100,000年後の安全のレビュー・感想・評価
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重い宿題
廃炉措置含めて15機の原発がある福井県に住む者として。「トイレのないマンション」の揶揄の通り、にっちもさっちもいかない状態のまま放置されて、福島原発事故のような最悪の状態に。まさしく明日は我が身。そして、自分自身もその便益を享受してきたのだから、責めを負う立場。
オンカロのあるオルキルオト島は、安定地盤で地震の影響はないかもしれないけど、海水面の上昇による浸食の影響はある場所では?とか、別の心配をば。それより、100,000年後の問題は置いておいても、"いま"の状況を打破しようと施設を建設・稼働したフィンランドって国/国民は、本当にすごいと思う。
対して。「100,000年後の安全」よりも、地震が頻発する日本において、全国各地の原発に糞が溜まっている状況よりは、高レベル放射性廃棄物の処分場に集めた方が"より安全"な気がする。フィンランドの人達より低次元の話を進めなきゃいけない日本は、「100,000年後の安全」を考える時期に到達するまでに、あと何年?何十年?の時間が必要なんだろうか、と考えさせられた。
公開当時は
反原発が少し流行っていた。
東京原発とかブラックユーモアだったり
チェルノブイリハートとか短編までついてた頃だったと思う。
地の底とも思える場所をどんどん掘って核廃棄物を貯めていく様をみて、どっかのエライ奴が原子力は管理出来ると言っていたのを思い出す。
普通のゴミですら焼いて埋めてで捨てる所を探しているのに、核廃棄物何万年経ったら安全になるのかわからないのだから捨てようがない。
福島の汚染水貯めるのも限界きて海洋への排出となったが「飲める」と言う人がいるらしいのに何で施設の撤去が進まないのだろう?
原子力はオーバーサイエンスなのだ。
火の様に消しも出来ず、漏れたら中々始末出来ない。
そんなものを安全と言って使っているのだ。
うすら寒く感じるあの地下施設の機械だけがゴゥーンと動いているのが気持ち悪かった。
負の遺跡オンカロ
小泉元首相が見学したことでも有名になったフィンランドのオンカロのドキュメンタリーと言うことで観てみました。
核廃棄物埋設処理場、オンカロの安全性といえば地殻変動、気候変動を含む物理的諸問題に悩むのが主題だろうが、本作では既に完成まじかの段階に至っているせいかエジプトの遺跡のように掘り返される、いわば人間の欲や好奇心の方に警戒し時間をさいているところが印象に残った。
ヘルシンキから約250km北西に位置するオルキルオト島は1979年に原発が稼働し4年後の1983年には処分場の調査が始められている、映画では省略されているが102か所の候補地からオルキルオトに絞り込み1997年から3年間、地元住民との定期的な会合を続け同意を得た。地元への雇用機会や税収増などのメリット、老人福祉施設の提供など常套手段を尽くしている、信頼関係を築いた担当者の努力もさりながら、17億年も安定した地盤を有するなど地震、火山列島のわが国では望むべくも無く、埋設の時代継承に頭を痛める余裕はなんとも羨ましい限りです。
承認には年月要したものの、原発を作る上で燃やしたゴミの処理を念頭におくのは必然として着手したフィンランドの真摯な合理性に学んで欲しいものです。
とは言っても地下400mに2km四方の広大な施設でも原発2基程度の廃棄物しか埋設できないのでは今できる上での窮余の一策に過ぎないのかも知れません。映画でも語られる「不確実性の中での決定」という言葉の重みがひしひしと伝わります。パンドラの箱を開けてしまった人類の宿命の課題なのですね・・。
情報の伝達は10万年続くのか
というか、それ以前に50年後ですらどうなるかわからないのに未来に向けてメッセージなんてうすら寒くて聞いてられない。
でも現状この国の原発がどのようにできて今どうなっているのかを定点で把握するべきだとは思った。
施設は広く、綺麗に撮られていた。
埋めるしかないのか。
100,000年後の安全なんて計り知れない主題に対し専門家も
安全派と危ない派にスッパリ分かれて意見が終始飛び交う。
福島原発事故の頃にタイムリーに公開された作品らしいが、
いま観ても十分怖い。というか、よくこんなもん作ったな
と思うばかり。そもそも10万年間保持可能。って一体誰が
証明できるわけ?としか思えない。危険な物は地下深くに
埋めてしまいましょう。大丈夫。大丈夫。って、呪文でも
唱えて無害を祈るしかないんじゃないのということになる。
ドキュメンタリーらしく監督自己出演で問題提起があるも、
結局現在の人類にはどうすることもできない不穏な空気で
幕は閉じる。400メートル地下を掘り起こす可能性は先送り。
100000年後どころか………
後50年後すら危うい感じがします。
日本ではあんな 管理方法は使えないんだし、インタビューを聞いてると全ての廃棄物を無害にする事はできないと言っているから、安全とはかけ離れており、福島の現状が示すとおり、後始末も容易ではない。
コントロールが出来なかった時に原子の炎は消せないと言うオーバーサイエンス原子力。
エコや省エネと言う名前の商品宣伝してるだけでは脱原発も難しい。
本当に原発を必要としているのは誰なのか教えてくれるドキュメンタリー映画もつくってほしいと思った。
トイレなきマンション
フィンランドに建設される世界初の高レベル放射性廃棄物の永久処分場。
マイケルマドセン監督が関係者に話を聞きながら論点ごとに話は進んでいく。
核の平和利用で語るべき問題は二つに分けられる。
これから利用していくのかという核利用の問題と、既に使用した放射性廃棄物の処理をどうするのかという核廃棄物処理の問題。
この映画で語られているのは後者の問題。
映画でも言われているがこの二つは別に議論しなければいけない。
なぜなら、放射性廃棄物は、無害になるのに10万年かかる我々の排泄物は、原発を止めようとも、既に日本も含め世界中で「現に」存在するのだから。
後者の問題について、おそらく世界的にこれから進む道の最前線であるフィンランドの方法、「地層処分」の現実がこの映画にはおさめられている。
この映画を見てどう感じるかは見た人次第だ。
もちろん監督のバイアスがあるだろうし、絶対的に鵜呑みにしろという気はない。
ただ考えるきっかけにしてほしい。
「10万年後」
この途方もない数字を考えると、はたして核の安全利用というものが可能なのか?
