コクリコ坂からのレビュー・感想・評価
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一言で表せます。青春!
高校時代に使っていた、汚くて古くて暑くて、みんながいて、大好きだった部室を思い出しました。
高校時代に行っていた、「ガキっぽい」「真剣な」討論を思い出しました。
誰もが通った青春の一端を、思い出させてくれる映画です。
恋愛パートは若者の勢いに押されましたww
自分の気持ちをぶつけ合うなんて、若すぎる!笑
修行が足りない
海の声は長澤まさみだ。でも、アニメの海から発する声は頭の中で長澤の声と一度咀嚼してからでないと理解できない。
やはりアニメも人格なのだ。
ところで、最近ナレーションにスター俳優が起用されている。
ナレーションは陽のあたらない人がやるものと思っていた。
クライアントの要望か、プロデューサー、ディレクターの要望か、俳優自身の要望か分からないが、陽のあたる人は姿の見える世界で活躍してればいいじゃん。
ナレーションは声で勝負している人の世界だろう。
スターは陽のあたる世界にいてください。
なんて、余計なことを考えてしまうくらい作品に没入できない。
宮崎吾朗はアニメ作家としてどのような修行をしてきたのだろう。
ジブリは素人からみればどうでもいいような細部にこだわる絵作りをしてきたのではないだろうか。
生徒集会の生徒たちは同じような顔が多かった。あれって手抜き?
宮崎駿の企画文を呼んだが、それを具現化した作品とは思えない。
まあ、面白かったかな?
ゲド戦記よりも良かったですしポニョよりも面白い!…という感じの映画でした。どうしてもジブリの映画なので、ナウシカやトトロやラピュタなどの名作などと比べてしまい物足りなさを感じてしまいます。小さなお子様連れの方がいましたが、途中からつまらなくなったのがグズっていました。ほかの方のコメントでも書きこみありましたが、大人向けの映画ですね。父上の宮崎駿監督の作品のカリオストロの城などはあまり公開時 は話題にならず後に評価を得たようですね。なのであの子が大人になったときに改めて見たら面白い映画だと思うのではないでしょうか?最後に流れる手嶋葵さんの少し切ない歌声は他のジブリの主題歌に引けをとりません。宮崎吾郎監督の作品はまだ2作品目です。期待の意味を込めて星は4つです。
此処に、また"名作"が誕生しました。
この映画を見る直前、映画館に置いてあったこの映画の紹介チラシがありました。
表には、クレヨンで描いたような青を基調とした綺麗な映画イメージ絵。(上記の絵です^_^)
そして裏には、宮崎駿さんの「企画のための覚書」と題された言葉がありました。
そこには、今回製作に至った経緯などが記されていました。
読み進めていると、
そこに"真摯"という言葉があり、何故だかとても印象に残ったまま、
ちょうど場内の明かりが消え、映画が始まりました。
映画を観始め、主人公の女の子"海"
(呼び名は"うみ"、映画中では"メル"とも呼ばれています。フランス語でMER,海という意味)
が登場した時から、映画が終わるまで、
この"真摯"という潔く凛々しい言葉が、終始、僕の心に刻まれていました。
時代は1963年、東京オリンピックの前の年、
東京タワーは既に立ち聳(そび)えていますが、通路は舗装されてはおらず、
土煙が舞い、ファッションは原色ばかりで地味な感じです。
ですが、主人公のみならずその多くの登場人物達の、
その立ち居振る舞いと、心意気、情熱、礼儀、想い、そして言葉は、
"真摯"に溢れていました。
そう、何もかもが本気で、それぞれが強く、強い信念を持ち合わせていました。
そして私が感じたのは、この映画の中には、今の日本には無い大事なモノコトがあり、
僕らの細胞・遺伝子に刻まれている この大事を呼び起こしてくれる鍵となってくれると感じさせてくれました。
この作品のみならず、過去のジブリ作品にも感じる想いであり、
