「小雪がいい!」探偵はBARにいる kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
小雪がいい!
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死ぬ前にこんな映画は思い出したくない!などと途中までは思っていた。ヤクザに対して仕返しもしたくて、依頼人“コンドウキョウコ”を探っていくうちに2年前の放火事件や、1年前にキリシマ(西田敏行)が殺された事件が繋がってゆく。ただ、主人公視点のハードボイルドであることが基本なので、一体何を調べればいいのか?依頼人を守るといった主人公探偵の主義もなんだか空回り・・・というか、近藤京子自身が放火によって殺されているので依頼人が誰かさえもわからない状態。ヤクザが徹底的に嫌いなのかといえば、そうでもなく。なんと松重豊演ずるヤクザのお嬢さんを見張る仕事もしていたのだ。
北海道という性格上、北方領土返還などといった言葉も出てくるし、どことなく右翼・ヤクザを容認している内容に嫌悪感さえ覚えてしまう前半。さらに、放火と殺人事件の黒幕が元学生運動から派生した新左翼のボスだということにも違和感が・・・
どんどん小雪演ずる未亡人ママが悪者に思えてくる内容なのだが、コンドウキョウコが一体誰なのかと考えると、どうも彼女しかいないのだ。で、なぜ面倒くさい依頼ばかり?と疑問を終盤一気に氷解!ちょっと涙が出てくるほど。復讐のため相手の懐に飛び込んで偽装結婚するにいたるわけだ。この薄幸の女性の表情を見ると、やはり『三丁目の夕日』が思い浮かぶ。
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