劇場公開日 2010年12月18日

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「ご当地映画ではない、2010年を代表する意欲作」海炭市叙景 大塚史貴さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ご当地映画ではない、2010年を代表する意欲作

2020年8月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

夭折の作家・佐藤泰志の原作を映画化した、記念すべき第1作。
この後、「そこのみにて光輝く」「オーバー・フェンス」「きみの鳥はうたえる」とコンスタントに映画化され、それぞれ高い評価を得ているわけだが、その原点といって間違いない。
製作された2009年当時、ここまで地方、市井の人々の疲弊をリアルに描き切った作品はなかった。それゆえ、ご当地映画なるジャンルで括ってはいけない2010年を代表する傑作である。
今作で新境地を開拓した熊切和嘉監督はその4年後、「私の男」で更に大きく羽ばたく事になる。
全ての作品に関わる、シネマアイリスの菅原和博氏が次にどんな一手を放ってくるのか楽しみでならない。

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大塚史貴