劇場公開日 2012年4月28日

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「すれ違った母の想いと息子の想い」わが母の記 はーまりーさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0すれ違った母の想いと息子の想い

2020年1月3日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

幸せ

樹木希林さんの演技が圧巻でした。「しろばんば」や「夏草冬濤」で描かれていた勝気で厳しくユーモアからかけ離れた八重と樹木希林さんの印象は私の中では少し異なるものではありましたが、程よく力を抜いたような演技なのか地なのかわからない樹木さんの演技は私の中の八重像を変えていきました。
親に捨てられたとずっと思い続けていた洪作と戦中の混乱の中、実父の妾であるおぬいばあさんに洪作を預ける決断をしなくてはいけなかった八重。洪作が八重の本当の気持ちを知った場面は涙目なしでは見れません。
洪作が幼少期に過ごした湯ヶ島とおぬいばあさんや本家との関係、その時の洪作の目に映った八重や家族の、青年期に過ごした沼津での様子がもう少し丁寧に描かれていたらより良かったです。登場する人たちの会話の中で触れてはいましたが、「しろばんば」「夏草冬濤」を読んでいない人にとっては、洪作と八重の関係や想いを知るには十分ではないような…。

はーまりー