「生と自由へのサバイバル」ウェイバック 脱出6500km 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
生と自由へのサバイバル
第二次大戦下、シベリアの収容所を脱出し、歩いてインドへ逃れた男たちの実話。
彼らの歩いた距離は6500キロ。
日本列島往復に相当する。
寛平ちゃんは地球一周だぞ!…と思うなかれ。
彼らの旅路は何の準備も無く始まった生と自由へのサバイバル。
危機また危機を乗り越えるスリリングなアドベンチャーなどではない。
道のりは苦難。極限状態の人間ドラマ。
森を抜け川を渡り、雪山では寒さが襲い、砂漠では熱さに肌が焼ける。
体は汚れ、髭はボーボー。
虫やトカゲやヘビすら口にする。
それでも事足りず、特に強烈な喉の乾きに倒れそうになる。
体はボロボロ、満身創痍、体力の限界…。
遥か遠くにある自由を求めて…。
壮大なスケールの中にも緻密な人間ドラマを描く。ピーター・ウィアーの手腕が冴える。
ジム・スタージェス、エド・ハリス、コリン・ファレル…名匠の下に集った実力派たちが熱演を見せる。
男たちの中で、途中から同行したシアーシャ・ローナンが、花の如く一時の美しさと癒やしの存在。
自由を得る事は容易くない。
自由への道は、苦難への道。
それでも人は自由を目指す。
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