「ご飯を炊きたくなる。」大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
ご飯を炊きたくなる。
予告の彩りにつられて^^;新しいコメディかと思って観たが、
なんて言えばいいんだろう…味わったことのない作品だった。
まぁ地獄をタイトルにしていること自体、ヘン!でしょう?
そこを真っ当にあるもんだとして(そう決めて)展開されます。
だから観る方も、ナニこれ?おかしいんじゃない?と思えば
最後までナンなんじゃ、これは。で終わるし、コレもありか?
という目で観てみると、ほほ~う、けっこう深かったりもする。
天国地獄があるのかなんて行ったことないから分からないけど、
人間の生死は全てに関係することでもある。そう思うとこれは
単なる寓話、コメディ、という枠ではないのか?と思えたり^^;
同棲生活が長く、済し崩し的にまんま結婚してしまった大木家。
段ボール丸出しで炊飯ジャーがない、どうすんのよ?晩ご飯、と
言っている二人からしてすでに倦怠期なのが分かる^^;何だか、、
だけど仲が悪いワケでもないんだよね…ちゃんとご飯作ってるし
ちゃんと二人で寝てるし^^;ただお互いに分かっちゃってる部分が
多くなると、ついつい無神経なセリフやテキトーな言い逃れなどが
しょっちゅう出てきて、思いやりを見失ってしまうのも確かだ。
今までは相手のジャーで我慢してたけど、やっぱり自分のジャー
で炊いた方が美味しいの!なんて、数回じゃ分からないもんね^^;
摩訶不思議な話なのに、どこかうんうんvと思わせる箇所が多し。
ジャーに続いて、家に蝶が舞いこみ、スーパーで地獄にまつわる
食材やら占いやら、ついには地獄旅行を売り込まれた二人。
樹林とはいりにのせられて?行ってみることにする。そして…。
ここから先は地獄の世界なので^^;まぁとりとめもなく展開する。
赤い人と青い人(赤鬼と青鬼だよね)の分類や、いいじま屋の実態、
ヨシコと二人の弟、一泊?の予定らしいがずいぶん長く感じる。
採石場なんて出てきたときには仮面ライダーが出てくるだろ!?と
思ってたらでんでんライダー^^;だった。あ、あまり言っちゃダメね。
食事に出てくる甘エビ(じゃないらしい)など、下らないネタが続き、
このまま終わるのかな…なんて思っていたんだけど…。
ラストには意外な展開が待ち受ける。
ジャーを盗んだ?濡れた男の正体、そしていいじまの悲しい秘密…
なぜ大木家の二人は地獄に呼ばれたんだろう?の意味が分かる。
どうせ人生なるようにしかならないと思っていても、些細なきっかけで、
相手の優しさが身にしみたり、意外な一面を発見したり。
案外そういうのって日常から離れて、旅行などで明かされたりする^^;
巧く描いてんなー、この~と思えた。
最初から最後までおかしな物語だが、なぜか後味はスッキリ清々しい。
思えば主演の二人、かなりの歳の差のはずなんだけど?感じなかった。
竹野内くん、けっこう子供好きな感じ。水川も可愛い。
(まぁこれだけおかしな面々が出ていれば^^;とくに良々が冴えわたる~)