「衝撃のラスト。これはただのドラマではない」アレクサンドリア りょうさんの映画レビュー(感想・評価)
衝撃のラスト。これはただのドラマではない
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史実をもとに、よくもまぁここまでの脚本を書けたなぁと感心せざるを得ない。
豪華なセットも完璧。
奴隷の目線も含めた、当時の宗教での殺し合いと、ある女性の生きざまを描いている。
他の神を、もしくは哲学を信じることは、それだけで死に値するのか。
神の名のもとに意味もなく殺しあう姿は、自分と他者はちがう、この神とその神は違う、という排他的な理由だけで、もはや野蛮人にしか見えなかった。
こうやって、多くの命も、歴史的価値のある本などが消えていったのだろう。
人の手によって。
素晴らしいアレクサンドリア図書館の破壊のシーンはおもわず涙が出た。
相手を変えて、終わることのない戦いの中、違うものを信じる者として、それでも一人の女性を愛する元奴隷の姿、人を愛する描写がすばらしかった。
叶うことのないだろう彼の愛を、いつの間にか応援している自分がいた。
3人の生徒たちの一長一短。最後まで彼女の愛をつらぬきとおしたのは・・・
まるで愛し合っているかのように抱き合う2人の後姿。
ラストがもう素晴らしい。
激動の時代に、愛する人を守ることができなかった。
去っていく彼はどこへ向かうのか。
愛する人を殺した神を彼はその以後、信じたのだろうか。
自らの命を絶つしかなかったかもしれない。
・・・とまで想像させる作りこみが素晴らしい。
この監督の他の作品を見たいと思った。
減点法の評価である自分に、この映画では減点すべきところが無かったので、
5とさせてもらった。
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