劇場公開日 2011年2月5日

  • 予告編を見る

「教育とは」平成ジレンマ shinさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0教育とは

2020年8月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

教育に体罰は「時には」必要だと思う。そして相手にもよる。

別にエリート進学校の小中学生に言うことを聞かないからと言って暴力を振るう必要はないと思うけれど、言うことを聞かないワンパク坊主には、言うことを聞かないと怖い、と思い知らせる意味で暴力は(もちろん程度にもよるが)必要だと思う。

この映画の中で暴力を振るわれていた生徒は、いわゆる社会不適合者だ。そんな人たちを更生させるために、会話だけで説得することができるだろうか。

ただただ、ひたすら甘やかされた育った高齢のニートに口で説いて社会復帰できるとは思えない。

教育を十把一絡げにしてマクロで語ることはできない。百人いたら百通りの教育が本来必要なのかもしれない。だけれど、そんな環境整えることは難しい。

戸塚校長はヨットの楽しさを伝えたくてこのスクールを開校したと言う。

決して暴力を振るいたくてスクールを始めたわけではないだろう。

一人の不登校者が立ち直ったことがきっかけで、いつしかこのスクールが社会不適合者の拠り所となり、彼らを立ち直らせる一つの手段として「暴力」が必要だったと理解したい。

戸塚校長は、誰よりも生徒のことを想い、なんとかしたい、という気持ちを持って接していたはずだ、と信じたい。

それは、亡くなった生徒について記者に語るとき、語気を強め涙ぐんでいる表情や自殺した子を思いやる姿から、戸塚校長の生徒に対する愛情と自分自身に対する悔しさが感じ取れたからだ。

shin