「此処に、また"名作"が誕生しました。」コクリコ坂から mrlanlanさんの映画レビュー(感想・評価)
此処に、また"名作"が誕生しました。
この映画を見る直前、映画館に置いてあったこの映画の紹介チラシがありました。
表には、クレヨンで描いたような青を基調とした綺麗な映画イメージ絵。(上記の絵です^_^)
そして裏には、宮崎駿さんの「企画のための覚書」と題された言葉がありました。
そこには、今回製作に至った経緯などが記されていました。
読み進めていると、
そこに"真摯"という言葉があり、何故だかとても印象に残ったまま、
ちょうど場内の明かりが消え、映画が始まりました。
映画を観始め、主人公の女の子"海"
(呼び名は"うみ"、映画中では"メル"とも呼ばれています。フランス語でMER,海という意味)
が登場した時から、映画が終わるまで、
この"真摯"という潔く凛々しい言葉が、終始、僕の心に刻まれていました。
時代は1963年、東京オリンピックの前の年、
東京タワーは既に立ち聳(そび)えていますが、通路は舗装されてはおらず、
土煙が舞い、ファッションは原色ばかりで地味な感じです。
ですが、主人公のみならずその多くの登場人物達の、
その立ち居振る舞いと、心意気、情熱、礼儀、想い、そして言葉は、
"真摯"に溢れていました。
そう、何もかもが本気で、それぞれが強く、強い信念を持ち合わせていました。
そして私が感じたのは、この映画の中には、今の日本には無い大事なモノコトがあり、
僕らの細胞・遺伝子に刻まれている この大事を呼び起こしてくれる鍵となってくれると感じさせてくれました。
この作品のみならず、過去のジブリ作品にも感じる想いであり、
このような作品が、これから先も映画という遺産として、後世に受け継がれ残されていく事は非常に嬉しいです。
創り上げてくださったスタッフの皆様方に、厚く感謝致します。
ありがとうございました。