このような作品が、これから先も映画という遺産として、後世に受け継がれ残されていく事は非常に嬉しいです。
創り上げてくださったスタッフの皆様方に、厚く感謝致します。
ありがとうございました。
60代の人には懐かしいかもしれないけどそれ以外の年代には面白さがわからない映画だと思う
団塊世代の青春ものの色彩が強すぎる。学生やアパートの住人が肩を寄せ合って歌うシーンは
理解しがたい。主人公が少年に恋してそれが実は兄弟というストーリーと聞いていたが最後にはうまくまとめてハッピーエンド。
現代じゃないからこじつけられたと思う。時代背景がない人には駄作である。
こうして日本が出来ている 朝鮮戦争を通して日本を説く
ただの恋愛話だと思ったら、裏にある壮大で決定的なテーマ、背景があった。そんな60年代の風情を音楽で語るのがこの映画の特徴だ。ジブリとは、年齢関係なく誰でも感動できるというよさがある。それは子供の目で見てもわかりやすい内容であり、なおかつ大人にしか理解できない深い意味も含む構造だからだ。さぁ今回はといえば。今はもう無い戦争の後、戦争で親を失った子供が他の人に養子として預けられるといった事がよくあった、そして戦争で戦った兵士は偉大なるヒーローなのだ、というメッセージがある。そんな重いテーマとは裏腹に、そこはジブリ。父親を無くしたヒロインの海は俊という温もりを見つける。そんな恋愛じみた話がしっかりあるのだ。最初の旗揚げが「求め」 最後は「捧げ」という話がしっかり軸としてある。そういう二つの意味をしっかり感じさせる映画であった。
ジブリと思わなければ良し
ジブリ作品と思えば物足りなく、他の映画と思えばそれなりに
合格点の面白さかな。
子供が観て楽しいと思うタイプの映画ではなく、大人が古き
良き日を想い、楽しむような映画だと思います。
だからか、私が観た回(日曜日の夕方)に子供はゼロでした。(笑)
それが悪いとも良いとも思わない。
少なくとも私はポニョよりは面白かったし、出てくる学生達の心に
共感を覚え、恋心を応援し、父親達の友情に軽く涙した。
自分も含め、ジブリだからこうでなくっちゃと言うイメージが
有り過ぎて、ジブリ映画を固定観念で見過ぎているのでは?って
思います。
これからはもう少し、ジブリ観念を捨ててジブリ映画に接したいと
思います。
ほのぼのとした作品です。
1963年、東京オリンピックの前の年.....新しい文化を取り入れていた時代???解体が決まりそうな文化部部室の建物....カルチェラタンを守るため学生が本気で立ち向かう.....そんな時代だったのですね!
そんな関係で、たまたま知り合った海と俊の初恋の物語......恋愛が深まる中、父親が一緒だったと知ったとき......戦後の混乱期には、よくあった話とも聞きますが......でも、ハッピーエンドでよかった.....。
なんといっても主題歌の「さよならの夏 ~コクリコ坂から~」が良いですね!.....
最後にジーンと心に沁みてきます....。
舞台は、横浜ですが.....実は、盛岡という説も......。
地元の方なら、分るのかな???
素直によかった!
音楽やストーリー展開もテンポ良く、中だるみ無くすっきり観れました!
だいたいどの映画も、かったるくて眠たい場面があるのですが、コクリコは終始問題なく観れました。こんなのは久々です!
選曲も、戦後の復興期の活気が伝わるような、それでいて、夏の港や海のイメージができるような、なんとも聴き応えのあるサウンドで、心地よかったです!
全体的に、昭和初期の歴史背景や、いまでは使われない道具や言葉など小さいところは抜きにして、ストーリー自体は実にシンプルでわかりやすかったです。
ジブリ作品で、ゲド戦記や崖の上のポニョが出たときは、ジブリはこの先どうなることかと心配しましたが、なんのことない、ジブリも安泰です!これからも良い作品を期待します!
