東京公園のレビュー・感想・評価
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軽やかな日常に死の痕跡
大変に軽やかな作品で、平板な日常をカメラで「見る」ことで異化効果的にちょっといつもと違うものに見せてくれる。浮気調査を依頼された主人公が、公園を巡る女性を撮り続ける。一方的な見る・見られるの関係性は、映画を見るということにもつながる行為というか、一方的に世界を覗き込むことはいかがわしさを含む行為なのだなと感じさせる。
この映画には死の痕跡がある。死んだ友人が主人公にだけは見えていて会話できる。死んだ母の写真を飾っている主人公の部屋。その母は主人公が追いかけている公園の女性と瓜二つだ。(どっちも井川遥が演じている)
カメラで撮った写真は現実そのものかを切り取っているのかだろうか。カメラは、現実の痕跡を残すものではないかと思う。映画も何かの痕跡を残すもの。それは人が死んだ後も残っていく。痕跡を残すことを軽やかに描いた、とても豊かな作品だと思う。
【”君の写真は被写体をあったかく包んでいる。まるで公園みたいだ。と男は僕に言った。”今作は、写真家を目指す青年と周囲の心優しき人達との関係性の変遷を優しき視点で描いた作品である。】
ー 今作は、 小路幸也氏の同名小説を基にしている。私は、氏の小説の中でも年に一度、春に出版される「東京バンドワゴン」シリーズが好きで、もう10数年読み続けている。
今作は、「東京バンドワゴン」のようなホームドラマではないが、それに近い人間の温もりが伝わって来るような、静謐な作品であると思う。-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作はどの登場人物も魅力的であるが、矢張り主人公のコウジを演じた三浦春馬さんの魅力が、作品に温かさと静謐さと気品を齎していると思う。
・一人暮らしのコウジだけには、友人だった幽霊のヒロ(染谷将太)が見え、ヒロの彼女だったトミナガ(榮倉奈々)が、彼の部屋に頻繁に訪れる。おでんなどを持って。
・コウジには義理の姉ミサキ(小西真奈美)がいて、彼は彼女が少し気になっている。彼女も同じ気持ちのようだ。
■コウジが、いつものように公園で写真を撮っていると、マツシタタカシと言う男から、いつも公園を小さな子を乳母車に乗せて歩いている美しい女性(井川遥)を密かに撮ってくれ、と頼まれる。彼は、歯科医だと名刺を出すが、コウジは最初はその申し出を断るが、渋々引き受ける。
・コウジに対し、ミサキは一度だけ口づけをする。この映画の中には美しいシーンが多数有るが、このシーンもその一つである。そして、ミサキは再び義理の姉の口調に戻るのである。
・マツシタタカシがコウジに撮影を頼んだ女性は、彼の妻である事が徐々に分かる。マツシタタカシは、妻の浮気を疑っていたのだが、妻はマツシタタカシとの出会いのきっかけになったアンモナイトの軌道のように、公園を散歩していたのである。
・ある日、トミナガは泣きながらコウジの家にやって来て、一緒に暮らしたいという。コウジはそれを受け入れる。ヒロの姿はもう、見えない。
<今作は、カメラマンを目指す青年の周囲の人と、青年との関係性の変遷を優しい視点で描いた作品である。
特別に、大きな出来事が起こる訳ではないが、優しい気持ちで鑑賞出来る映画である。このような映画は、ナカナカ商業ベースでは厳しいのかもしれないがその土俵で勝負したのが、残念ながら早逝された青山真治と言う監督なのである。>
予想外の展開
三浦春馬氏演じる光司の憧れの写真家がいるのはわかっていたけれども、公園でみかけて夢中でシャッターを切り続けるその被写体百合香が同じ井川遙氏の顔だとは、私もしばらく気がつかなかった。また、憧れの写真家だと思ったその人が、光司の母親だったのだろうか。咎めるようにみえた高橋洋氏演じる隆史が、まさかの悪だくみの提案を申し出て、意外の始まり。百合香が気づいているようで、あえて咎めないので、そのまま続き、依頼した隆史との関係にも波風は立たないようだった。子どもを異す苦労が続いたことであろう。光司と榮倉奈々氏演じる美優との恋が生まれるのかと思ったら、光司とステップシスターの小西真奈美氏演じる美咲との恋の話になった。それにしても、弟が姉に憧れるのはわかるけれど、姉が弟に忍ぶ恋というのは予想外であった。ただ、そこに踏み出しながら、躊躇いのキス2回だけでは、意味がないのではないか。榮倉氏がかつて、近親関係にある男性と恋愛関係になる『蜜の味』というドラマで主役をしていたことを考えると、半端な話だと感じた。幽霊である染谷将太氏演じるヒロの姿が、美優にはみえず、光司にはみえていたのがみえなくなった意味も、よくわからなかった。最後に全部が丸く収まり過ぎていた。