もちろん、ずっと先のことだから知らない、というのも一つの意見だろう。
だとすれば将来の人間にも負担を強いることを宣言するべきだろう。
何かその点をうやむやにしている気がしてならない。
とにかく現に我々の生活のために放射性廃棄物が存在しており、その危険と闘いながらその処理にあたっている人がいることを思い知るために、恩恵を受けている者としてこの映画は見るべきだろう。
今回日本で震災が起きようと起きまいと考えるべき問題であったのを無関心に六ヶ所村等に押し付けてきたのだから。
個人的には、後者の問題については科学技術が進まない限り現在の方法しかないと思う。
将来にわたって絶対安全はないから現在の方法で、将来掘り起こされないよう祈るしかない。
だからこそ、前者の問題については、はやく原発を止めて持続可能な自然エネルギーに移行すべきだと思う。
将来の人間に、現代の人間は誇りを持てるか。
これがこの映画において一番のメッセージである。
原発への警鐘
テーマ性だけなら
5点満点だろうけど
監督がスクリーンに
映るドキュメンタリーって、
なんか自己陶酔しているような
気がして、あまり好きじゃないんだよなぁ・・・。
※そうか!と気づかされたこと
〈 いずれ、ウランも無くなる。原発は永遠の物ではない 〉
核燃料廃棄物を地下に埋めている
フィンランドの施設や関係者、有識者の
コメントを中心にまとめられたドキュメンタリーです。
冒頭に記した、
自己陶酔していません?
それ以外は、あまり気になりませんでした。
監督も
自分が映る以外は、
原発に対してYESともNOとも
言わず中立的な立場から作っています。
まぁ、昔の川口浩探検隊じゃないんだから、
音楽をこんなに仰々しくしなくてもよかったんじゃないでしょうか。
この内容なら
むしろ無音のほうが
危機感?恐怖?は切実に伝わると思いました。
★彡 ★彡
正直、もっと新しいことを
知れるかと期待していたのですが、
そっち方面は取り上げられず(泣)
原発関連のドキュメンタリーなら、
昨年鑑賞をした山口県の原発建設
反対運動を取り上げた『祝の島』の
ほうが日本国内ということもあり、
近く感ずることができました。
(こちらは、現在全国各地を
巡回して、上映しているようです)
テーマ性を買って4点とさせていただきます。
(ドキュメンタリー映画単体でなら3点かな)
100,000年後より、まず今やろ
静岡は停止中の浜岡原発を抱えており、漠然と包囲する原発への恐怖や仕組みを学ぼうと、講義気分で臨む。
しかし、途中で睡魔の大津波が第3波ほど襲われ、あえなく撃沈…。
そう言えば、大学時代、マトモに起きて講義を聴いていた試しが無い自分を今さらになって思い出した…。
議論の中心が、10万年間、保持される設計の地下施設の運営・保管方法に対する嫌悪感や矛盾、保証etc.ではなく、10万年後の人類に原子力の恐怖・危険をどう確実に警告できるか?理解できるかという、途方もない抽象的かつ哲学的な問題提示を淡々と進むため、思考力がメルトダウンし、爆睡してしまった。
隣のおっさんや前列のオバサンコンビも同様で、劇場内は高レベルのイビキが漏れ出す非常事態と化したのは云うまでもない。
現代人でさえ、この有り様なんやから、10万年後の人類に伝えるのは到底ムリなのではなかろうか?