ときめかないオトナ版ジブリ。
今やジブリのアニメとなれば、なんやかやと敷居が高い^^;
出来が良くって当たり前、だから昨今では言われ放題。
その一端を作ったと言われる息子、吾朗氏の第二弾である。
高々アニメ制作会社だというのに、何だか哀れな気がする。
最近の米大手アニメ制作会社の不振続きを彷彿とさせる。
でも今作を観てまた思うのだ。吾朗氏は、どうしてそんなに
このジブリにこだわるんだろうかなと。
何を監督してもおそらく、父・駿氏は超えられない(ゴメンね)
どころか、常に父子で戦争して(汗)合わないものを合わせて、
(またその製作ドキュメンタリーをNHKでやるみたいだけど)
そういう裏騒動を、ジブリファンは果たして見たいのだろうか。
ファンが見たいのは、そこではないと思うんだけどなー。
さてこの作品、タイトルを聞いてもまるでピンと来ず、
ところが観始めてすぐ、アレ…?この話知ってるぞ。なんで?
と疑心暗鬼に。(ちゃんと情報を集めない自分が悪いんですが)
あらやだ~、1980年に「なかよし」で連載されていた、高橋千鶴の
同名漫画。あー!そっか、だから読んだ覚えがあったワケだ。
私は「りぼん」派だったので(聞いてないですよね)なかよしの方は、
友人に借りたり、ボチボチ買ったりで、熱心なファンじゃなかった。
でも高橋千鶴はけっこう有名だった。ヒット作は数多い。
ただこの話…あまり面白い話ではないんだよなぁ^^;なんというか、
出生の秘密モノ(当時流行ってたんですね~赤いシリーズとかね)
に絡んだ恋愛と学生生活を、駿氏はグ~ッと時代を過去へ戻して、
オリンピック当時に据えてしまった。懐かしいにはこの上ないが、
古くしたうえに表立った恋愛行動を排除しているため、今までの
ジブリで描かれてきた(古いんだけど、アッサリしているんだけど)
胸がキュンキュン♪するようないわゆる『ときめき』が感じられない。
吾朗氏にその腕がないのか(さっきからホントにゴメンね)果てまた
脚本自体の失敗なのか、悪くはない話なんだけど、なんか残らない…。
しつこく予告編で流されたテーマ曲、坂本九の上を向いて歩こうなど、
選曲はトビキリ♪いいのに、それがなぜそこで?と思うシーンで流れ、
心に残っていかない。。すごく残念。思いきり退いたのは、俊が海に
父親のことを告白するシーン。。エ?なんでこのシーンでそんな曲を?
と思ってしまった。すごく重要なシーンなのに、もしもこれが実写なら、
男女のクローズアップで胸が張り裂けるような告白シーンだというのに、
なぜだ…?と思った。おかしな話だけど、そこで冷めたのは確かだ。
これ、ベースが少女漫画だから、ということではないんだけど、
海が父親を慕う気持ち、自らを奮い立たせて俊に近づいていく気持ち、
海っていう子がどれだけ自分に正直でいられるか、真っ直ぐになれるか、
当時の女の子が男の子に先ん出て告白するなんざ、相当の勇気なのに、
その海本人の描き方に一貫性がないおかげで(ここが父子の違いかも)
観客は彼女の気持ちに寄り添うことができない。入っていけないのだ。
だから胸がキュンとかズシンとか、今までのジブリ版オトナのアニメ?に
感じてきたものが感じられない。俊がとる行動の裏も男の子ならではの
意地とかね、プライドとかね、すごく巧く描かれているんだけど、なんか
やっぱり一貫性がないんだよなぁ。多分これって吾朗氏、つまり監督が
描いたキャラにのめり込めてないというか、どこか他人事、オトナ目線、
父親の世界観に遠慮してるのか?理解していないのか?分からないけど、
どうもそんな気がしてならないのだ。本当に自分が描きたいものが描けて、
表現できていなければ、おそらく、キャラクターが活きてくるはずはない。
今作でもチラリ語られるけど、戦争が奪ったもの。遺したもの。
二つの恩恵が見事に融和しているのが横浜、古いものと、新しいもの。
会社が古くなれば、体質も古くなり、考え方は固まり、右向け右になる。
海や俊がそうしたように、吾朗氏は確かめながら(未だ監視されながら)
ジブリでこれからも戦争を繰り広げていくのか(それもいいとは思うけれど)
