「ジブリスタッフはすごい。宮崎吾朗はアニメーション向いてない。」コクリコ坂から つるさんの映画レビュー(感想・評価)
ジブリスタッフはすごい。宮崎吾朗はアニメーション向いてない。
映画評論より抜粋↓
『宮崎吾朗監督は坂のある街の高低差を生かし、テンポで見せる。恋の駆け引きからは機微を一切捨象し、時代感覚を際立たせるが、アニメーションならではの快楽への昇華には到らない。』
正にこの通りだと思いました。
テンポの速いカッティングは、60〜70年代の映画やドラマ等で見られたやたらテンポの速い会話劇をそのまま再現したかったのではないかと、自分は解釈しました。
それならそれで貫いて欲しかったです。そのテンポは最後までは続きませんでした。
ただ、セリフ回しはかなりまっすぐで、逆に新鮮な感じがしました。これは成功だと思います。きっと賛否が割れるとは思いますが、自分は良い方で捉えてます。
これらのどれをだれがディレクションしたのかわかりませんが、率直に芝居、演技はうまいのに、演出はへたくそで安っぽいと思いました。要所要所で切り取ってみるとめっちゃウマいです。声も作画も。さすがジブリです。
「電話をかける」「キャベツを切る」「壁に漆喰を塗る」全部ウマいです。
長澤まさみさんもすごい良かったです。声ぴったりですね。
でも演出が。。うーん。。っていうシーンがいくつもありました。言葉にするのは難しいのですが、このタイミングでこれがくる。みたいなのが、もっと良くできるんじゃないのかって何度も思えました。
また、主人公『海』のあだ名『メル』について、作中では何も言及されませんが、ドイツ語だかイタリア語だかで海(英語でマリン)をメルって発音するんですよね。海軍でしたっけ?だから自分は海=メルって呼ばれていることにすぐ気づいたのですが、説明ないのでわからない人にはわからないようになってます。不親切ですね。
他に特筆して良かったと思えた部分は、カルチェラタンのデザインでした。
内装というか、構造(総じてデザイン)が素晴らしいです。あれをデザインしたのは誰でしょうね。あの読みにくいエンドロールからは全くわかりませんでしたが。
カメラワークもあの建物を活かす見せ方をしていて、カルチェラタンはジブリの『湯屋』『ハウルの城』に次ぐ素敵建築物でした。
ただ、結局壊すのかよ。。それでいいのかよ。。