劇場公開日 2011年12月9日

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「スピルバーグの「頑張れニッポン」ですね」リアル・スティール お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0スピルバーグの「頑張れニッポン」ですね

2020年8月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

父と子の和解の話なのですが、ストーリーのパーツパーツは決して斬新なものではありません。

とはいえ、一つ一つのパーツが徹底的に磨き立てられて組み立てられているので、手入れの行き届いたストーリーの流れに心地よく酔うことができます。

しかし私はこの映画から、もう一つの特別なメッセージを読み取りました。

地震・津波にやられ、核汚染にやられながらも、決して乱暴狼藉に走らない日本人。秩序正しく立ち上がろうと頑張る日本人に対する、スピルバーグからの尊敬と愛情の籠もったメッセージです。

日本ってクールなんだよ。
日本って凄いんだよ。
だから頑張ろうよ。
映画の端々にメッセージが散りばめられています。

主人公の男の子は、携帯ゲームによって日本語を話すことができるようになったアメリカの少年です。

その少年が、廃棄物集積所のドロの中から発掘したロボットの名前がアトムです。

アトムと言っても、一般のアメリカ人には「鉄腕アトム」への連想は決して浮かびません。
鉄腕アトムが米国で公開されていた時の題名は「ASTRO BOY」だったからです。

「鉄腕アトム」とは、手塚治虫への深い敬愛を持つ人だけが知る名前なのです。

一般のアメリカ人には、原子爆弾や原発を意味するアトムという言葉。
その忌まわしい言葉を、あえて主人公ロボットの名前として持ってきたところに、映画制作者の意図が透けて見えるでしょう。

最終的に打倒すべきライバルである、強大で無礼かつ尊大きわまりない敵。
これがどこからどう見ても韓国人なんです。

もちろん、父と子の愛情の再生劇という観点からだけ見ても★5つの価値があると思いましたが、日本に対する制作者たちの思いを感じてしまうと、★6個でもおかしくないと思いました。

立ち上がれ日本。
頑張れ日本。
日はまた昇ると信じているよ。

偉大な映画人からのメッセージを受けながら、私は涙を堪えることもできずに観ていたのです。

ほんとうに元気を貰うことかできる映画でした。

お水汲み当番