まだまだ迷いの多い思春期のような青年が描いた、それでも胸がキュンと
ならない(爆)不思議な作品だった。アリエッティなら、どう決断しただろう。
(潔い決断はそれが間違いでも気持ちの良いもの。一度やってみたら^^;)
子どもに見せる映画じゃないね
子どもに見せる映画じゃありません。
大人は、少し考えながら見ることが出来ますので、それなりに楽しみました。宮崎吾朗作品だからといって、否定する気もありません。
予定調和的すぎる感じがあり、可はなく、不可があるといった程度です。
詳しくは、以下に書きます。
子どもに見せる映画じゃありません。
何人もの人が指摘していますが、大人がいろいろ考える映画であり、
子どもにとっては、何が何だか分からない映画。
映画を見終わって「おもしろかったね」という子どもがいたら、
それは内容にまったく興味を持っていないか、親に対する気遣いが出来るかどちらかでしょう。
大人だって、少なくとも50代以上の人じゃないと、すっと感情移入できないのではないでしょうか。いかにもノスタルジックな、あざとすぎるとも言える1960年代演出満載ですし。
子どもが見る映画でないのなら、他の人も指摘していましたが、もう少し時間を長く使った方が良かったのではないでしょうか。
作品の中で説明しすぎるのも野暮ですが、登場人物のキャラクターも背景もまったく分からないし、カルチェラタンもあの学校のステイタスも分かりません。何のために出てきたのか分からない登場人物も、話を都合よく転がす一点のための、取って付けたような登場人物が多かったように思います。
「行間を読め」と言われても、無理です。伏線になるような描き込みはなかったように思います。
話の中心となるところ…主人公2人が、なぜお互いに恋心を持ったの?
恋の始まりは、それは些細なことです。女主人公の心境はまだ分かるような気もする(映像としては、旗を揚げるときに重なる、少年の飛び込み姿)けど、男主人公の気持ちは分かりません。旗を上げているだけで好きになれるのかしら(旗を揚げているのが彼女だと言うことを知っていたのかも分からん)?
あらためて、子どもに見せる映画じゃありません。
主人公2人の恋愛が、自分達が実は「兄妹」って頓挫しかけて、
それでも「好きだ」などと告白しあったりして…。
あわや近親相愛ではないでしょうか(近親相姦でないにしても)。
それを肯定してしまう話の流れには、少し抵抗があります。
でも実は、戸籍上「兄妹」なだけで、血は繋がっていないんだ、よかった!
…なんて、作品中の男主人公の言葉を借りれば、やはり安っぽい「メロドラマ」。
三度、子どもに見せる映画じゃありません。
ジブリ作品には、いつも反権力的な匂い、「運動」的な匂いがする。
権力に盲従しなさいとは言いませんが、反権力的なことがどれも素敵だなどとは思いません。
(カルチェラタンの取り壊しの反対運動にしても、学生は学校という権力に反抗するものの、押し切られて、強権的に取り壊しが決定する。でもその決定を覆らせるのに、最後に頼るのは学校側から見た権力である理事長だったりするのは、少し可笑しかったが)
ジブリ作品は子ども向けから、大人向けになったということでしょう。
ワゴンセール
この作品を見終わったときの率直な感想は、「普通」でした。映画の全体的な完成度として小さくまとまった、置きにいった作品であることは否めません。
いわゆるジブリ映画としてはいままでのものとは違ったものかもしれません(近いとすればおもひでぽろぽろ)。しかいこの手の映画はいままで腐るほど見てきました。いかにもありきたりな展開で、この作品をアニメ的な演出でやる意味はあるのだろうかと疑問を持ちました。
だからといってこの映画が欠陥品、不良品であるかといえばそうではないと思います。映画としてのボリューム感の不足、キャラクターの個性の薄さなど腐したくなる点は多々ありますが、全体を通してみると形にはなっているかと思います。だからこそセール品という表現がぴったり当てはまるのです。
小さいお子様には退屈かも?
