劇場公開日 2011年4月2日

  • 予告編を見る

「10万年先送り?いま我々にできることって…」100,000年後の安全 waxcafeさんの映画レビュー(感想・評価)

3.510万年先送り?いま我々にできることって…

2011年5月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

フィンランドで取り組まれている
高濃度放射性廃棄物の埋蔵プロジェクトを題材にしたドキュメンタリー。
原子力エネルギーを利用することによって生じるリスクや、
管理の難しさについて問題提起がなされています。

夏から公開されるところ、急遽4月に前倒しさせたということですが、
いずれにせよ福島原発問題進行中のこのタイミングに日本公開というのは、
何とも運命的な作品ですよね。

いま観ずしていつ観る?という思いもあって、
本日ワーナー・マイカル・シネマズ板橋 にて観てきました。

優しく落ち着いた語り口で話がすすみ、
特に予備知識が無くても、その内容や意図が十分理解できます。
上映時間も短いなか良くまとまっているので、
ドキュメンタリー映画にありがちな中だるみも無く、
飽きることなく鑑賞できました。

さてお話の中核となる当プロジェクト地下施設「オンカロ」。
フィンランド語で「隠れた場所」という意味らしいです。
貯蔵した放射性廃棄物が無害化する10万年後まで、
安全に保てる施設を目指して、様々な観点から考察がなされるんですが、
これが「へぇ~ なるほどね~」と、驚かされる内容ばかり。

人の一生が、長生きしても100年程度と考えれば、
10万年という時間間隔は、いまの常識なんて通用しない、
気の遠くなる世界なのだと、あらためて感じます。
だって今から10万年前って石器時代ですよ…

リスクを10万年かけて消化させなければならないってどうなんでしょうね…
ともあれこれはフィンランドのお話。対して日本はどのような取り組みが?
色々と考えさせられた、見応えある内容でした。

waxcafe