「.」恋の罪 瀬雨伊府 琴さんの映画レビュー(感想・評価)
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自宅で鑑賞。「家賃三部作」の二作目。良くも悪くも本作の後、監督と婚約発表した“菊池いずみ”役、神楽坂恵の映画。余り必然の感じられない放尿シーンや『愛のむきだし('08)』でも観られた男に跨り暗誦するシーン等、孰れも話題集めか。この監督の実話ベースは現実の表層のみを汲み取った作品が多く、本作でも被害者が昼はエリート、夜は娼婦と云う設定のみ。判り易いエディプス複合と云う解釈や監督お得意の「言葉」で核心に迫るので無く、摂食障害から異常性欲に至ったと考えられる実在の事件寄りのアプローチが観たかった。60/100点。
・アンダーグラウンド系を含め、監督常連組みがスタッフ・キャストに終結しているが、そんな中“菊池由紀夫”の津田寛治が印象的──この人は爽やかな笑顔より、前半によく観られた訝しげな表情が佳い。更に“尾沢志津”のキャラクターが作品に深みを与え、異常性を際立たせており、演じる大方斐紗子も好演技で違和感が無く、作品の世界観に溶け込んだ妙な説得力が有る。
・鑑賞日:2012年6月23日(土)
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