事後トークで、斉藤陽一郎氏は、二度出演の場面があり、それくらい青山監督との関係が深かったという。三宅唱氏は、高校生のときに『ユリイカ』を観て、日本人にもしっかりした監督がいることがわかったという。本作には様々な人間関係や題材が描かれているので、観る人によって、違った主題を感じるだろうという。正面から向き合うことの大切さが強調されていたが、斜め後ろからの視点も使われ、観客もまた、覗き込まれていたという。佐藤公美氏は、三浦春馬氏の眼差しが素晴らしいという。
二回観て
小西真奈美が三浦春馬との二人だけのシーン、義弟を愛してしまい頭と心が合致しない。心が抑えられず、抱き合いキスしてしまう。まだ心が止められずもう一度。ここで頭がしっかりと理性的に覚醒。しっかり者のお姉ちゃんに戻り弟を頼むと言った母への罪悪感も沸き母の側にいようと決心。と読み取りました。2回のキスが無いと吹っ切れなかった、そうでないといつまでもモヤモヤ。弟春馬はあまり理解できず姉ちゃんの好きにしたらいいや!大好きな姉ちゃんだから、と。やはり三浦春馬さんは演技凄い。もちろん小西真奈美、榮倉奈々も。井川遥は美しくてスタイリッシュなのにベビーカーをわざとチグハグにしたのは変人の夫と同列の気持ちを表す為?行き場の無い女性二人の想いに対して井川遥の登場は公園をしっかり見せる為かな。さすがに美しい景色ばかり。東京はいいなあと思いました。
もう匙を投げた青山監督だったがこれはいい
映画の客観的批評なんてできるわけではなく、単に嗜好に合うか合わないかだけが評価基準であるに過ぎず、特定の作品を除いた殆どの青山真治監督作品には個人的に首を振るばかりだった。
しかし、本作品は最初こそ「すかした都会感覚のスノッブ映画」と斜に構えてみていたが、徐々にメインテーマでもあるちょっとすれ違う男女間の融和・融合という形が明確化するにつれ心地いいシンクロ感が生じ、大きな感動とかではないけれど不思議な安寧とでも言える余韻がエンドロール中、そして視聴後でも持続している状態。
でも何が良かったんだかは実はよく分からない。これ見よがしではない演出の微妙なテクニックが奏功していたということなのだろうが、それが分かれば玄人批評家になれるのかもね。笑
俳優陣ではやはり物語の要となる主役:三浦春馬の「人畜無害的中庸演技」が冴え渡っていたと思う。(亡き親友、その恋人、美しい義姉、謎の綺麗な子連れ人妻、その妻を写真監視する嫉妬深い夫、ゲイマスターなど全てと強くなくかといって弱くなく関わり合う中心人物)
実は視聴中、顔や雰囲気の似通っている別の俳優に置き換えてみたりもしたがそれらの俳優では三浦春馬と同じ味わいは出なかっただろう。
他の出演映画でも良好な印象が残った記憶があるが、三浦の気取りのない普通の二枚目キャラは非常に貴重な資質だったのだなと今になって認識させられた。
一歩間違えば「茫洋とした意味不○ソ映画!」と腹を立ててもおかしくないような内容ながら、じっくり見入って共感さえできたのだから、原作・脚本・監督・俳優その他の組み合わせの妙が本作にはあったのだろうとしか言いようがない。まぁそれも結局は客観評価ではなく主観評にしかすぎないけれどもね。
2104-7
青山監督って不思議だなあ〜また、見たくなるんだよなあ〜
監督のファンなのか、この映画は、男の方が、おおかった!なんとなく、男性の気持ちよりにつくられたのかなあ〜榮倉さんと春馬さんの会話のやりとりが、私は、好きだなあ〜
人間関係が最初よくわからず
はじめのうちは人々の繋がりがよくわからずに???なんだけど嫌な感じではなく、ふんわりと話が進んでいく。
光司の部屋の写真の女性と、公園で尾行の対象の女性(井川遥)が同じなのが?まあ、後にわかるのだが。
何故歯科医の男性が尾行を依頼してきたのかも?わからずに光司、よく引き受けたなあ。
ヒロが光司にしか見えない幽霊であることも最初は分からず、ところでヒロは何故死んだ?
