「ジンギスカンは、ラムとマトン、どっちが好きだ?」探偵はBARにいる shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
ジンギスカンは、ラムとマトン、どっちが好きだ?
クリックして本文を読む
映画「探偵はBARにいる」(橋本一監督)から。
主人公の探偵役・大泉洋さんが、雪の中に埋められ、
殺されそうになる直前に、悪役の高嶋政伸さんと交わした
何気ない会話が印象的に残ってしまった。
「ジンギスカンは、ラムとマトン、どっちが好きだ?」
「その質問の意味は?」「意味なんかない。お前の人生と同じだ」
「学問のないサルのくせに、シャレたことを抜かしてんじゃねぇよ」
「無言だと不安になると思って、気を使ってんだよ」
「そういうタクシーの運転手が一番迷惑なんだよ」
男って、冷静を装いながらも興奮すると、知らず知らずに
会話の語尾に「よ」をつけるものなのかな、なんて思いながら、
殺そうとしている男と殺されそうになっている男の会話としては、
面白いな、とメモを片手に、物語を振り返った。
また、殴り合いの喧嘩になりそうだったら
「顔を殴らないでください、一応、モデル志望なんです」とかわし、
「あなた、携帯持ってないの?」と訊かれたら
「ない。束縛されるだけで、何の役にも立たないからな」と返す。
「感情に流されれば、寿命を縮める。俺が貫いてきた主義だが、
主義に凝り固まれば、ソビエトも地図から消える」と呟いてみる。
こんな楽しいフレーズ満載の作品であったが、一番のお薦めは
気取ってある文章の一節を読み、「何それ?」と訊かれたら、
「萩原朔太郎が、俺の生まれるずっ~と前に、
俺のために書き残してくれた文章」ってサラッと答える台詞。
これ、是非一度、どこかで試してみたいな。
コメントする