イリュージョニストのレビュー・感想・評価
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そして少女は大人の階段を上り、魔法使いは去った
チャップリンの名作「ライムライト」を思わせる。
うだつの上がらない初老の男と貧しい少女。
2人の心温まる交流。
そして悲しい別れ。
それらが、温もり豊かな手書きアニメの中に綴られる。
シルヴァン・ショメの前作「ベルヴィル・ランデブー」同様、セリフが驚くほど少ないが、一つ一つの細かい仕草や表情で、全ての感情が伝わって来る。
ジャック・タチが娘の為に遺した脚本の映画化。
娘への気持ちや思いがじんわり心に染み入る、珠玉の作品。
男性の立ち位置か?女性の立ち位置か?
若いか?年を重ねてるか?
男性か?女性か?
子供好きか?嫌いか?
‥‥‥どの目線か?で‥
かなり☆評も変わると思うな(^-^)v?
現代の足長おぢさんで有り‥
現代のチャップリンで有り‥
2011〜12アカデミーを戴冠した●アーティスト‥をも思わせる‥o(^o^)o
このエンディングは無しだけど‥
俺好みでは決して無いけど‥
‥きちんと成立してるから‥何とも言えない~ヽ('ー`)ノ~
☆評は‥
DVD\80水準にて‥(^-^)
DVD買う度⇒④★★★★
モ、1回見たい度⇒②☆☆
オススメ度⇒③♪♪♪
デートで見る度⇒②◎◎
観る相方o(^o^)o】女子とも大丈夫♪
観た後のお店】ジビエやアイリッシュパブ
観た後の食べ物】ブレゼドラパン
俺好みでは無いが‥
これは素晴らしい└|∵|┐♪┌|∵|┘
無声映画の到達点
文句なしに素晴らしい映画だ。基本的に登場人物が台詞を話すことはあまりなく、チャップリンなどに代表される無声映画のようである。主演のマジシャン、アリスはもちろん脇役にまで丁寧にスポットライトを当てていて、かつアリスに夢を与え続けようとするマジシャンの苦しい現実の対比が鮮明に描き出される。表舞台では喜劇的なキャラクター達の末路は哀愁に満ちあふれていて、胸が苦しくなるほどだ。'50年代のスコットランドの風景も正確に描き出していてアニメーションなのに景色がものすごく美しい。
80分と短い映画だが、そこには喜劇と悲劇がこれでもかと詰まっている。無声映画の良さを改めて思い知らされた。
(11年4月17日)
魔法使いはいない
フランスのアニメーション。
派手さはないけどきれいな作画は、初期ジブリ作品を彷彿とさせます。
そしてセリフはほとんどなく、老手品師タチシェフの視点で見るか、彼に魅せられた少女アリスの視点で見るか…
感想は千差万別になりそうです。
人生とは取捨選択の連続。
そして偶然の積み重ねでできているのだな。
そんな中、交錯する運命。
そして、通り過ぎてゆく。
Life is go on…
いつしか魔法はとけるし、夢の中にはいられない。
味わい深い大人な作品です。
アリスの純真無垢ゆえの残酷さに腹がたってしまったわたしは子どもかもしれません^^;
人生は魔法じゃない。
柔らかい筆致のアニメ故に感じる暖かさと、だからこそ実写以上に感じる人生の機微や辛辣さのギャップ…これがたまらなく、ほろ苦い。
余韻は、ひたすらビターです。
主人公は初老の男タチシェフ。
彼は一介の手品師。魔術師じゃない。
けれども、目の前に熱烈なファンが魔法を叶えて欲しいと願えば、それを叶えずには居られない。
でも、魔法じゃない。
魔法が解けた時、夢は終わる。
そして…再び…現実は流転する…。
タチシェフを慕うヒロイン、アリス。
一見して、彼女は我侭でビッチな印象を受けるけど、それは全然違うんですよね。
タチシェフが彼女に娘と像を重ね合わせ、受け入れた時点で、その悲劇?は始まっていたんだから。
付いて来た彼女を田舎に送り帰すべきだったのに。
あぁ~、切ない。
それにしても、あんなに美しく暖かく流麗なアニメーション、上品にCGまで駆使してて、なのに、こんなほろ苦いストーリーやられると、非常に観ていて胸が掻き毟られますよ。
アカデミー賞ノミネートも伊達じゃなかったんですね。
ディズニーやピクサーみたいに、夢や希望ばかりをやたら喧伝するアニメ(これはこれで好物)の多い中で、とても貴重な一本だったと思います。
観て大正解でした。
昔のチャップリンの無声映画のような趣もある。
日本ではチャップリンほど有名ではありませんが、フランスの喜劇役者であり映画監督のジャック・タチ氏が映画化を企画していたものの日の目を見なかった脚本をタチの娘から託されたフランスのアニメーション作家シルヴァン・ショメ氏がアニメ作品として映画化したのが今作品です。
主人公の老手品師自体が喜劇役者のタチ氏をモデルにしているとか、タチ氏に心酔するショメ監督につくられた今作には、タチ氏の映画へのオマージュが散りばめられているそうです。
脚本ではチェコのプラハだった舞台をショメ監督の思い入れのあるスコットランドのエジンバラに置き換えて、実際の風景や建物などを水彩画タッチの美しい背景として描いています。
1950年代、パリの劇場で仕事をしていたフランスの初老の手品師は、ロックグループなどの人気に押され働き場を失い、イギリスの片田舎に流れ着く。
バーで酔い客相手に手品を見せる彼は、そこで働く貧しい少女に慕われて、娘のように面倒を見る。少女にとって彼は、なんでも手に入る魔法使いのようにみえたが…。
日本のアニメとはちがいロングショットで見せて、画面の隅では、関係ない人たちの動きまで描かれる。
フランス語と英語、言葉が通じない設定なので会話が少なく、人物の動きだけで表現されてて、昔のチャップリンの無声映画のような趣もある。
ロングショットのため人物の背景では、パリやロンドン、スコットランドの片田舎などの風景が水彩画タッチで描かれていて、いい味出している。影や光のあたり具合など細かい描写もされていた。
手品のタネになってた大きなウサギも名脇役としてストーリーにうまく絡んでいた。
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