「景色は最高。」RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
景色は最高。
冒頭からこんなこと言って、誠に申し訳ないけれど^^;
ホントに前作は良かった。中井貴一の運転士がハマり役!で。
で、今回も地方鉄道を舞台に地域密着映画を撮りあげた松竹。
第2弾ともなれば、二番煎じも仕方ないかと思うのだけれど、
も~少し、掘り下げられなかったものだろうか^^;脚本とかねぇ。
基本、今作は景色が主役なので、それと電車のコラボレーション
を楽しめるならば、鉄道映画として何とか観られるかもしれない。
ただしかし、前作のように鉄道を愛し(見えないとは言わないけど)
それメインで人情話と絡むことを期待すると肩透しを食わされる。
あくまで今回は、主人公の仕事が運転士。というだけで、
熟年離婚危機を抱えた夫婦のこれからの在り方を描いているもの。
なので…
これは運転士であろうとなかろうと、例えば単身赴任を余儀なく
されたお父さんが定年で帰ってきたら奥さんが出て行っちゃった。
みたいなサラリーマンの悲哀でも成立するドラマになっているのだ。
観て損はないが、電車に期待し過ぎてはいけない^^;
さて…。
まったく私的な好みで申し訳ないが^^;三浦友和、どうなんだろう。
実直で不器用な資質(演技的にも)は上手く出ていた気がするが、
どう見ても運転士には見えない。それから余貴美子とも合ってない。
42年も勤めあげた苦労や貫録が見えない。見た目はカッコいいが、
(年寄りにも見えないし)今にも妻に捨てられる、という焦りの程が
もっともっと恥ずかしいくらいに出せたら、いい俳優だと思うのだが。
富山弁も(夫婦共に)もう少し勉強した方が良かったのでは。。
余貴美子は演技は上手いのだが、夫に仕えるような妻には見えない。
そもそも看護師(だった)という設定が彼女に似合いすぎているため、
今さら再就職を決断するなんてあり得ないだろうとまで思える始末。
どう考えてもあの娘とつるんで^^;(小池栄子、相変らず上手すぎる)
もっと若いうちに、すでに夫をやり込めていたに違いない。
そうなると吉行和子も…なんだけど^^;
いい俳優を使っていながら、なんでそんな行動を?(爆)と思わせる
シーンがテンコ盛り。もったいないことこの上ない作品である。
しかし主人公夫婦とその娘夫婦。昔と今。が比べられて面白かった。
今では夫君も、家事に育児に忙しいのが当たり前になってきている。
そもそも結婚に「楽」(らく)はないのよね、「楽」(たのしみ)はあっても。
(だけど歳をとってから、ああいうプロポーズもいいな。願わくば…^^;)