくる。
岸の応援で、村人たちもエキストラのお手伝い。
最も変化が表れたのは、新人監督・田辺。
監督なのにお荷物状態。
自分の意見も言えない。
何言ってるか分からないくらいボソボソ喋り。
周囲に流され、てんやわんや。
情けない験担ぎ。
所が所が、
痔持ちのベテラン俳優に撮り直しを要求する。
声も次第に大きくなっていく。
自分の意見や判断を持つようになる。
親子ほど離れた二人の父子のような交流。
岸自身にも、ぎこちなかった息子との関係に変化が訪れる。
大きな変化じゃなく、少しずつ、それでいて確かな変化。
こういう作風、ホント好きだなぁ。
さすが絶妙な名演の役所広司。
従来とは違うイメージで好演の小栗旬。
個性的なその他キャストも適材適所。
オリジナル脚本なのもポイント高い。
雨が降った後は必ず晴れる。
どんな大降りでも、一瞬晴れる時が来る。
温かな人と人の出会い。交流。
笑えて、心温まって、心地良い余韻が残る。
見て幸せな映画。
そよそよしたえいが
なんていうか、「そよそよ」した映画だった。そよそよそよそよよ~。
こんな幸せな気持ちになれる映画は久々でした。日曜のお昼映画!
しかしね~、これは役所広司さんの映画ですわ。役所広司という俳優なくしてこの映画は撮れないだろうと。もうね、克彦という人物が可愛くて可愛くて仕方がない。あらすじ見た感じとか予告編見た感じでは、偏屈で頑固で寡黙な木こりが、現代っ子な感じの映画監督と出会って心をとかしていく・・・的な感じかと思ってたけど違った。むしろ逆。
口下手で、「イマドキ」のことにむとんちゃくで、なんかちょっとズレてて、だけど人のことがほっとけない克彦が、実際の息子の浩一と映画監督である幸一を重ね合わせて心を通わせていく。そこがよかった。多分予想通りの映画だったらまあほんとによくある感じの映画になってたと思うのですが、逆だったからすごくニコニコしながら見れた。
役所広司といえばシブイとか個人的にはこう大人の色気というかそういう役のイメージが強くて、今回そのイメージを完全に払拭してくれた。改めて偉大な俳優さんであることを思い知らされた感じでした。
わたし個人的な意見ですが、この映画は幸一と克彦の心のふれあいをテーマにした作品というよりはこの作品に出てくる登場人物すべての人間の魅力を2時間半かけてじっくり伝えてくれる映画だったように思います。ちょこっとずつ出てくるひとが全員可愛くて魅力的。なんだかんだええ人。その中でも特に克彦という人物の魅力、そして役所広司さんという俳優の魅力を堪能できる映画と言っても過言ではない気がします。
克彦さんったら、監督椅子に恥ずかしくて座れないっていう幸一くんのために、ヒノキの丸太で手作りした思いっきり「監督」って書いたあまりに立派な椅子を作ってあげちゃったりする。ほんで「どうや、これなら恥ずかしくないやろう!」って。そういうことじゃないんだよ!
かわいい~。ええ人すぎる~。ぎゃあ。
そんなこんなで今回の印象的なシーンは役所広司さんと高良健吾くん。
1.自分が写っているシーンを見て・・・
役所広司さん演じる克彦が始めて自分がゾンビとして映画に写っているシーンを見るところ。
めちゃくちゃちーちゃくしか写ってなくて本当に脇役なんだけど、それを見て克彦がすごく嬉しそうに笑うの。なんかもう可愛くて可愛くて仕方ないシーンなんです。このシーンの時に後ろに流れてる曲もぴったり合って、こっちまで嬉しくなってしまう。毎日田舎で同じような事をして過ごしていて、映画というイレギュラーなモノに対する喜びがやっぱりあるんだろうなっていう、なんというか田舎の人の可愛さがぎゅぎゅっと詰まっていたシーンな気がします。
わたしも田舎に住んでたので共感してしまいました。
同じようにすぎる毎日に不満があるわけでも絶望しているわけでもない。でもやっぱり閉鎖された空間に新しいものが入ってくる嬉しさとか自分が少し前に出られた喜びとか。言いようもないそんなじわりじわりとした感情が画面とそして役所広司さんの表情から伝わってくるシーンでした。
2.定職につかない浩一よ!!
会社をやめてしまって定職についていない実の息子の浩一。実際そのことで克彦と言い争うシーンも何度かある。
そして母の三回忌の日、親戚のおっさんからもそのことについてチクリと言われ浩一は半端に「はあ」ということしかできない。そしてまたその無神経なおっさんに「もう克彦さんの後継いだらええわ」と言われてしまう。
すると突然克彦が大声で怒鳴る。
「こいつの気持ちもあるやろうが!」
親父!!!どんだけええ親父!!!!
その時の高良健吾の表情がいい!
びっくりして、そのあとすごく嬉しそうにそっとはにかむ。ナイス表情。
なんか、男親と息子の関係が垣間見えたようなシーンだった。
でもこれ以外にも素敵なシーンはいっぱいいっぱいあります!
物語の中核となるシーンも。
そんなにこう盛り上がったりワオワオ!ってなったりするシーンがある映画ではないですがそよそよ見れるほんと素敵な映画です。これぞ邦画とわたしは思ったりします。
歳の差ある男同士の交流
小栗旬演じる若く自信がない映画監督が山奥での撮影に現地の人々の助けを得て成長する過程を描いた作品。初めの小栗が軽トラ助手席で口あけてぼけっとしてる顔が、最後には目つきも生き生きとしていて、人ってモチベーションでこんなに変わるんだな、そして変えてあげられるのもやっぱ人なんだな、って思った。お風呂場での一度目出会ったときと二度目出会った時の小栗の行動の差や、木の椅子に名前彫ってあるところ撫でてふっと嬉しそうな仕草する場面や、所々に日本映画の良さ感じた。
日本の映画
日本の映画ってかんじ、
同じ作品を海外のキャスト、風景でやってもこんな風な味は出ないと思う!
日本の田舎村よ暖かい人たちの雰囲気
これらを存分にいかせていたと思う。
最初、無駄に母が死んじゃってるよとか、息子との喧嘩シーンとか、よくある感じでわざとやってるよとか思ったけど、後半につなげてました。
オフビート
映画監督を描いた映画で、コミュ障の彼が、きこりにムードを盛り上げてもらいながら、静かなトーンで成長する話。
前半とにかくオフビートで、4回途中で寝た。そのまま見るのをやめようかと思ったが、後半撮影スタッフの熱が高まる辺りからぐっと面白くなった。
山での暮らしがとても開放的な雰囲気でよさそうだった。
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