劇場公開日 2011年2月26日

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「家族からの愛、自国民への愛」英国王のスピーチ septakaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0家族からの愛、自国民への愛

2011年9月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

幸せ

よかった(笑顔)
でも、期待しすぎたかも(苦笑)
これなら『ソーシャルネットワーク』にも、
もう少しオスカーの何部門かをあげてもよかった気がするなぁ。
結局、アカデミー委員の人って、英国ロイヤルファミリーもの&
実在人物なりきりモノが好きってことに行き着いちゃうんだろうなぁ。。。

※心に残ったセリフ
〈伝えたいことがある。伝えたい人がいる〉

吃音症というと、どうしても
『裸の大将』山下清画伯の姿が、
頭に浮かんでしまう典型的日本人のわたし。

さすがに、コリン・ファースの口から
「おにぎりが欲しいんだなぁ」の言葉は
出ませんでしたが、突然歌いはじめたり、
Fワードを連発したりと、まるで今年の、
アカデミー賞、メリッサ・レオの事件を、
予兆したかのような内容になっていて驚きました。

日本では、どうなるかわかりませんが、
あまりにもFワードを連発しているため
アメリカでは、その部分をカットして上映を
しようとする動きがあるとのことです。今作に
ご興味のあるかたは、カットされないとも限りませんので
お早めに映画館に足を運ばれることをお勧めさせて頂きます。

◇   ◇

本当の王になった瞬間
本当の友人になった瞬間

映画化の話が出てから、
今作が陽の目を見るまで25年の歳月。

それは、映画化の条件として、
前女王から(今作ジョージ6世の奥様)、
「私が生きているうちは、映画の上映はしないで欲しい」
との、希望があり、それを尊重したからだそうです。

英国王室の隠れざる事実
そこにオーストラリア人が関わっていたこと

英国の懐の深さ、自由度を
さり気なく、映画を通じて世界にアピール。

そんな今作に、アカデミー賞を多数授与したのは、
米国が、英国よりも懐が深いことをアピールしたかったからかもしれません。

笑えるはずなのに、
オスカー受賞作だから、
笑ってはいけないとでも思っていたのでしょうか。

あまりにも劇場の雰囲気が硬くて、
こちらにも驚きました。周りのお客さんによっては、
ドッカンドッカン笑いっぱなしの回もあったと思います。

笑いあり
感動の涙あり
夫婦の愛あり
親子の愛あり
祖国への愛あり

ありとあらゆる愛が今作の中に、
万華鏡のように色々な形で映し出されていました。

映画鑑賞客は、用意された
贅沢な食材を、一品ずつ堪能すれば良いだけでした。

あ~~~、
美味しかった。お腹一杯でございます(大笑顔)

☆彡     ☆彡

今作で更に注目を集めたコリン・ファースの次回作。

『オールド・ボーイ』『渇き』の
パク・チャヌク監督、初ハリウッド進出作品になるそうです。

パク・チャヌク監督が、
どんな作品を作り上げるのかも、楽しみです。

スピーチに始まり、スピーチに終わる
失望に始まり、喝采に終わる

ラストのスピーチは
まるで私たちも当時の英国国民に
なったかのように耳を傾けてしまいました。

こんなときだからこそ、
今の日本にもパフォーマンスではなく、
弁舌爽やかでなくてもかまいませんから、
心を震わせ、勇気を与えてくれる、スピーチを
届けてくれる人物が必要なのではないでしょうか。

心痺れる118分を、ありがとうございました(拍手)

septaka