劇場公開日 2011年3月5日

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「【キリスト教が多神教を含め、”異教”を制圧していく様を、天動説と地動説の論考も含め描き出したローマ帝国時代の歴史大作。】」アレクサンドリア NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【キリスト教が多神教を含め、”異教”を制圧していく様を、天動説と地動説の論考も含め描き出したローマ帝国時代の歴史大作。】

2020年5月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

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■今作で、堪能したい所
 1.映画のスケール感の壮大さ
 ・リドリー・スコット監督か?と思った程の、西暦4世紀の人々(奴隷含む)の衣装、武具を含めた装飾品の数々。特に、アレクサンドリア図書館の内部の装飾の美しさには驚く。

 2.キリスト教徒たちの描き方
 ・多神教徒、及び後半はユダヤ教徒をも殺戮する姿。キリスト教は”他者に対して、寛容な宗教ではなかったか?
 キュリロスを筆頭に、キリスト教徒達の服装が基調が”黒”である部分も、当時の彼らの狂気性を漂わせている。
ーあれでは、現代の過激な一部の宗教を盲目的に信じ、他教徒を殺戮する人々と何ら変わらない・・。ー

 3.美しき哲学者で天文学に日々深い考察を続けるヒュパティア(レイチェル・ワイズ)を慕う人々の姿。
 ・ダオス(マックス・ミンゲラ) 奴隷という身分だが、ヒュパティアは”奴隷”扱いせず、彼も思慕を募らせていく姿。後にキリスト教に改宗していく苦悩する姿も見応えがある。
ー誰が、最後までヒュパティアの身を案じ、想い続けたのか・・・。-

 ・オレステス(オスカー・アイザック) 同じく、ヒュパティアに師事するが・・”君はさあ、長官にまで、出世したんだから、愛する女をキチンと守れよ!”と心中、激しく突っ込みながら鑑賞。
ーそれにしても、”平たい顔族”から見ると、オスカー・アイザックはこういう役があっているなあ・・。髭、濃いなあ・・。-

 ・テオン アレクサンドリア図書館長でヒュパティアの父だが、キリスト教徒に襲撃、簒奪され負傷。亡くなるシーンは描かれないが、歴史に翻弄される学者を好演。

■ヒュパティアの最期
 ・ちょっとなあ・・。史実なんだけれども・・。切ないなあ。
  テロップが出た時には、”美しき、レイチェル・ワイズに何してくれんだ!”と毒づいてしまった・・。

<アリストテレス、プトレマイオス、”回転円”、”楕円軌道”・・・。きちんと、ローマ帝国史(と、少しだけ天文学)を勉強しておいて良かった・・。大変面白かった作品。作品自体のスケール感の大きさに、お腹一杯である。
 けれども、鑑賞後は可成り、寂しい・・。
 ”宗教って何だろう。”という事を考えてしまう作品でもある。>

NOBU