「ヤンチャ坊主の夢をそのまま大人がクルマで頂戴していくような疾走感」ワイルド・スピード MEGA MAX 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
ヤンチャ坊主の夢をそのまま大人がクルマで頂戴していくような疾走感
オープニング早々に脱獄し大暴れする今作は、舞台をブラジルに移し、高級車強奪作戦と、裏社会を牛耳るマフィアの親分への仕返しにアクセル全開でブットバしまくる。
腕っ節と度胸の強さでクルマ、カネ、そして、オネエチャンをと見事に手中にイタダイていくものの、最後は友情を選ぶ主人公の仁義が光り、
「んな、アホな!?」の連続でも笑って彼らの疾走を見送ってしまう。
前半はGT40etc.の超高級外車強奪作戦に乗り出し、シリーズ従来のスピード感溢れる面白さを発揮。
本来の路線を継承しつつ、後半は、敵ボスが独り占めしている札束を奪還しようとメカや交渉etc.各分野のプロを揃え、闘いを仕掛ける『オーシャンズ』シリーズを彷彿とさせるチームプレイに突入していく肉弾戦は、ハリウッドならではのボリュームを誇り、最後まで頭カラッポで気楽に楽しめるバカバカしい観応えに仕上がっている。
故に、メンバーみな指名手配中のお尋ね者やのに、運転免許の更新はどうしてんだ?とか、
撃たれたり車大破して大ケガしてるハズやのに速攻で回復してるのはナゼ?
チームに必要なプロは先ず医療やろ!
そもそも人材も機材もこんなに豊富に招集できるパワーがあるなら、それをそのまま普通にビジネスに活かして起業した方が簡単に儲かるやろ!
etc.etc.の勘ぐりは、野暮なだけである。
ただ、いろんな要素を力強くかき集めているから、チョイと長いのが玉にキズやね。
こういうノーテンキな犯罪アクションで2時間超えは、どうしても途中で疲れる。
テンポもハイウェイに乗せてもう少しブットバして欲しかったかな。
あと、主役のヴィン・ディーゼルも、逮捕一筋のパワフル刑事ドウェイン・ジョンソンも2人ともスキンヘッドやから、アクションシーンになると一瞬、どっちが追っ手なのか分別に戸惑ってしまう。
っていうか、数々のカーチェイスで警官隊はおろか、巻き添えを食らってケガした民間人への責任はほったらかしかい!!
etc.etc.ツッコミ入れたらキリがないが、タマに観るブンなら、まあいいや。
休日に観る映画なんざぁ、その程度のクオリティでエエと思うよ。
目的地終点まで居眠り運転せえへんかったしね。
まあ、特にオチは無いところで、最後に短歌を一首
『裏街道 拝む轟音 天国へ 流儀全開 世界を股に』
by全竜