「人生は美しい」永遠と一日 keitaさんの映画レビュー(感想・評価)
人生は美しい
ヨーロッパでは題材としてよく取り上げられる複雑な人種問題もアンゲロプロスの作品では純粋な映画表現の結果に付随するものでしかない。
時間は進む。
果たしてそれは真実だろうか?
自分の最後を悟った詩人アレクサンドレはいつものように家を出て、今を、思い出を、そして見知らぬ過去を、時間を縦横を旅する。
永遠の一日を生きる詩人の彼と今や過去、時間を繋ぐ架け橋は紛れもない"言葉"である。
生きる手段であり、アイデンティティーでもあるそれは時間を超越し過去を今に呼び起こし、遠い過去に思いを馳せ、時を止めてしまう力さえ持つと作品は語る。
言葉でこの作品を語るのは難しい。
観たことが、感じたことが全てなのだと思う。
ストーリーでは無く、もっと根底のことを語りかけてくるこの作品は果てしなく美しい。
映画であって映画でない。
生であり、死であり、永遠であり、一日であり、人生である。
美しい。
そう、詩人ソロモスが言うように"人生は美しい"。
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