もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら : インタビュー

2011年5月30日更新
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瀬戸康史、ドラッカーの「マネジメント」に触発され更なる境地へ

いつの時代であっても眉目麗しい若手俳優の注目度は高く、その主戦場では次から次へと新人が登場しては消え──が繰り返されている。そんな激戦区のなか頭角を現し、着実にステップをふんでいるのが瀬戸康史だ。今年3月には主演作「ランウェイ☆ビート」が封切られ、NHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」にも出演。新作の青春映画「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』をよんだら」(通称:「もしドラ」)では、野球部のエース・浅野慶一郎を演じている。「人間としても役者としても演じがいのある役だった」と話す瀬戸に、話を聞いた。(取材・文:新谷里映、写真:堀弥生)

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原作は2009年に発売されて以来、累計発行部数250万部を突破している同名ベストセラー小説。ヒロインの女子高生・川島みなみが、経営学の父と言われるドラッカーの名著「マネジメント」に出合い、弱小野球部を甲子園出場へと導いく物語だ。そこには新しい発見が詰まっていたと瀬戸は語る。

「僕はふだん、マネジメントされている側じゃないですか? なので、『マネジメントって何なんだ?』という疑問を抱きながら原作本を読んだ。みなみはボロボロだった程久保高校野球部を見捨てずにマーケティングし、部員の悩みを聞き、そのリサーチ結果を生かして人(チーム)を動かしていく。そういう力ってすごいなと思いましたね。今、『D☆DATE』というユニットでアーティスト活動もしているので、チームで何かをやっている人にとってものすごくためになるなとも。マネージャー・みなみの行動力、影響力は本当に素晴らしい。ただ、男からするとちょっと負けた気もして(苦笑)。どちらかと言えば支配したい……。けど、裏では支配されるのもいいのかな(笑)」

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今回はチームの大黒柱・エースという役どころ。学生時代はサッカー少年だった瀬戸にとって、野球のどんなところに興味を抱き、ピッチャーとしての役づくりをするうえで、どのような準備をしたのだろうか。

「クランクイン前も撮影中も、かなり練習を積みました。『D☆DATE』のメンバーやマネージャーが野球経験者だったので、いろいろと教えてもらったりして。この役を通じて感じた野球の面白さは、将棋のように頭脳を使うスポーツだということ。サッカーにも作戦はあるけれど、野球にはそれとは違う、チーム全体で頭を使うというか。でも、バッティングは苦手でなかなか上達しなかった(苦笑)」。

少し悔しそうな表情を浮かべ、“やる気のない野球部のエース”慶一郎役は、どこか自分と共通する部分もあり、コミュニケーションの大切さを学んだと明かす。

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