夏休み期間ということで、小さいお子様連れの方もいましたが「こんな小さい子が観てもわかんないだろうな~」と思いました。
他の方も仰っているように、これは大人向けの作品だなぁと感じました。1960年代を生きてきた方々にはより楽しめるんじゃないかと。
ストーリーは単純ですなのですが、説明不足な箇所があり、意味がわからないままに話が展開していくのが不満でした。
カルチェラタンとはそもそもどういう建物で、その名前の由来は何なのか?
(昔は寮として使われていた?)
なぜ海は「メル」と呼ばれているのか?
海の母親はなぜアメリカに行っていたのか?(←もしかしたら作中に説明があったのかもしれませんが)
他にも挙げればキリがないのですが…。
でもカルチェラタンの雰囲気は好きです。
男性キャラはヒーロー役の俊より、水沼のほうに魅力を感じました(これはまぁ個人的な好みの問題なので)。
風間俊介が思った以上に良かったです。
近年のジブリ作品は、イマイチなものが多かったのですが、これは久々に良かったんじゃないかなと思います。
少なくともポニョよりは上です。
大人の女性好みに味付けされた昭和の距離感
監督がかの世紀の凡作『ゲド戦記』を世に放ちやがった宮崎吾郎だけに、期待より不安の方が遥かに上回っていたが、逆にハードルが低過ぎて、面白く感じた。
まぁ、ゲド戦記と比較したら、そりゃぁ何だってオモロいハズだが…。
全体の印象は、本格的に声優初挑戦した長澤まさみの演技は違和感が薄く、むしろ先輩の岡田准一より相当ウマいなぁぐらいしか無い。。
その程度のクオリティである。
昭和30年代の日本文化をノスタルジックに引き出し、賛美するスタンスは『三丁目の夕日』以上に露骨で、懐かしさを狙う了見が鼻について仕方がなかった。
清純な両者の若々しさを重点化した展開は、吉永小百合&浜田光夫が得意とした日活青春映画そのもので新鮮味が皆無。
わざわざ現在に、アニメ化する必要性に疑問視が拭えない。
第一、ガキの客共に舟木一夫や当たり前田のクラッカーとか懐かしフレーズをブツケたところで、作り手側は何をどうリアクションを求めているのであろうか?
不親切なサービスであり、意図が不明やから、その時代の魅力なぞ、伝わってきやしない。
集会シーンetc.で、「どいつもこいつも理屈っぽい学生どもやな〜〜ウザいわぁ〜〜」と、各キャラの厚かましさに引くばかりだった。
その割に1人1人の個性は極端に薄っぺらい。
要するに、一貫してストーリーの核が見えぬままなのは、致命的である。
恋なのか、学生闘争なのか、家族愛なのか、時代背景なのか、レンズの焦点が定まっておらず、《大人VS学生》の対立構造がボヤけ、盛り上がりが欠落している。
本来、中心である恋も朝鮮戦争がもたらした複雑な人間関係の延長上に過ぎない。
しかも、どのエピソードも唐突でオチなんざあった試しがないから性分がワルい。
主人公達が、何をそこまで熱く駆り立てているのか引っ掛かりが見つからないの当然やと思う。
まあ、『海がきこえる』とか『おもいでぽろぽろ』etc.ノスタルジックを売りにしたジブリアニメを好む人には評価が高い作品ではなかろうか。
すなわち大人の女性向けの世界観である。
《結論》
よって、男とガキはリアクションに困る。
では、最後に短歌を一首
『恋宿す 旗をくすぐる 潮風に 背伸びする坂 船出追ふ夏』
by全竜
そこに生きた人の記憶
拙ブログより抜粋で。
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監督の前作『ゲド戦記』の評で、「宮崎吾朗監督の次回作があるなら、もっと身の丈にあった題材で勝負すべき」と書いたのだが、まさにそれを成し遂げたと言っていいだろう。ジブリお得意のファンタジー要素を排したリアル路線の本作は、とても同じ監督の作品とは思えないくらいずいぶんと好印象を残す快作だった。
いや、正確に言うと『ゲド戦記』同様、限りなくダメダメなんだが、非常に危ういところの奇跡的なバランスでいい方に転がったという気がしないでもないのだが。
映画が始まって早々、海が朝食の用意を始めるシーンで、彼女の動きが硬いなと感じた。しかしそれは、物怖じせず、はきはきものを言うこの時代の少女像を反映してのことと気づき始める。
