「笑顔は誇り。」僕たちは世界を変えることができない。 But, We wanna build a school in Cambodia. ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
笑顔は誇り。
そういえば少し前、タイトルだけは聞いたことがあった作品
「マジでガチなボランティア」はこの作品と連動していたのか、と
あとになって気付かされた。
今作の主人公は、向井理が演じる葉田甲太(役名:田中)の方で、
カンボジアに150万円で小学校を建設するまでの内容となっている。
そしてこのサークルはその後期を追って拡大し、医師不足を補う
診療所建設にも乗り出していたようである。
今作が良かったので、そちらのドキュメンタリーも観たくなった。
さて。。
冒頭から繰り返される医大生の優雅で退屈な毎日^^;
お金だけは(親からだろうが)あるもんだから、マンションに住んで
パーティー三昧、こんな怠慢な大学生活もあるんだ?とおばさんは
観ていて情けなくなってしまった(爆)何のために学校行ってんの?
うちにも大学生の息子がいるけど、あぁ~こんなことしてるんなら
どっか行って働け!(バイトしてたけども^^;)とケツひっぱたくわな。
そんな中ふと目にとまった「カンボジア学校建設基金」のパンフレット。
150万で学校が建つ!?なんてあり得ない面白さ(ぐらいだろうな)に
心を奪われ、田中甲太は仲間に呼びかけてサークルを結成させる。
そこへホストか?^^;と見紛う本田充(松阪桃李)が加わったことで
資金集めのパーティーがさらに激化、仲間が増え、実現に向けての
足がかりを徐々に広げていく彼らだったが…。
日本も今年、大変な災害に何度も見舞われたが、その際にTVで
ボランティア活動にいそしむ若者たちの姿が何度も映し出された。
昔ヤンキーだった、とか、学校にも行っていない、とか、いわゆる
はみ出し者のような目で見られていた彼らが、災害後の現状を身を
持って体験することでこんなに成長した…という内容が多かったが、
彼らが泣きじゃくっていたその顔が、今作の向井をはじめ、俳優の
泣き顔と見事にダブった。あれは演技じゃ出せない顔だろうと思う。
カンボジアのポル・ポト政権時代の惨劇が残るツールスレン博物館、
キリング・フィールドでの映像は、俳優がそのままガイド役・プティ氏
(ご本人)の案内で見学した様子をそのまま映したものなんだそうだ。
どんな演技を持ってしても、あの場面で涙を堪えるのは無理だろう。
日本の震災被害の現実が、遠い異国にまで映像で届くのと同じで、
カンボジアの今の現状が克明に、私たち観客にまで伝わってきた。
これをさらに若い人たちが観たなら、強い衝撃を受けるに違いない。
とても必要なことだ。絶対にこういう惨状を風化させてはいけない。
今ある幸せも生活も過去に難壁があって成り立ってきたという事実。
見た目はチャラい(爆)若者たちも、その団結力と行動力に於いては
ボランティア活動の現実を見ていても凄いと思う。
私らおばさんがとても出来ないようなことを(口ばっかりでゴメンね)
ガンガン成し遂げていくんだもんね。これは本当に誇れることだぞ。
今作や実際のボランティアに関わった若者たちのリアルな姿勢を
もっとメディアは流してほしいなぁ。汚職や不正はもうたくさんだ。
汚ない政治家の顔などいいから、爽やかな若者の笑顔を報道してよ。
(人は金なり。復興財源は助け合う人間の心から生まれるものかも)