美咲と光司が血のつながらない姉弟も最初分からず、わかってから納得。
歯科医は妻が、尾行をする若いイケメンと浮気をするか試そうとしたのか?その辺りがよくわからない。ただ妻は夫との思い出の地を順番に回っていただけのようだけど。
そして光司よっ!女心わからなさすぎる。まあ、確かに姉としか見ていなかった女性を女としては見れないだろうけど。
でも結局,お互い気持ちを表して、アレでケジメがつくのだろうか?あの後、姉と弟に戻れるのか?
富永は光司の家に押しかけて、ヒロはコレがキッカケと姿を消したようだから、光司と富永はこれから付き合うってことだよね?
ほー、ふーん、なるほどねっで感じのまったりほんわかの話で心地よい映画。まあ、三浦春馬が女心のわからない、ちょっと鈍くてシャイな若者をサラッと素敵に演じてた。小西真奈美、榮倉奈々、井川遥がそれぞれ違うタイプのれ女性を素敵に演じていた。
小西真奈美が輝いています
絶頂期の美しき小西真奈美のドキッとする様な表情が沢山見れて、それだけで観賞価値有ります。大島で一筋の涙を流すシーンはとても印象的でした。
ストーリーの展開、結末もとても好感持てました。榮倉奈々もいい味出してました。
とても良かったです。
いい雰囲気の映画
三浦春馬さんのための映画!
そんな感じがするゆったりまったりほんわかしながらストーリーが流れます。特に感動するわけでもなく同居人を含め登場人物の関係性が徐々にわかってきても大きな驚きもなく、でも楽しめる作品じゃないかと。
がたいのでかい榮倉奈々さんがかわいらしく(でも実際にいたら若干ウザかったりしそうですが)恋人との別れのいきさつとそこから抜け出せないいじらしさ。そのくせ鈍感な主人公にズバズバ物申す幼馴染ならではの関係性。なかなかいいじゃないですか。
東京には住んだ済んだことがないので大きな公園がいくつもあることはテレビやメディアで理解するだけですが、なんだか公園がたくさんあって家族連れや、カップル、歳を召されたご夫婦など、みしらぬ老若男女がいききする場所なんて素敵だなぁって思いました。
僕の住む名古屋はそんなまったりできる公園ってあるんだろうか?
三浦春馬さんの作品を今観ると、本当に残念な気持ち、悲しい気持ちになってしまうんですが観終わったあとの感情はほのぼのできて不思議な感覚でした。
10年以上前の作品なんですね。あまり話題にならなかったような…レビューも少なめですよね。でも隠れた名作なんじゃないでしょうか?多くの幅広い世代の人に観てほしいと思いました。いい映画ですよ。
ふわふわっと、気がついたら終わってました
タイトルから公園をテーマにした作品かといわれたら、そういうわけでもない。
三浦春馬と小西真奈美?榮倉奈々と染谷将太?