やたら背筋の伸びた俊や水沼たちも同様で、その姿勢のいいキャラクター造型になんとなく違和感を感じつつも、それらは往年の学園ドラマを思い出させ、そういう狙いなんだろうと納得した。
しかし理屈では理解しても、時代背景相応の懐かしさは、正直筆者には響いてこない。
淡泊な演出ゆえの監督の狙い通りなのか計りかねるのだが、マッチで火を点けるガスコンロにせよ、手回しで洗濯物を絞る洗濯機にせよ、一枚一枚手刷りするガリ版印刷にせよ、それら時代を反映させた小物や情景を知らない自分でもないのだが、どうもさらりと流してしまって琴線に触れてこない。
内面的な恋心にしても、海の心のひだは丁寧に拾われている一方で俊の側はおざなりで、彼の恋心はまるで伝わってこない。
また学生仲間は比較的印象に残るが、コクリコ荘の同居人は影が薄い。特に海の祖母・花(声:竹下景子)や弟・陸(声:小林翼)の存在が後半ほとんど忘れ去られてしまっているのが気になる。
キャラクターの描き込みが中途半端なのは監督の未熟さゆえだろう。そもそも表情に仏教面かニコニコ笑顔ぐらいしかほとんどバリエーションがない。
この欠点を如実に表しているのが、海が自身と俊との逆らいようのない関係を知った重要なシーン。複雑な心境を真っ正面から描くことを避け、雨の中のロングの絵と説明ゼリフに逃げてしまったように思う。
とまあ、作品をダメに思う点を挙げればあれこれ枚挙にいとまがないのだが、それはそれとして、最初に書いたよう案外心象が悪くないのは、主にカルチェラタン取り壊しにまつわるエピソードの描き方がかなりノリノリで、魔窟という表現がぴったりのカルチェラタンの造型を含め、見ていて楽しいから。
異国情緒漂う横浜をイメージしたジャズ・ピアノなどのBGMやストレートに時代を感じさせる昭和歌謡の挿入歌にもかなり助けられていると思う。
『ゲド戦記』では鼻についた言いたいことをそのままセリフにしてしまう悪い癖も、ここでは文字通り“青年の主張”としてシーン設定されているので嫌みがない。
曰く「古いものを壊すことは、過去の記憶を捨てることと同じじゃないのか!?人が生きて死んでいった記憶をないがしろにするということじゃないのか!?新しいものばかりに飛びついて、歴史を顧みない君たちに未来などあるか!!」
俊の口を借りて突きつけられたこの主張こそ、監督の言いたいこの作品のメインテーマだろう。
物語の冒頭、信号旗を揚げる海。
序盤での海と祖母との会話から、てっきりこの映画は彼女が信号旗を揚げなくなって終わるのだと思っていた。それが少女の成長の証となって。
しかし実際の結末は違う。最後もやはり海は信号旗を揚げる。物語の構成上それは、振り出しに戻った結末と言っていい。
おそらく海の内面は成長しているだろう。でも表面的には変わらない。
実はこの繰り返しの構図こそが、この作品の肝だった。
人生に関わるほど辛い現実を知った日の次の朝も、海はいつもと変わらず段取りよく皆の朝食を作った。
昨日と変わらぬ今日、おそらく明日も変わらない。
「今まで通り」その言葉が海に重くのしかかる。
その閉塞感の一方で、古くなったカルチェラタンの取り壊しには反対する。変わらないことを肯定する。
歴史があるから。文化があるから。そこに生きた人の記憶があるから。
丹念に描かれた歴史描写にはピンと来なかった筆者だが、大した事件の起こらぬこの映画の結末には爽やかな感動を覚えた。
閉塞感を感じるほど変わり映えしない毎日に対する明快な答えがそこにはあった。
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全文は『未完の映画評』にて。
ジブリとゴロー
ゴロー映画第二段です。
親子合作映画って部分が「純粋に物語、映画として正統に評価して観よう」って心構えにさせるのが、なかなか難しいかもしれないスね。
どうしたって、駿と吾朗、親父と息子の対比、競作、戦い、そっちの向きで、色眼鏡で観てしまうというか。
観客側の心持ちも、何と言うか、少し斜に構え、期待しつつ、軽く小馬鹿(?)にもしながら、的な?部分は少なからずは在ったハズで(なかったらゴメンなさい)。
自分としても、心持ちはまさしく“ソレ”。
野次馬的ノリ、ダメなら大いに叩いてやろう、でもフットワークは軽く…みたいな?
