「お馬鹿さんたちの切ないブルース」莫逆家族 バクギャクファミーリア はぴねーす!さんの映画レビュー(感想・評価)
お馬鹿さんたちの切ないブルース
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馬鹿(社会的には)でどうしょうもない、争いごとは殴り合いで決着つけるしかないと思い込む切ない男たちの群像劇。
主人公鉄(徳井義実)たちは肉親の縁が薄く不良仲間を疑似家族に見立て強い繋がりの「家族」を作って行く。
鉄と命がけの果たし合いをする五十嵐(村上淳)もまた孤児院育ちの孤独なアウトロー。たった1人の義兄弟の契りを交わした男が目の前で自決し、五十嵐は狂気に取り憑かれる。
物語の前半では、暴力から抜けて話し合いや友好を模索する鉄が、物語後半で怒りと復讐のため身を呈して一線を越えて闘う。
びしょ濡れになりながらの死闘シーンはトリッキーな五十嵐に肩入れする人も
必死の鉄に肩入れする人も双方心が痛くなるような臨場感がある。
今まで見たあらゆるアクション映画のなかでここまで身体の痛みを感じた作品はない。
徳井義実の語る瞳と表情、真剣過ぎて滑稽にさえ見えてくる村上淳の身体の動き。
凄いものを観た、と思った。
きれいな映像、ディテールにこだわった映画美術、挿入歌、役者の顔と肉体。
映画館で見るべき圧倒的な世界です。
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