三浦春馬と井川遥?いや、なんだかんだ三浦春馬と榮倉奈々?
なんてどこのラインもなんかふわふわとしてて、
気がついたらエンディングという感じでした、
まるで公園で、ポカポカ気持ちよく寝落ちしそうな、そんな作品でした。
それでも映画みちゃうよね。
霊感?スピリチュアル的なものが関係してくるのかと思ったけどもそうでもなく、ただ淡々としていました。あれ?これネタバレになります?わからん。
なんも起こらないっていうネタバレ。
よくわからなかった
うーん…
淡々とシーンが流れてる感じで、盛り上がりも落ちもなく、よくわからない感じで突然終わっちゃった。
映画ツウの人は、理解できるのかもしれないけど。
単純なストーリーが、好きな自分にはついていけなかったな。
春馬くんは星5、映画は星1
アマプラにて。
こういう映画ほんと苦手。なんの話?なにを描いてる?って全然理解できない。退屈な邦画の象徴。
好きな人は好きなんだろうな。私は苦手。微妙な心情の変化とか分からない。え?なに?どういう状況?っていうシーンの連続。音楽も全然ないから気持ちも盛り上がらない。
ただ俳優さんたちは好き。
とくに春馬くんは最高の俳優さんだった。
ドリパス上映
TOHOシネマズさんのドリパスで鑑賞。
まあ、正直言ってドリパスが何か分かってないのですが。
それでですね、この映画の一番の見所は、やはり三浦さんと小西さんのキスシーンだと思うんですよ。
色んな感情が入り交じって、それでも溢れだしてきて抑えられなくなった気持ち。
そんな小西さんの演技に対して三浦さんは、横からのアングルでも後ろ姿に近いんだけど、背中の演技でしっかりと受け止めていました。
このシーンだけなく、全体的に役者さん達の表情を楽しめる映画だと思います。
静かな時間
もう10年前に公開された映画なんですね。
皆さんお若い。
三浦春馬くんは亡くなってしまって本当に残念です。
この映画でも良い空気感でした。作りすぎない、自然な演技。淡々と、鈍感な男の子を演じていたように思います。
小西真奈美さん、かわいいなぁ、まさかキスするとは思わなかったけど、ずっと血のつながらない弟を好きでいた、切ない表情は胸に迫るものがありました。
幽霊の染谷将太くんが、最初はただの同居人かと思い、榮倉奈々ちゃんが、亡くなった幽霊の彼に会いたくて、ゾンビ映画を見まくるというのも可愛らしかった。
最後、『あ、今か』と染谷将太くんが消えてしまったという事は、やっぱり2人はこれから付き合っていくという事なんでしょうか。
ちょっとわかりにくかった。
幼馴染で何でも言える2人の関係は見ていて面白かったです。
全体的に静かな映画。
井川遥さんが、一言も話さないという、なんとも勿体ないような。彼女の美しさがいっそう際立っていました。
公園ていいな〜。
来ている人はみんな、リラックスしていそうで。
女性達が魅力的
カメラマン志望の大学生・光司(三浦春馬)が公園で家族写真を撮っていると、男から、彼女の写真を撮ってほしい、という依頼をされた。その女性(井川遥)の写真を撮る光司、彼氏が死んだ元カノ(榮倉奈々)、義理の姉(小西真奈美)と魅力的な女性たちとの人間関係が徐々に変わっていくという話。
三浦春馬は素晴らしかったが、周りの女性達、榮倉奈々、小西真奈美、井川遥が心の葛藤を演じ魅力的だった。
最後にビックリする展開が待っていた。
『最後にビックリする展開が待っていた。』
なんて事は無く、最初から最後までひたすらマッタリ進行していく作品でした。
小西真奈美さんと三浦春馬さんが!とか
榮倉奈々さんと三浦春馬さんが!とか
じつは、井川遥さんが本当に浮○!とか
何か有るのかと思っていたのですが
本当に何も無かった。
まぁたまにはいいかな、
こんな時間の過ごし方も。(笑)
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