まあ、そんな気分で鑑賞してきました。
んで、鑑賞後に思ったのは「少し俺の考えが下世話だったかなー」という反省…。
そういうの抜きにして、良かったですわ。うん。
冒頭こそ、アニメアニメした雰囲気と描写に、このCG全盛3D全盛のご時世に直球過ぎないか?と思いはしたものの…
次々現れる舞台、風景、情景、建物の美しさや色使いの妙味。
集団でよく動き回るキャラクター。その豊かな表情、泣き笑い、アニメ特有の遊びゴコロ。イキイキしてるし、好評価!
んー。だからこそ、些細なツマラナイ部分が気になった、てものあって。
個人的に、ヒロイン海に思い入れというか、あまり魅力を感じなかったのに端を発し、何故に『彼女が中心に据えられた展開で物語が進む』のか、その理由付けと根拠が足らない気がした(主役だからでしょうが)し、それに付随してガリやらカルチェラタンやら唐突に観客側には不明な単語連発してきたり(しっかり後で分かるんですけど)…その他、途中、ん?おや?と思う部分が多々あって。
瑣末なことなんですけどね。
親父さんの脚本がそうなのか、ゴローの行間読みが弱いのかは分からないです。自分の読解力が足りないってのもあるでしょう。
ま。
そこ差っ引いても、鑑賞後の爽快感はなかなかのモノでした。
物語自体もオーソドックスな恋模様が甘酸っぱく、自分の好物だったし。
後半、少しウルッと来ちゃったりなんかして。
これからは、ゴローさんに対する色眼鏡を外すことにします。
宮崎駿の時代は終わり?
最近の宮崎駿監督作品は、映画としての体をなしてないものが多くがっかりしていたが、彼以外の作品に光明が見えてきた気がする。
雰囲気としては「思ひ出ぽろぽろ」に近いだろうか。
日常を丁寧に描くスタイルはほっこりしていい感じです。
無理にファンタジー感を捻り出さなくても、学生運動の時代そのものがファンタジーだと思うので、全然問題なし。むしろ無理やり作る必要なんてないんだなということを思い出させてくれた作品でもあった。
何を見れば良いのか・・・
カルチェラタンの問題と、恋愛の話、どちらも中途半端な感じがしました。
あっさりと解決してしまった印象。
結果、「安っぽいメロドラマ」になってしまったような。
もっとどちらかに重心を置いてくれれば入り込めたかも知れいないなと思います。
特に、カルチェラタンの雰囲気や、学生たちの生き生きとしたキャラクターなんかは好きでした。
見どころがわからないまま終わってしまった感じです。
時代背景をもっと理解していれば、違った見方ができたのかな。
ジブリのくせに楽しめた
子供が観ても・・・何も感じないかも・・・。
そういう意味で夏休みのジブリ作品としては失敗するかも。
・・・今後のことを考えても痛いのかも。
でも、大人ならみんな観て欲しい。
ジブリじゃなけりゃ観る価値ないシナリオ。
それが、ジブリだから映える。
ある種ジブリの無駄遣い。
このまま海外展開して欲しい。
下手な作品より受ける気がします。
なんとなく展開が読めるから、予定調和を感じて
シナリオはいつものジブリらしく子供騙しでシラケてるけど、
丁寧な描写が惹きこませる。
ポニョ、アリエッティは最低だと思うけど
これは素直に面白かった。
コケれば続けられないだろうけど、
この路線はまた観たい。
控え目ながらジブリなアクションも混ざっていて
ドキドキもできました。
ただ、メルくらいちゃんと説明してくれないと・・・
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