「古傷が開いて出血多量で死にそうです。」ブルーバレンタイン さぽしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
古傷が開いて出血多量で死にそうです。
クリックして本文を読む
女は、成長していく愛が欲しかった。
男は、永遠に変わらない愛を求めた。
夫ディーン(ライアン・ゴズリング)は朝からお酒を飲んで仕事に行くタイプ、妻シンディ(ミシェル・ウィリアムズ)は必死に勉強して看護師の資格をとったりするキャリア志向。この夫婦の出会いから、破局までを描いています。
ほんと、愛が冷え切る瞬間が、リアルに描かれてますよ。
例えば、夫婦仲をどうにか修復しようと、「小さな娘を義父に預けて夫婦でラブホへ(取り敢えずエッチという発想が、既に駄目なんでしょうね)」という計画を、ディーンがたてます。
でも、ディーンがその気になってる時の、シンディが固く、固く、固く、握る拳の図。うわー。ちょとここ、怖すぎて吐きそうになりました。温度差、私も本気で気を付けたいです!
また、出会った頃のラブラブ状態と、現在の冷え切った夫婦仲が交差する構成で、なんとも言えない息苦しさです。ディーンが弾くウクレレでシンディが踊る神シーンの後に、現在の刺々しい関係がドーン!あのー、かなり、ダメージ受けるんですけど。夫婦喧嘩のシーンなんか、双方の気持ちが分かるだけに、鳩尾が痛くなりました。
もうね、駄目な時って、どんどん駄目な方向に加速して行くんですよねー。分かります。
ラスト、花火の下を去って行くディーンの背中を追う、幼い娘。弱った男が好きという性癖がある私としては、あのままディーンを行かせることができないかもなーと思ったりしました。てか、いくら頭が後退した駄目男でも、ライアン・ゴズリングですもの。追います(笑)
本作は古傷が疼くどころか、全開となります。
今、私、出血多量で死にそうです。
コメントする