「悪魔とは何だろう」ザ・ライト エクソシストの真実 銀平さんの映画レビュー(感想・評価)
悪魔とは何だろう
悪魔モノの映画とか漫画とかの創作物は好きですが、「信じるか」とは別です。
日本でのんびり暮らしてる私には想像もつきませんが、キリスト教圏の人々にとっては悪魔の存在という意識は、かなり身近にある恐怖の対象なんですね。
ちなみに悪魔とは、
・もとは天使だったものが天を追い出されて(もしくは自分の意思で去った)悪魔になった。
・天使だった時の力はそのまま、その力の強さによって悪魔の世界に階級が存在する。
・強い悪魔は軍隊を持っていたりする。
というのが私の認識です。
悪魔の存在を信じるかどうかはともかく・・・
アンソニー・ホプキンスはああいう「尋常でない精神状態」をやらせたらすごい。もう彼が出るならばそういう演技はつきものというか。
参りましたとしか言えません。
かたやマイケル役の人も、かなりの演技力だと思いました。実際の「悪魔祓いの現場」感が伝わってきましたから。
音楽良し(グレゴリオ聖歌などを聴いたときと似たような感覚)、映像も良し。
サン・ピエトロ大聖堂なんて、神々しさとそれと同時に不気味感がたっぷりで、目に見えない何かが潜んでいそうな空気を感じさせます。
この映画がたぶん意図的に狙っている場面と、映画館の音響が大きい事が重なって、何回か「ビクッ!」と驚かされるシーンがありました。
初見で大きい音で見るとかなり心臓に悪い気が・・・。
しかし・・・
悪魔を撃退できるかどうかは精神力と言葉にかかっているんですね。
テレビで見る日本の霊能者がやる除霊と似ていますね。
どんなに経験豊富な神父でも絶対に揺るがない信仰心なんて持っていないんです。そりゃあ人間ですもの。その“疑う心”と同じくらい“信じる心”の強さがあるんですよね、人間というのは。
でも忘れちゃいけないのは、人間も心ひとつで悪魔に近いものになる危ういものであるということ。
マイケルがルーカス神父を救おうとするあの儀式で、なぜ悪魔は名前を明かしたんでしょうか?
なにも3回も繰り返さなくても?(まあまあ盛り上がったけど)
決め手になったものが何なのか、そこがよく分かりませんでした。
事実を基にした映画といって、仮に大きく誇張されていたとしても、これはこれで物語として楽しめました。
マイケル立派に成長して良かった・・・。