原発の恐ろしさを後世に伝えたいのなら『チャイナシンドローム』や『東京原発』を観せた方が効果的やと思う。
そういえば数年前、実際に『東京原発』を観に、静岡東映(現・静岡ピカデリーZero)へ出掛けた時、観賞後、ロビーに浜岡原発反対派グループが操業停止を訴えるビラを配りまくっていた。
「フィクションはフィクションやと割り切って娯楽映画にしている作品やのに、楽しんだ矢先に現実へ引き戻すのは野暮やないか。映画と政治活動とを強引に混合させるのはマインドコントロール以外の何ものでもない。魂胆見え見えで不愉快や」
と憤り、私は署名に拒否したのを今でもハッキリ覚えている。
しかし、10年も経たぬウチに、あれだけスッタモンダした浜岡原発は、無責任総理の一声であっという間にストップした。
では、あのロビーで、けたたましく叫んでいたオバサマ方の必死な訴えって、何やったんやろ?
止まって、結局、何が解決できたのだろう?
節電の訴えの方が遥かにウルサい現在、虚しく汗を拭いながら憂う夏の昼下がりに短歌を一首
『文明を 灯し葬る 灰のあと 危険と刻む 未来(あす)への標(しるべ)』
by全竜
未来へ一言、「幸運を」
ドキュメンタリー作家であるマイケル・マドセン監督が、フィンランドで開発された高レベル放射性廃棄物の処分場を問いただす一本。
呆れて声も出ないのである。貴方が勝手な解釈を持ち込み作り上げた安全だけが頼みの綱となっている、現代最新鋭の施設。その危険性を理解できないかもしれない我々の子孫に、何か一言を。「気をつけて、施設には入らないで、幸運を」。何かが、間違っていないか。
フィンランドで開発が決まった高レベル放射性廃棄物処分場。その施設が示す意義を観客に提示することに、本作の表向きの軸がある。劇的に加工された映像の美しさと、理知的に施設の存在理由を語る関係者。ドキュメンタリー作品として、極めて基本に忠実に、事実を積み重ねていく姿勢が貫かれている・・・と、解釈していた。
だが、明確かつ冷静な語り口は中盤、施設の危険性を未来の世代にどう示すかに触れようとしたとき、唐突に暴力性を帯びて牙を露わにする。
それまで建設的に根拠を示し、作り手の質問に笑顔で、自信満々に答えていた関係者の口調が、澱み始める。「それは・・知らない」「分からない」「ああ・・えっと、それはだね・・」まるで作品が途中で入れ替わったように、作り手の質問が棘を持ち始める。少しずつ、かつ確実に、物語は熱を持ち、落ち着いて問題を見つめる視点を巧みに否定し始める。
観客は、その予想外の変貌に戸惑いながらも、胸の高鳴りが抑えられない。知られざる施設の全貌に向かっていた関心は、関係者の陳腐な釈明と言い訳に移る。大丈夫なのか、心配だな・・いい加減過ぎるだろ、苦笑い。ドキュメンタリーとして見れば異質な作り方だが、観客を一気に事実の危険性に引きずり込む引力を信じた作り手の姿勢は、稚拙と片付けるにはあまりに惜しい。
この作品を、原発の諸問題を抱えた日本において緊急上映する企画を打ち出した配給サイドの姿勢には賞賛の拍手を送りたい。曖昧な根拠と、無理な解釈の上で成り立つ原子力の安全。観客が今、この時、知っておくべき真実と現実がここに、ある。今となってはもう、他人事では済まされないのだから。
10万年先送り?いま我々にできることって…
フィンランドで取り組まれている
高濃度放射性廃棄物の埋蔵プロジェクトを題材にしたドキュメンタリー。
原子力エネルギーを利用することによって生じるリスクや、
管理の難しさについて問題提起がなされています。
夏から公開されるところ、急遽4月に前倒しさせたということですが、
いずれにせよ福島原発問題進行中のこのタイミングに日本公開というのは、
何とも運命的な作品ですよね。
いま観ずしていつ観る?という思いもあって、
本日ワーナー・マイカル・シネマズ板橋 にて観てきました。
優しく落ち着いた語り口で話がすすみ、
特に予備知識が無くても、その内容や意図が十分理解できます。
上映時間も短いなか良くまとまっているので、
ドキュメンタリー映画にありがちな中だるみも無く、
飽きることなく鑑賞できました。
さてお話の中核となる当プロジェクト地下施設「オンカロ」。
フィンランド語で「隠れた場所」という意味らしいです。
貯蔵した放射性廃棄物が無害化する10万年後まで、
安全に保てる施設を目指して、様々な観点から考察がなされるんですが、
これが「へぇ~ なるほどね~」と、驚かされる内容ばかり。
人の一生が、長生きしても100年程度と考えれば、
10万年という時間間隔は、いまの常識なんて通用しない、
気の遠くなる世界なのだと、あらためて感じます。
だって今から10万年前って石器時代ですよ…
リスクを10万年かけて消化させなければならないってどうなんでしょうね…
ともあれこれはフィンランドのお話。対して日本はどのような取り組みが?
色々と考えさせられた、見応えある内容でした。
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