「着想は面白いが、まさかモンスター映画とは…」デンデラ マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
着想は面白いが、まさかモンスター映画とは…
死んだはずの婆様たちが、誰にも知られず集落を作って生き延びていたという発想が面白い。
村の掟とはいえ、生への執着を捨てていない婆様たち。その掟を作った男たちは仲間に入れず、お参り場に捨て置くという設定もなかなかシリアスだ。
隠れ集落における彼女らの生活を追い、いろいろな苦難を乗り切る映画かと思いきや、自分らを捨てた村に復讐するため決起するという。デンデラの長である100歳のメイ(草笛光子)が主導する決起組と、決起に反対して“意気地なし”と呼ばれるマサリ(倍賞美津子)のダブルMitsukoの対決に主人公が巻き込まれるのかと思えば、ここもサラッとしたものだ。
では、この映画はいったい何?と観ていると、とんでもない展開になる。76年の「グリズリー」を連想させる化け物クマが登場し、婆様たちが次から次へと倒されていく。逞しく生き延びてきた婆様たちの生き様を描く映画じゃないのけ!?
そう思い込んだアンタが悪いと言われればそれまでだが、もう少し作りようがあったんじゃないの?
往年の人気女優達がシワシワの顔で、薄汚れた端切れを羽織った役に臨んだ勇気は評価できる。
もっとも、これだけの顔ぶれが揃ったなら、声が掛からなかった女優のほうがガッカリだろう。
山本陽子のファンだが、この映画では弓の達人キュウ役の山口美也子がカッコイイ。
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